【看護師が伝授】おでこ(前頭部)・こめかみが痛い! 頭痛の場所別でわかる原因と対策

この記事の監修専門家
助産師、看護師 南部 洋子 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
日常生活でよく頭痛が起こる場合「慢性(まんせい)頭痛」と呼ばれます。
慢性頭痛の中で、おでこやこめかみの辺りが痛くなることが特徴の頭痛としては、片頭痛(へんずつう)と緊張性頭痛の二つが代表的です。
このように、痛い場所がどこか、どのような痛みかによって頭痛は原因も対処も違ってきます。
今回は特に、おでこやこめかみが痛いときの頭痛のことを解説します。
2.片頭痛とは?

頭の片方が痛むということから「片頭痛(偏頭痛)」という名前がついていますが、実際には、片方だけでなく頭の両側が痛くなる人が半数くらいいます。
おでこやこめかみから目のあたりにかけて、脈が打つように「ズキンズキン」「ガンガン」といった痛みが起こります。
しかも、痛みだしたら2~3日程度頭痛が続くのでやっかいです。
1か月に1~2回、多い人なら1週間に1回と周期的に頭痛が繰り返されます。
3.片頭痛の原因
片頭痛は、原因はハッキリしていません。
女性に多く、仕事で忙殺されていて、やっと片付いた時、ゆっくり眠れたなどで、ストレスが終わった時などに起こることから、緊張で収縮していた血管が、ストレスが去ったことで急に拡張して、頭痛が起こると考えられています。
4.片頭痛の症状
片頭痛の主な症状は次のようなものです。
●前兆
片頭痛には、頭痛が起こる前に前ぶれがあります。これを「前兆」と呼んでいます。
この前兆が、15~60分位あり、前兆が消えてから60分以内に頭痛が始まります。
頭痛をもつ20~30%の人に前兆が自覚されています。
症状としては、以下のようなものです。
- 目の前にチカチカ光るフラッシュがでて、部分的に見えにくくなる。
- 臭いを感じなくなるなど感覚が鈍くなる
- 舌がからんでコトバが出にくくなる
●痛みが激しくなる
頭痛が始まってからも家事や仕事などを続けていると、頭痛が強くなることもあります。
さらに、階段の昇り降りする等、身体を動かして、頭部が左右または上下に頭部の位置が変わることで痛みが強くなります。
●痛み以外の症状
頭痛が起こっているあいだ、光・音・臭い・気圧や温度の変化などに敏感になります。吐き気や嘔吐がでることがあります。
5.片頭痛の対処法
片頭痛が起こった時、どのように対処したら良いでしょうか?
●静かな暗い場所で休む
身体を動かしたり、光や騒音など強い刺激を受けると頭痛はひどくなってしまいます。室内では、昼間でもカーテンを引いて暗くし、ベッドや布団に横になり安静にしましょう。
屋外でもできるだけ建物内で、建物がない場合は、木陰やベンチなどで、目にタオルなど当てて体を横にして休むようにしましょう。
●痛い場所を冷やす
冷たいタオルを痛む場所にあてて、冷やすと血管が収縮して痛みが軽くなります。
●カフェインをとる
コーヒー・紅茶・日本茶に含まれるカフェインは、血管を収縮させる働きをするので、痛みだしてすぐに飲むと、痛みを軽くしてくれることがあります。
ただし、カフェインをとり過ぎるのは良くないので注意をしてください。
6.緊張性頭痛とは?

慢性頭痛の約7割を占めているのが「緊張性頭痛」です。
両側のおでこやこめかみが「締めつけられるように痛む」のが、緊張性頭痛の特徴です。
7.緊張性頭痛の原因
パソコンやスマホを長時間操作するなどで、首や肩の筋肉が緊張すると血液の流れが悪くなり、筋肉に老廃物(ゴミのようなもの)がたまって、筋肉周辺の神経が刺激され、それが痛みにつながります。
職場やプライベートでの人間関係、睡眠不足などのストレスや同じ姿勢が続いたりすると緊張性頭痛は起こりやすくなります。
8.緊張性頭痛の症状
後頭部から首筋を中心に、おでこやこめかみまで頭全体が「ギュー」と締めつけられるような痛みが生じます。
数時間で治まる場合から、数か月続いて慢性的になる場合まで、さまざまなケースがあります。
9.緊張性頭痛の対処法
緊張性頭痛が起こったら、次のようなことをしてみましょう。
●身体を温めてコリをほぐす
蒸しタオルで肩を温めたり、半身浴をするなどして、身体全体を温めてコリをほぐします。肩回しや腕伸ばしなどのストレッチをするのもコリがほぐれてよいでしょう。
●気分転換をする
会議でプレゼンをする、など緊張をもたらすストレスは頭痛をひどくします。
また、難しい仕事をしていて頭痛が来た場合、いったん仕事場を離れて、コーヒーなどを飲んで一息つきましょう。
また複雑な人間関係などがストレスになっていると思ったら、休日には自然に触れる海や山に行くのもおすすめです。
自分が落ち着く場所で、読書や昼寝などもいいですね。
10.最後に
痛みがつらいときは我慢をしないで病院に受診することをおすすめします。
「頭痛外来」という診療科が専門です。
命にかかわる病気で起こる頭痛の可能性もあります。
いつもの頭痛だからと思ってしまわずに、一度は、受診してみましましょう。
※この記事を監修して頂いた専門家の方
監修:南部 洋子(助産師、看護師)
緑ラベル
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