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慢性的な軟便、放っておいて大丈夫?原因と対策を紹介!

軟便のイラスト

監修者・女性

この記事の執筆専門家

助産師・保健師・看護師  座波 朝香 (株式会社とらうべ)

※本記事は、保健師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

他人と比べることがない便の状態。そのため、便が柔らかいという状態が続いていても、これが「軟便」なのかわからなかったり、「なにかの病気なのではないか」と不安になってしまうことはないでしょうか。

 

軟便とはどのような症状なのか、軟便が続いているときに考えられる原因や病気、注意点について説明しましょう。

 

1.軟便とはどのような状態のことか

便の状態のイラスト

医療現場では、誰が見ても便の性状を共通にとらえられるように「ブリストルスケール」を使うことがあります。これは、便の性状を7段階の特徴に分けた指標です。

 

「軟便」という表現には個人差がありますが、以下の5もしくは6以降を軟便だと自覚することが多いでしょう。医学的には、6と7を「下痢」と表現しています。

 

1.硬くてコロコロの兎糞状の(排便困難な)便

2.ソーセージ状であるが硬い便

3.表面にひび割れのあるソーセージ状の便

4.表面がなめらかで柔らかいソーセージ状、あるいは蛇のようなとぐろを巻く便

5.はっきりとしたしわのある柔らかい半分固形の(容易に排便できる)便

6.境界がほぐれて、ふにゃふにゃの不定形の小片便,泥状の便

7.水様で、固形物を含まない液体状の便

引用:http://neuro-g.umin.jp/neuro-g/publication/5-kai%20PDF/hongo%20lunchon%20semi%200902_25-29low.pdf

 

2.食べ物から便になるしくみ

どうして軟便になるのかを知るために、まずは便がどのように作られるのかを説明します。

食べ物が口から入って出ていくまでの通り道、つまり消化器官でどのような作用を受けているのかを見てみましょう。

 

人体イラスト

 

:食べ物はまず口の中で咀嚼(そしゃく)されます。歯で噛み砕かれながら、唾液によって、栄養成分の分解がはじまります。

:噛み砕かれた状態で胃に入ってきた食べ物には、まだ固形物が混ざっています。胃では、胃液と食べ物とが混ざり合いながら、ドロドロの状態に溶けていきます。

十二指腸:胆汁(たんじゅう)や膵液(すいえき)などが出てくる場所。これらの作用を受けて栄養素が分解されることで、さらに身体に吸収されやすい状態になります。

小腸:この時点で食べ物は液状になり、目には見えないほど分解された栄養素を含んだ状態になっています。この栄養素は小腸で身体へと吸収されていきます。

大腸:まだまだ食べた物と消化液が混ざった液体の状態ですが、大腸で多くの水分が身体に吸収されます。水分や栄養素が身体へ吸収された後には、食物繊維など、消化しきれない残渣物(ざんさぶつ;残りかす)と少量の水分だけになります。

直腸~肛門:残りかすがまとめられて、便として排出されます。

このように、大腸は水分を身体に取り込む役割があるため、大腸に長く滞在すればするほど、水分は身体に取り込まれることになります。

 

実は、先に紹介した「ブリストルスケール」では、便の性状が消化管を通る時間との関係についても示されています。

 

消化管を通る時間が長いほど水分が少なく硬い便になり、消化管を通る時間が短いほど水分が多く柔らかい便になるということです。

 

3.軟便!排出までに何が起こっている?

胃腸のイラスト

軟便になる原因はいくつかあります。軟便、つまり便中の水分が増える原因を知ることで、便の様子を観察するとき、身体でなにが起こっているのか、検討がつきやすくなります。

 

●浸透圧性

いわゆる消化不良の状態

 

食べた物が分解されてできた糖類が吸収されないことによって、腸の内容物の浸透圧が高くなります。すると、本来ならば腸から身体へと水分が吸収されるはずが、逆に身体の水分を腸の中へと引き込んでしまいます。

 

これを「浸透圧性」といいます。牛乳や人工甘味料、コーヒーのミルクなどで起こることがあります。

 

●蠕動(ぜんどう)運動性

食べた物が、時間をかけずにするすると腸を通り抜けていってしまう状態

 

食べ物は、腸の自動的な運動である蠕動運動によって運ばれていきますが、動きが活発すぎると、短時間のうちにどんどん運ばれていってしまうので、水分が充分に吸収できなくなります。

 

●浸出液性(炎症性)

腸に炎症がある状態

 

傷ついた肌をイメージしてみてください。ジクジクしますよね。これは、炎症の反応として浸出液が出てきている状態です。

 

腸でも炎症が起こると同じことが起こります。また、炎症が起こって吸収が悪くなっているので、結果として水分が多くなります。

 

●分泌性

腸内の腸液、つまり水分分泌が多くなる状態

 

ウィルス感染などによる毒素やホルモンなどの影響により、腸内の塩素イオンが増えた結果として水分も増えます。

 

4.慢性的に軟便・・・それって異常?

腸が弱っているイラスト

便の様子を観察してみると、毎日同じということはありません。

 

もし、軟便であっても一時的であれば、感染性胃腸炎や暴飲暴食によるもの、女性であれば月経周期による周期的なものなど、心あたりが見つかることは多いでしょう。またこのような場合は、排便によって症状は落ち着いてくるでしょう。


でも、軟便が続いていると、「体質が変わってしまったの?」「何か悪い病気なの?」と気になることでしょう。

 

軟便が1カ月以上続く場合を「慢性下痢」といい、何らかの病気が隠れている可能性があります。考えらえる病気はさまざまありますが、先ほど説明した軟便になる原因が当てはまる場合は、次のような病気の可能性が考えられます。

 

・浸透圧性の軟便:乳糖不耐症、セリアック病など
・蠕動運動性の軟便:過敏性大腸症候群、バセドウ病など
・浸出液性の軟便:クローン病、潰瘍性大腸炎など
・そのほか

 

5.軟便が続くときの改善ポイント

元気な腸のイラスト

軟便が続いてしまうときは、慢性化する前に対策を講じたいものです。そのためには、軟便を引き起こすような生活習慣がないかを振り返り、改善を心がけることが大切です。

 

併せて読みたい!関連記事♪

 

○消化しにくい食べ物に気をつける

肉、揚げ物、ラーメン、ケーキや洋菓子など、脂質が多いものは消化しにくく、負担になります。

 

また、身体に良さそうな玄米、海藻類、生の野菜などは、実は消化に時間がかかりますので、軟便のときにはあまりよくありません。

 

また、人工甘味料の摂りすぎにも注意しましょう。そのほか、飲み物ではコーヒー、アルコール、炭酸飲料などは避けるようにしましょう。

 

○消化しやすい食べ方を心がける

消化しやすくするためには、よく噛み、ゆっくりと食べるようにしましょう。

 

ドカ食い、大盛り、おかわりは消化によくありません。また、夜遅くに食事をするのも消化に良くありません。

 

○ストレスや疲れをためない規則正しい生活

消化器官の動きは、大いに自律神経の影響を受けています。ですから、自律神経の乱れも消化に影響します

 

自律神経には、身体の臨戦態勢をつくりだす交感神経と、休息やリラックス時に働く副交感神経の2つがあります。ストレスや疲れをためないというのは、交感神経が働く状態ばかりでなく、副交感神経が働く状態を作るということです。

 

そのためには、良質な睡眠をとること、リラックスできる時間をもつこと(ただし、お酒やたばこなどはNG)など、きちんと休息をとりましょう。

 

○受診のタイミング

生活習慣の改善を試みても改善しそうにない場合には、受診をして軟便の原因をきちんと診てもらいましょう。

 

また、感染症や食中毒の心当たりがある場合(同じものを食べて同じ症状を呈する人が周りにいるとき、海外への渡航歴があるときなど)や、血便、嘔吐、発熱、腹痛がある、水っぽさが増す回数が増えているなど、軟便の症状にとどまらない場合には早めに受診をしましょう。

 

※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:助産師・保健師・看護師 座波 朝香
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

 

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編集部
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