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【現役クリニシャンを直撃!】筋膜リリースとはどんな施術か?メカニズムや効果を聞いた

  • 最終更新日:2017年3月17日

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◆まずはじめに

銀座コルノ施術院

 

こんにちは、健康チョキン編集部のhikaruです。

今回のインタビュー特集企画のテーマは、ずばり「筋膜リリース」です。

 

今回は、東京銀座にある筋膜リリースの専門院「銀座コルノ施術院」の院長であり、日本にまだ120名ほどしかいないと言われるグラストンテクニック認定の現役クリニシャンである山本修司先生にお話を伺ってきました。

 

グラストンテクニックで利用する器具

<筋膜リリースの施術で使うグラストン(器具)>

 

「筋膜リリース」の手法の一つであるグラストンテクニックはアメリカ発祥の治療技術で、全身の各部位に合わせてデザインされたステンレス製の器具を使用して施術します。

 

アメリカでは医師やカイロプラクター、理学療法士などが行う治療手段として利用されおり、主に腰痛や首肩凝り、肘や膝の痛み、手足のしびれなど筋骨格系の不調に対しての治療の他、リハビリやスポーツ障害のケアのためにプロスポーツの現場でも採用されています。

 

日本でも近年テレビや雑誌で話題沸騰中の筋膜リリースですが、歴史と資格制度が不十分な状況下で情報が錯綜している状況です。

 

Q.今回は、そもそも筋膜リリース(グラストンテクニック)とは、どんな施術やメカニズムなのか?

 

筋膜の定義にも踏み込みながら、どんな効果があるのか伺ってきました。

 

◇今回、お話を伺った先生はこの方

 

インタビューに伺った先生はこの方

銀座コルノ施術院 山本修司先生

東北大学薬学部、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科を卒業後、医療系システム開発に従事。エンジニア時代に胃や背中の不調を整体によって取り除いた ことをきっかけにカイロプラクターの道に入る。RMIT大学健康科学部カイロプラクティック学科を卒業後、カイロプラクターの国際試験に合格し、竹谷内医院にて3年間従事したのちに独立。現在は銀座コルノ施術院の院長としてカイロプラクティックやグラストンテクニック(筋膜リリース)を組み合わせ、首、肩、腰の痛み、手足のしびれ、慢性の疲労感などの悩みを持つ方に施術を行っている。薬学の知識をもとにした栄養アドバイスの他、企業での姿勢指導も行い、患者さま自身が健康な生活を遅れることを目標に幅広いサポートを行っている。

 

-取得資格

グラストンテクニック認定クリニシャン(筋膜リリース)

カイロプラクター(WHO基準・IBCE試験合格)

薬剤師

 

銀座コルノ施術院の院長 山本修司先生
カイロプラクティックの資格証明書
グラストンテクニックの資格証明書

 

 

1.筋膜リリースは、首肩の凝り・腰痛・手足のしびれ・関節の問題など様々な不調に対応できる

 

編集部

早速ですが、山本先生の銀座コルノ施術院はどのような特徴を持った施術を行っているのでしょうか。
山本先生

山本

当院は、グラストンテクニックという特殊なツールを使った筋膜リリースとカイロプラクティックによる背骨や骨盤などの調整による施術と、薬剤師の知識を活用した栄養、お薬の副作用などのアドバイスを行い患者様の不調の根本解決をサポートしています。

 

グラストンテクニックの施術イメージ

筋膜リリース(グラストンテクニック)の施術イメージ

 

編集部

どのような不調や悩みのある方がこられるのでしょうか?
山本先生

山本

基本的には首肩凝りや腰痛、膝や肘などの関節の問題や手足のしびれ、手術後の癒着による痛みなど筋骨格系や神経系の不調のある方が多くいらっしゃいます。その他、スポーツ障害や慢性的な不調で悩みを抱えていて、病院やセルフケアでは打ち手が見つからなかった方がきてくださいますね。

編集部

とても幅広いですね。最近、テレビや雑誌などで筋膜リリースという言葉をよく耳にすることが多いのですが、そもそもどのような施術方法なのでしょうか?

2.そもそも筋膜リリースとはどのような治療なのか?筋膜についての正しい理解が必要

山本先生

山本

私が行っている施術はアメリカ発祥のグラストンテクニックという筋膜リリース方法で、アメリカでは医師やカイロプラクター、理学療法士などが行う治療行為として認められている特殊な器具を使った施術方法です。しかし、「筋膜リリース」自体に広い意味があります。日本では言葉の使われ方や定義自体が今、大混乱状態ですので施術方法の前にまず筋膜とは何か?について説明した方が良いと思います。

編集部

なるほど。事前に色々な情報サイトを見ましたが正直良く分かりませんでした。詳しく教えて頂けると有難いです。
山本先生

山本

それではまずは、筋膜リリースの歴史から見ていくことが分かりやすいと思います。筋膜リリースの歴史を辿ると50年程前に遡ります。古くは、アメリカの医学博士であるアイダ・ロルフという方が開発したロルフィングという筋膜施術方法があります。

編集部

どのような施術方法なのでしょうか?
山本先生

山本

簡単に言えば、身体の構造(姿勢や体型など)の偏りや筋肉の緊張に注目し、手や肘を使って硬くなった皮下組織(筋膜)を押し伸ばして柔軟性や伸長性を調節する手技です。この頃から、筋膜を伸ばす施術と言っていたのですね。

編集部

なるほど。
山本先生

山本

ところが、当時は科学的なエビデンスに乏しく医師の方からは相手にされませんでした。また、筋膜という言葉はあったのですが、皮膚よりも深い筋肉の表面にあるので、皮膚をひっぱっても何も変わるわけがないと思われていたのですね。

編集部

確かに。筋膜という言葉だけを見ても筋肉の周りにあるものだ、と思ってしまいますね。
山本先生

山本

そうですね、当時の筋膜治療はエビデンスやメカニズムが不明だったのですが、実際には姿勢や体調改善の効果があったので民間の治療方法として広まっていました。その他、オステオパシーという体の循環を改善して自然治癒力を向上させる治療方法の中にも、内臓を包む筋膜に注目した内臓マニュピレーションという施術方法などがあります。

3.筋膜には深筋膜と浅筋膜があり、つながっている

編集部

お話を伺っていると、筋膜がどこにあるのか、少し分からなくなってきてしまいました。
山本先生

山本

そうですね、これから詳しく説明します。筋膜は2000年頃から研究が急速に進んで注目されてきました。そこで分かったのは、皮下組織(脂肪層)にも全身を覆っている厚いメッシュ状の膜があり、その膜が筋肉を覆っている薄い筋膜とつながっていることが分かったのです。

編集部

そうすると、皮膚の下のメッシュ状の膜も筋膜で、筋肉を覆っている膜も筋膜、ということになるのでしょうか?
山本先生

山本

はい、「筋膜」という言葉が誤解を生みやすいのですね。まず体の全域にわたって存在していて筋肉や骨、神経や血管をつつみ、つなげている結合組織全体のことをファシアと呼びます。その中で皮下組織(脂肪層)にあるメッシュ状の筋膜を「スーパーフィシャル・ファシア(浅筋膜)」、筋肉を包んでいる薄い膜のことを「ディープファシア(深筋膜)」と呼びます。これは国際解剖用語委員会で決められた正式な定義なのですが、日本では筋膜と聞くと筋肉を包む深筋膜のことを想像する人がほとんどです。つまり、ファシア=筋膜と和訳されることが言葉の意味や定義の混乱の要因になっているのです。

編集部

なるほど、難しい。
山本先生

山本

筋膜は果物のオレンジを例えにして紹介されることが多いのですが、オレンジ色の皮の部分が皮膚、皮の下にある白い綿状の部分が浅筋膜、実の部分が筋肉で、実を包む透明な薄皮の部分が深筋膜というイメージですね。図で書くとこんな形でしょうか。

 

筋膜(スーパーフィシャルファシア浅筋膜とディープファシア深筋膜の図

 

編集部

とても、分かりやすいです。

4.浅筋膜はメッシュ状で全身に広がっている。硬くなると体の不調の原因になる。

山本先生

山本

浅筋膜は全身に広がっていて筋肉がない部分(脛や肘)も骨とつながっています。全身を網の目上のボディスーツで包んでいるようなイメージですね。浅筋膜は子供のうちは軟らかいのですが、大人になっていくと硬くなっていくことが多くなります。メッシュの正体はコラーゲン線維で、これが増えたり結束することで硬くなっていきます。皮膚が擦れると厚くなっていくのと同じで、浅筋膜も体の内側で反復運動による摩擦で徐々に硬く厚くなっていくのですね。

編集部

なるほど。
山本先生

山本

浅筋膜に負荷がかかり丈夫になっていくこと自体は問題ないのですが、硬くなりすぎるのは問題です。例えば柔軟性のあるストレッチジャージを履いていれば動きやすいですが、きつきつでタイトなジーンズを履いていると膝を曲げるのも大変になりますよね。

編集部

つまり、山本先生が施術される筋膜リリースというのは、この浅筋膜に対しての施術ということになるのでしょうか?

5.筋膜リリース治療では主に、硬くなった浅筋膜を軟らかく戻していく

山本先生

山本

はい。グラストンでは浅筋膜の他、腱や靱帯なども施術しますが、最初に必要なことは厚く硬くなったメッシュ状の浅筋膜をインストルメント(ステンレス製の専用器具)で軟らかく戻していく施術です。

編集部

それで、良く分かりました。ところで、理想的な浅筋膜というのはどのような状態なのでしょうか?
山本先生

山本

言葉で表すのは難しいのですが、メッシュ状の線維の密度が適度で互いに独立していている状態です。この時は水捌けがよく柔軟性があります。メッシュ状の線維が増え過ぎて線維同士の結合(架橋)ができてくるとメッシュの隙間に脂肪を蓄えて硬くなっていきます。浅筋膜には血管や神経も通っていますので、硬くなると血液の流れが悪くなり、痛みを感じる受容器の数が増えて痛みに敏感になってしまいます。メッシュ状の線維は水分も吸収しやすいのでむくみの原因にもなります。

 

浅筋膜の比較図

 

編集部

全身に浅筋膜がつながっているので様々な不調の原因になりそうですね。
山本先生

山本

その通りです。浅筋膜は筋骨格系すべてにつながっているということと、痛みの原因になりうるという2点が重要なポイントです。固くなった浅筋膜はその場所だけでなく、離れた場所の筋肉や関節の動きも制限します。さらに状態が悪くなれば痛みを生じ、その痛みが筋膜のラインに沿って広がっていきます。

6.腰痛の85%は原因不明。デスクワーカーに多い不調の原因は浅筋膜にあるかもしれません

編集部

我々デスクワーカーによくある悩みの腰痛や首こりなども筋膜が関わっているのですか?
山本先生

山本

可能性は高いと思います。実は腰痛の85%が原因不明と言われています。整形外科に行って骨、筋肉などをレントゲンやMRIで見ても、年相応の変化はあっても痛みを生じるほどの問題はないのですね。筋肉の内部は感覚が鈍く、関節軟骨にいたっては痛みどころかほとんど何も感じないようにできています。常に運度によって擦れる場所ですので、元々そのようにできています。凝りや筋肉痛というのも、実は筋肉の内部ではなく筋膜で感じていることがわかってきました。

編集部

そうなのですか。知りませんでした。
山本先生

山本

慢性の腰痛は、ストレスを感じると腰が痛いと思い込んでしまう認知の問題が原因であるとも言われていますが、最近の研究では腰痛の方の浅筋膜の状態を検査したところ、腰の浅筋膜が厚く固くなっていたことが分かりました。つまり、腰の筋肉や骨には問題はなく、筋膜が厚く硬くなったことによって血流が悪くなり、疲労物質が溜まることで凝っているあるいは痛いと感じているのではないかということです。

編集部

腰痛の容疑者が筋膜にある。

 

銀座コルノ施術院の施術室

銀座コルノ施術院の施術室

 

山本先生

山本

膝痛の原因も最近の研究で徐々に分かってきました。以前は関節軟骨がすり減ることや半月板が傷ついて痛みが発生していると言われていましたが、実はあまり明確な根拠はありません。軟骨も半月板も本来ほとんど何も感じない部分だからです。膝痛の方で骨や関節の手術が必要な方は、全体の5%しかいないと言う専門医の方もいます。

編集部

そうなのですか。なんとなく、膝痛の原因はそのようなイメージがありました。
山本先生

山本

関節軟骨は非常に滑らか(氷を溶かした表面以上の滑らかさ)で、神経や血管、痛覚もありません。膝の周りの軟部組織(浅筋膜)が硬くなって、痛みに敏感になってしまっていることが、膝痛の原因の一つであることが分かってきました。また、関節の動きに対して浅筋膜の動きが悪いと、骨と骨の間に痛みに敏感な脂肪(浅筋膜)や滑膜が挟まることで痛みが発生するというケースもあります。

編集部

先生のインタビューを伺って、今までの常識がどんどん覆ってきます。
山本先生

山本

実は筋膜(以前は筋肉と思われていた)が関係した膝痛の原因はアメリカなど海外では以前から知られていて、痛みある場所を指で押さえて動かす、アクティブリリーステクニックという方法がカイロプラクターによって行われていました。日本でも同様の方法で、医師の方が痛点ストレッチという治療を行っています。

編集部

そうだったのですね。
山本先生

山本

慢性の膝痛で膝の周りが腫れているのは、骨が変形しているだけではなく、浅筋膜が水分を多く含み、冷たい浮腫(むくみ)になっていることも原因です。これは炎症による熱を持った浮腫(はれ)とは異なります。グラストンテクニックではそのような原因箇所を見つけて、過度に結合した筋膜を解きほぐし水捌けの良い状態に戻していくのです。

編集部

今回のインタビューで筋膜や、筋膜リリースといった施術方法のメカニズムが良く分かりました!ありがとうございます。次回は、どのような施術過程なのか詳しく伺わせてください!

 

 

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hikaru
■20代/男性/会社員 営業担当時代はヘルスケア領域の顧客を多数担当。セルフメディケーションを怠った結果、体調を崩したことをきっかけに健康オタクに…!自らも、「健康食品コーディネーター」の資格を取得し、これまで得た栄養学や生理学、遺伝子学の知識を使って、健康増進を目指す方や悩みのある方にとって分かりやすい情報を提供できるよう心がけています。最近大好きなキーワードは、「徳と記憶」。

最終更新日:2017年3月17日