【保健師が解説!】便(うんち)が硬い!出ない!その原因って?今日から出来る改善方法!
この記事の執筆専門家
保健師 吉村佑奈 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社員。つい先日まで、病院で看護をしていて、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当。
※本記事は、保健師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
「うんち」はその時の体調や食生活といった、あなたの健康状態を反映しています。
うんちが硬いと排便に時間がかかったり、痛みを感じたり、出血したり、痔になったり、痛いのが嫌で、便意を我慢し、便秘になったりすることもあります。
そこで今回は、うんちが硬くなってしまう原因と、どうしたら改善できるのかを解説します。
2.便が硬くなる原因は?
次のようなことが起こると、便は硬くなります。
●水分が足りていない
食べたり飲んだりする水分の量が足りないと、腸に届くうんちの水分量も少なくなります。
そうなると、うんちは硬くなり、流れがスムーズにいかなくなります。
そして腸の中にうんちが長くとどまっている と、そのあいだに腸が水分をどんどん吸収してさらに硬くなってしまいます。
うんちは通常、およそ8割が水分ですが、硬いうんちだと6割、それ以下になるとウサギの糞のようなコロコロうんちになります。

●うんちの形状と水分の関係
・通常のうんち→8割水分
・硬いうんち→6割水分
・コロコロうんち→6割以下
●食物繊維の不足や摂り過ぎ
食物繊維には水に溶ける「水溶性」のものと、水に溶けない「不溶性」のものとがあります。
水溶性食物繊維には、うんちを柔らかくしたり、腸のぜん動運動(健康な腸の動き方で、うねるような動きのこと)を活発にしたりする大切な働きがあります。
そのため、水溶性食物繊維が不足すると、うんちに水分が十分に含まれなくなったり、便秘をすることでうんちが腸に長くとどまり、水分を失うことにもつながります。

●水溶性食物繊維を多く含む食べ物
らっきょう、納豆、アボカド、にんにく、オクラ 等
反対に不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維で、胃や腸の水分を吸収して膨らみ、うんちをかさ増ししてくれます。
しかし、もともとうんちが硬い人がこればかり食べていると、腸内の水分を吸収しすぎてしまうため、更にうんちが硬くなってしまいます。
不溶性食物繊維を食べる時は、お水等と一緒に摂るよう心がけましょう。

●不溶性食物繊維を多く含む食べ物
いんげん豆、ひよこ豆、えのき、切り干し大根等
水溶性と不溶性とをバランスよくとることが大切です。
水溶性1:不溶性2の割合がバランスが良いと言われています。
●腸内環境が悪い
腸には腸内細菌が住んでいます。
善玉菌・悪玉菌・日和見菌と3種類に分けられています。
この腸内細菌のベストバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7だと言われています。

ところが、寝不足、運動不足など不規則な生活を過ごしていたり、野菜不足などの食生活の乱れによりこのバランスが崩れて善玉菌が減り、悪玉菌が増えると 腸内環境は悪くなります。
すると、食べ物の分解や吸収も悪くなって、うんちは硬く黒くなります。
●運動不足
ずっとデスクワークが続いているなど、運動不足になると腸の動きが悪くなって、うんちを長時間腸内とどまらせるので、硬くなってしまいます。
●ストレス
仕事で緊張する場面や、学校での試験など、ストレスが強いと腸はけいれんを起こします。
すると腸の動きも悪くなって、うんちが腸内に長時間とどまり、水分が奪われてしまいます。
3.今日から出来る!硬い便の改善策!
健康的なうんちはバナナの色と形に似ていて、排便時に1~2本程度スルリと出て、においもありません。
このようなうんちを作るポイントを紹介します。
●水分を摂ろう
人間が1日に必要とする水分は約2.5リットルです。
このうち、食事から1リットルほど摂ることが出来るので、残りの1.5リットルを水分補給することが必要です。
ただ、たとえば、ご飯よりパンが多い、野菜や果物はあまり食べない、油ものが多いといった食生活は、食事中の水分量が少なく、水分を十分にとることが出来ていません。
水分の含有量の多く含まれているご飯や野菜、果物などを摂るようにしましょう。
また、水分補給は短時間に多量に摂っても尿として出てしまいます。
一気に1.5リットルとるのではなく、こまめに摂るようにしましょう 。
一回に200CC(コップ一杯)を8回とると1.5リットルほどになります。
仕事や育児に追われているとつい忘れがちになります。
朝起きた時・毎食事中・入浴前後・寝る前などと時間を決めて水(お湯)やお茶を飲んだり 、水筒やペットボトルで1日分の量をわかるようにして飲んだりすると良いでしょう。

●水分を摂る際のポイント!
- 1日1.5リットル水分を摂ろう!
- 一気に飲むのではなく、こまめに摂ろう!
- 忘れそうな場合は、時間を決めて飲んでみよう!
- 1日の水分量がわかるようにして飲もう!
●水溶性食物繊維を多く含む物を食べよう
水分を摂ってもうんちが硬い場合、水溶性食物繊維が不足しているかもしれません。
毎食の食事に、多く含まれる物を追加する、または選ぶようにする、間食を置き換えてみる!など、「水溶性食物繊維」を積極的に摂りましょう。

●水溶性食物繊維を多く含む食べ物
らっきょう、納豆、アボカド、にんにく、オクラ、わかめ、こんにゃく等
●腸内環境を整えよう
腸内環境を整えるためには腸内細菌のバランスが重要です。
寝不足、食生活の乱れ、運動不足などは、腸内環境のバランスを悪くしてしまう原因の1つになります。
寝る前の読書や、スマホをいじる時間を減らす、食事は油ものは避け、野菜中心にする、一駅分だけ歩いてみる、階段を使うなど、まずは自分の私生活を整える努力をしてみましょう。
その上で、ヨーグルトなど善玉菌の乳酸菌やビフィズス菌が含まれる物、これらのエサになる水溶性食物繊維や、キャベツ、タマネギなど、オリゴ糖含む物を毎日積極的に摂りましょう。
●適度に全身運動をする
うんちが固いのを改善するには、おなか周りだけではなく、全身の血液の流れをよくする全身運動が必要です。
そこでおすすめなのが、ヨガやラジオ体操など、呼吸をしながら全身を動かす運動です。
おなか周りも全身も動かすことができます。
しかも、適度な運動はストレス発散にもつながります。
4.最後に
食事や運動など生活習慣の改善を続けてみても変わらないときや、便に血が混じる、腹痛があるなどの症状が続く場合には、内科を受診してみましょう。
何か病気が隠れている可能性もあります。
健康のバロメーターでもあるうんちのチェックを忘れずに行い、毎日の健康管理に役立てましょう!
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:保健師 吉村佑奈 株式会社 とらうべ 社員。つい先日まで、病院で看護をしていて、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当。 ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
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