【管理栄養士が解説!】運動とアミノ酸の関係って?
この記事の執筆専門家
管理栄養士 山本ともよ (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中。
※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
近年の健康ブームの中で、生活に運動を取り入れている人も多いかもしれません。
効率よく運動効果を得るためには、食事も重要。
とくにアミノ酸は運動の効果を高めてくれる成分のひとつですが、それはなぜなのでしょうか?
そこで、運動とアミノ酸の関係を解説します。
2.運動とアミノ酸の関係
ひとくちに運動といっても、筋肉をつけるため、美容のためなど、その目的は十人十色。
ただし、どんな目的で運動を行う場合でも、たんぱく質やその主成分であるアミノ酸を摂ることはとても重要です。
それは、アミノ酸には、運動に関連した次のような効果を期待できるからです。
●運動時のエネルギー源となる
身体を動かしたり、運動をするときにはエネルギー源が必要です。
エネルギーは主に糖質から作られますが、たんぱく質を分解することでも作り出されるため、たんぱく質の主成分であるアミノ酸は重要なエネルギー源といえます。
●運動後の疲労を回復する
運動は継続して行うことが大切ですが、そのためには運動後に疲れをとることが大切です。
とくに運動後の疲労回復のためには、エネルギー補給に糖質を摂ることが必要です。
さらに、運動で使われた筋肉の修復にアミノ酸も摂取する必要があります。
アミノ酸の中でも、バリン、ロイシン、イソロシンの3つは「BCAA」と呼ばれ、筋たんぱく質に占める割合が多く、積極的に摂りたいアミノ酸です。
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●脂肪の燃焼を促進する
「運動をしなきゃ!」と思っている方の中には、身体についた余分な脂肪を解消することが目的の方もいることでしょう。
アミノ酸の中には、脂肪燃焼を促進するものがあります。
たとえば、アルギニン。
アルギニンは、成長ホルモンの分泌を促したり、免疫力を高める作用がありますが、脂肪燃焼にも働くアミノ酸です。
このほか、オルニチンやチロシンにも、脂肪燃焼をサポートする作用があります。
3.アミノ酸と筋肉痛の軽減
久しぶりに運動を始めると襲ってくるのが筋肉痛。
その痛みから、運動をなかなか習慣化できない人もいることでしょう。
そんなときは、アミノ酸も一緒に取り入れてみましょう。
筋肉痛は、激しい運動などによって筋肉が過度に収縮するなどして筋組織が損傷し、炎症を引き起こすことが原因です。
基本的には安静にしておけば、数日で症状は落ち着いていきますが、アミノ酸を摂ることで筋肉痛を軽減できたり、回復を早めることができます。
実際にこれまでの研究で、アミノ酸の中でもとくにBCAAを摂ると、筋疲労や筋肉痛の発生頻度を下げられることがわかっています。
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4.アミノ酸と運動で効果的なロコモ対策を!
運動は世代を問わず誰にでも取り入れてもらいたい習慣です。
日本整形外科学会が2007年に提唱した「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」は「運動器の障害」によって「要介護」となるリスクが高まることを懸念し、対策が必要として注目された言葉です。
運動器の障害というと高齢者のイメージが強いかもしれませんが、最近は若い世代にもロコモ予備軍が増えていることが問題視されています。
その大きな原因は運動不足や栄養不足による筋力の低下です。
アミノ酸が運動の効率を高める効果は世代を問いません。
ですから、アミノ酸の持つ運動への効果を活用し、無理せず効果的にロコモ対策を行いましょう。
5.運動別!摂りたいアミノ酸とは
どんな運動を行う場合でも、必ず摂ってほしいのが「必須アミノ酸」です。
必須アミノ酸は体内で合成することができないので、食事から摂る必要があります。
必須アミノ酸は運動習慣の有無にかかわらず摂ってほしいのですが、運動する場合にはその分、エネルギーや筋肉が必要になるので、より積極的に摂る必要があります。
これを踏まえた上で、運動に合わせて積極的に摂ると良いアミノ酸を紹介します。
●持久力が求められる運動の場合
アラニン、プロリンは、糖に変換され、エネルギー源として利用されるアミノ酸です。
そのため、多くのエネルギー源が必要となるマラソンなど持久力が必要な運動を行う場合に摂ると良いでしょう。
アラニンもプロリンも、必須アミノ酸ではないので、必ずしも食事から摂らなくても体内で合成することは可能です(非必須アミノ酸)。
しかし、栄養バランスが乱れていると、当然不足してしまうため、食事のバランスにも気をつけながら、持久力が必要な運動をするときにはプラスして摂りましょう。
●筋肉への負荷が大きい運動の場合
筋肉へ大きな負荷をかける場合には、BCAAがおすすめです。
これまで説明したように、BCAAは筋たんぱく質に占める割合が多く、運動によって損傷した筋肉を修復する働きがあります。
それだけでなく、血液中のクレアチンキナーゼの上昇を抑える働きがあることもわかっています。
血液中のクレアチンキナーゼ値は、筋肉の損傷度合いを表す指標として用いられるため、BCAAを摂ることで筋肉のダメージが抑えられることを示しています。
アミノ酸の力を借りながら、運動を習慣化していきましょう。
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※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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