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【管理栄養士が解説!】BCAAって何?その効果って?

  • 最終更新日:2018年6月13日
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筋肉とアミノ酸サプリがイラストで描いてあって、BCAA!と書いてある画像

 

監修者・女性

この記事の執筆専門家

管理栄養士 山本ともよ  (株式会社とらうべ)

※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

1.はじめに

みなさんは、「BCAA」という名前を聞いたことがありますか?

 

BCAAは、アミノ酸のひとつであることから、運動を積極的に行っている人は聞いたことがあるかもしれません。

 

では、このBCAA、どのような効果があるのでしょうか?

 

2.BCAAとは!

BCAAとはと管理栄養士が言っている画像

 

BCAAは、Branched-Chain Amino Acidsの頭文字をとった略で、日本語では「分岐鎖アミノ酸」といいます。

 

アミノ酸は、わかっているだけでも500種類以上あるといわれています。

 

そのうち、ヒトのたんぱく質を構成するアミノ酸は20種類あります。

 

この20種類は構造の違いにより分類ができ、枝分かれの構造を持つバリン、ロイシン、イソロイシンが「分岐鎖アミノ酸」(BCAA)にあてはまります。

 

20種類のアミノ酸のうち、体内で合成されない9種類を必須アミノ酸、体内で合成できる11種類を非必須アミノ酸といいます。

 

BCAAは必須アミノ酸に含まれ、毎日食事から摂る必要があります。

 

3.BCAAの働き

BCAAの働きと管理栄養士が言っている画像

 

バリン、ロイシン、イソロイシンには次に挙げる共通のはたらきがあります。

 

●アミノ酸として筋肉のもととなる

アミノ酸が多数結合してたんぱく質を構成します。

 

筋肉はたんぱく質が主成分であり、BCAAもその構成成分です。

 

●筋肉のエネルギー源となる

運動をするときには、筋肉に蓄えられているグリコーゲン(糖質)が分解され、エネルギー源となります。

 

グリコーゲンでのエネルギー補給が足りなくなると、今度は筋肉を構成しているたんぱく質を分解し、BCAAをエネルギー源として利用します。

 

●筋肉の合成を活性化させる

筋肉を構成しているたんぱく質を合成するスイッチをオンにする働きをします。

 

体内には「mTOR(エムトール、エムトア)」という酵素により筋肉を合成する経路があります。

 

BCAAは、このmTORを活性化するのです。

 

これはとくにロイシンの働きです。

 

●集中力を高める

ヒトは、神経伝達物質によって集中力をコントロールされています。

 

神経伝達物質には興奮性と抑制性があり、行動の指令が出てからしばらくは興奮性の神経伝達物質が多く分泌され、集中力が高まります。

 

しかし、脳や身体を使う時間が長くなると、今度は抑制性の神経伝達物質が多く分泌され、次第に集中力は低下していきます。

 

BCAAのひとつであるイソロイシンは、脳神経に素早く入り、興奮性の神経伝達物質のもととなります。

 

そのため、集中力が必要な運動や仕事の前にBCAAを摂ると、興奮性の神経伝達物質分泌が促され、集中力が高まった状態を持続できるのです。

 

●肝硬変の重症化を抑える

肝硬変は、肝臓の細胞が壊死して機能できなくなった状態です。

 

肝硬変になると、血液中のBCAA濃度が低く、「芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン)」の濃度が高くなります。

 

このようにしてアミノ酸のバランスが崩れると、意識障害を起こすことがあります。

 

これを「肝性脳症(かんせいのうしょう)」といいます。

 

肝性脳症を予防するために、BCAAを投与する治療が行われています。

 

4.BCAAを含む食品と効果的に摂るコツ

BCAAを含む食品と効果的に摂るコツと管理栄養士が言っている画像

 

先にも述べたように、アミノ酸はたんぱく質を構成する成分です。

 

そのため、たんぱく質が豊富な食品にはBCAAも豊富です。

 

肉類、魚介類、卵などに多く含まれます。

 

BCAAを効果的に摂るためにいくつかコツをお伝えします。

 

●こまめに摂る

アミノ酸は体内で常に使われています。

 

こまめに補給すると効果的に利用できるため、1日3回の食事で毎回摂りましょう。

 

●目的に応じてサプリメントを活用する

BCAAは食品から摂ることもできますが、サプリメントで摂る場合、次のようなメリットもあります。

 

●吸収が速い

サプリメントのBCAAは、たんぱく質が分解されて吸収できる形になっているので、胃腸の負担が少なく吸収が速い

 

●低カロリー

たんぱく質を多く含む肉や魚介類などは素材自体に脂質も含み、さらに味付けをして食べるため、その分カロリーが高くなります。

 

一方、サプリメントは低カロリー

 

ダイエット中やアミノ酸だけを摂りたいときにもおすすめです。

 

●手軽に摂れる

調理の手間がなく、スポーツの前後や就寝前、外出時などいつでも摂ることができます。

 

★管理栄養士が解説!アミノ酸サプリの選び方★

 

●運動前後に摂る

運動前に摂ると、筋肉のエネルギー源として筋肉の分解を抑え、集中力を高めてくれます。

 

また運動後に摂ったBCAAは、使った筋肉の修復や筋肉のエネルギー補給をして疲労の軽減や回復に働きます。

 

●たんぱく質の合成を助ける栄養素を一緒に摂る

ビタミンB1、B2、B6は、アミノ酸が体内でたんぱく質に合成され、組織や酵素、ホルモンの材料になって働くのを助けます。

 

●ビタミンB1を多く含む食品

豚肉、たらこ、いくら、玄米など

 

●ビタミンB2を多く含む食品

レバー、ウナギ、納豆、まいたけ、モロヘイヤなど

 

●ビタミンB6を多く含む食品

マグロ、カツオ、鶏肉、にんにく、バナナなど

 

5.最後に

BCAAは、おもに筋肉を作ったり、筋肉量を維持するのに効果的で、スポーツをする方に多く利用されています。

 

でも、それだけでなく、筋力が低下しやすい高齢者や集中力を高めたいビジネスマンなどにも効果的なアミノ酸です。

 

毎日の食事の中で、ぜひ積極的にBCAAを摂ってみてください。

 

※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

 

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山本ともよ

【保有資格:管理栄養士】栄養の情報は世にあふれています。身近なことだからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えることを心がけています。

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