【管理栄養士が解説!】高齢者にはアミノ酸がおすすめ!その理由って?
1.はじめに
ヒトは誰でも年を重ねていきます。
「年だから」とあきらめられてしまわれがちなのが、加齢による身体の変化。
けれども、この変化には栄養や運動などの生活習慣も関係しています。
長く健康でいるために摂りたい栄養素のひとつにアミノ酸があります。
加齢とアミノ酸にはどのような関係があるのでしょうか?
2.高齢者の身体の変化
加齢による身体の変化はいろいろありますが、中でも、筋肉の減少や筋力の衰えは多くの方が自覚するようになります。
高齢期の筋肉の減少は、「サルコペニア」と呼ばれます。
筋肉の量は、筋たんぱく質が合成・分解をくりかえすことによって維持されていますが、筋たんぱく質の分解が合成を上回ると、筋肉量は減少します。
このような変化が起こる原因は次のようにさまざまです。

●加齢
加齢によって、筋肉を働かすために必要な細胞の減少(細胞の死に対して生まれ変わりが追いつかない)や筋肉の合成機能の低下、活動量の低下による機能損失などが進みます。

●栄養不良
消化器の機能低下や消化管疾患によって消化吸収効率が下がるため、食べていても栄養不足を起こしやすくなります。
また、食欲不振を起こす薬を使用していたり、独り身など環境の変化によって食の機会が減ると、摂取エネルギーやたんぱく質の不足から栄養不良を起こしてしまいます。

●病気
病気によって筋萎縮が起こりやすくなることがあります。
これらの要因が合わさって筋力低下が進むと、外出する頻度が減ったり、転倒による骨折などのリスクが高まります。
その結果、活動量が減るとさらに筋力低下が進み、自立して日常生活を送れなくなる可能性が高くなってしまいます。
生活の質の低下を防ぐという点からも、できるだけ早いうちから筋力を維持することは重要視されています。
3.長く元気でいるためにはアミノ酸!
サルコペニアを予防するためには、いかに栄養不良を防ぐかが大きなポイントになります。
栄養面では、とくに肉、魚、卵や乳製品など動物性たんぱく質を豊富に含む食品を摂ることが推奨されています。
なぜなら、動物性たんぱく質には質の高いアミノ酸が含まれているからです。
アミノ酸は筋肉のたんぱく質を構成している栄養素です。
筋肉を作るアミノ酸は20種類あり、そのうちの9種類は体内で合成することができない「必須アミノ酸」のため、外から摂る必要があります。
たんぱく質は、必須アミノ酸をバランスよく摂ることで合成されます。
不足があると、たんぱく質の合成は円滑に行われませんが、動物性たんぱく質はすべての必須アミノ酸をバランスよく含むため、「質の良いたんぱく質」といえます。
また、必須アミノ酸の中でもBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)は筋肉に多く含まれているアミノ酸で、筋たんぱく質の合成を促して分解を抑える働きがあります。
実際に、BCAAを含む必須アミノ酸を摂ることがサルコペニア予防に効果的であることも明らかになってきています。
とくに、BCAAのひとつ「ロイシン」を多く含む食品を摂取すると、筋たんぱく質の合成が高まることが確認されています。
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4.高齢者がアミノ酸を上手に摂るためには?
食欲が低下しやすい高齢者でもアミノ酸を摂れる方法を紹介します。
●毎食で良質なたんぱく質を摂る
肉、魚、卵、乳製品を毎食1品は摂るようにしましょう。
1日に必要な量を補うために、3回に分けると1回に摂る量が多量にならず、食事をすることへの負担を軽減できます。
また、高齢者の消化吸収機能が低下していることから、こまめに摂ると消化器への負担も軽減され、体内へ吸収できる量も確保できます。

●摂りやすい食品
ひき肉、ツナ缶、卵豆腐、チーズなど
●間食で補う
食事で十分な量を摂るのが難しい場合には、間食で補うのも良いでしょう。

●摂りやすい食品
プリン、牛乳、ヨーグルト、チーズなど
●栄養補助食品で補う
最近では、アミノ酸に加えて、加齢によって不足しがちな亜鉛や鉄などが添加された栄養補助食品が市販されています。
これらは、コンビニやドラックストアでも手に入れることができます。
こうした商品を選ぶときには、必須アミノ酸がすべて含まれているものをおすすめします。
食欲がないときや食事を作ることができないときに間食として摂ると良いでしょう。
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アミノ酸を摂ることと同時に、筋肉を使う運動も行いましょう。
ただし、運動はひとりひとりの健康状態や筋力、生活環境に合わせて行ってください。
また、安全で効果的な方法・強度での実施を心がけましょう。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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