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【管理栄養士が解説!】オメガ3脂肪酸の効果って?

  • 最終更新日:2018年6月13日
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オメガ3脂肪酸の効果って?

 

監修者・女性

この記事の執筆専門家

管理栄養士 山本ともよ  (株式会社とらうべ)

※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

1.はじめに

オメガ3脂肪酸は、近年の健康ブームで注目されている油の一種です。

 

「亜麻仁油」や「しそ油」などの名前を耳にしたことがある方も多いでしょう。

 

このオメガ3脂肪酸を摂ると何が良いのでしょうか?詳しく説明していきます。

 

2.オメガ3脂肪酸とは

脂肪酸とは、脂質の構造を表す言葉です。

 

構造の違いによってさまざまな種類があり、体内での働きも異なります。

 

このうち、二重結合がある脂肪酸を不飽和脂肪酸といいます。

 

さらに、不飽和脂肪酸のうち二重結合が2つ以上あるものを「多価不飽和脂肪酸」といいます。

 

オメガ3脂肪酸は多価不飽和脂肪酸のひとつで、その構造から、酸化しやすいのが特徴です。

 

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、αリノレン酸などがこれに当たり、体内で作ることができない必須脂肪酸のため、食べ物から摂取しなければいけません。

 

★オメガ3脂肪酸

多価不飽和脂肪酸で、DHA、EPA、αリノレン酸など

 

3.オメガ3脂肪酸の効果

オメガ3脂肪酸にはさまざまな効果が期待されています。

 

●血液をキレイにする

血液をキレイにする

 

DHAには、血管壁の細胞膜や赤血球の細胞膜を柔らかくし、血流を改善する効果があります。

 

また、EPAには強力な血小板の凝集を抑制する効果があります。

 

これによって、血液中の塊となる血栓を作りにくくし、血液をきれいにします。

 

●記憶力、判断力を向上する

記憶力・判断力の向上

 

DHAは、脳を構成する約140億個の脳細胞の膜に存在します。

 

とくに記憶や学習能力を担う「海馬」というところに多く集中しています。

 

細胞膜を柔らかくすることで、神経細胞や神経伝達物質が活性化され、情報伝達がスムーズに行われます。

 

DHAを3週間摂り続けた結果、記憶力が高まったという実験結果も報告されています。

 

●アルツハイマー型認知症の進行予防

アルツハイマー型認知症の進行予防

 

アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が壊死して萎縮していく病気です。

 

DHAは神経細胞を修復し、残った神経細胞の働きを助けます

 

●視力を維持する

視力を回復する

 

DHAは網膜や視神経の細胞壁にも多く含まれていて、正常な目の働きのために欠かせない成分です。

 

●炎症やアレルギーの抑制

炎症やアレルギーの抑制

 

オメガ3脂肪酸を摂ると、「炎症やアレルギーを抑制するプログスタンジン」が作られます。

 

また、「炎症を起こすプロスタグランジン」の合成を抑える働きもあります。

 

●美容効果

美肌効果

 

オメガ3脂肪酸は、粘膜や皮膚、髪や爪の組織にも分布しています。

 

血流を良くする働きによって栄養素や酸素をしっかり届け、肌荒れや粘膜の炎症を抑えるのに働きます。

 

また、肌のターンオーバー(新陳代謝)を促します

 

4.オメガ3脂肪酸は1日にどのくらい取ったら良い?

「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、オメガ3脂肪酸の1日あたりの目安量は、30~40代男性で2.1g30~40代女性で1.6gとされています。

 

小さじ1杯の油が4gですから、とても少ないと感じるかもしれません。

 

しかし、実際に食品からオメガ3脂肪酸を摂取するのは大変なことです。

 

たとえば、脂は皮と身の間に多く分布していますが、皮つきの鯖に含まれる量は味噌煮1切で1.7gですし、皮を剥いだ鯵のお刺身の場合は20枚くらい食べる必要があります。

 

毎日と考えると、その難しさがおわかりいただけるでしょう。

 

●オメガ3脂肪酸の1日の摂取量

・30~40代男性:2.1g

・30~40代女性:1.6g

 

5.オメガ3脂肪酸を含む食品

オメガ3脂肪酸は、青魚をはじめとした魚介類の脂えごま油亜麻仁油シソ油くるみ豆類などに含まれます。

 

多く含む食品と含有量は次のとおりです。

 

●オメガ3脂肪酸を多く含む食品

ブリ1切2.7 g
サンマ1匹3.8 g
アジ刺身5切れ0.5 g
マサバ1切1.7 g
マグロ(赤身)5切0.1g
マグロ(脂身)刺身5切3.0g
亜麻仁油小さじ12.3g
えごま油小さじ12.3g
くるみ4粒1.6g
納豆1パック0.3g

 

6.オメガ3脂肪酸を効果的に摂るポイント

オメガ3脂肪酸は酸化しやすいのが特徴です。

 

酸化すると、本来の働きができずに効果が下がってしまいます。

 

できるだけ酸化させずに摂る方法をご紹介します。

 

●鮮度が高いものを選ぶ

刺身

 

DHA・EPAは魚介類に多く含まれます。

 

時間が経ち、酸素に触れると酸化が進んでしまうため、できるだけ新鮮なものを選ぶようにしましょう。

 

●酸化しにくい容器を選ぶ

酸化しにくい容器

 

亜麻仁油やえごま油は遮光したビンに入れてあるものを買い、冷蔵庫で保管しましょう。

 

くるみなどのナッツ類も、真空パックの袋遮光できるビンに移し替えましょう。

 

できるだけ少ない量で買い、早く使い切ることも大切です。

 

●抗酸化作用のある食品を一緒に摂る

柑橘類

 

ビタミンCビタミンEリコピンクエン酸などには強い抗酸化作用があります。

 

柑橘類や色の濃い野菜に多く含まれますので、それらと一緒に摂ると酸化を防ぐことができます。

 

また、オメガ3脂肪酸は油です。

 

油を落としてしまうと摂取量が減ってしまいます。

 

焼き魚では約20%、揚げ物では約50%減少するため、油を落とす料理は量を多めに食べるとよいでしょう。

 

また、ホイル焼きにして魚油も一緒に食べるのも良いですね。

 

7.最後に

油というと悪者のイメージがあるかもしれませんが、オメガ3脂肪酸は身体にいい働きをしてくれる油です。

 

積極的に摂ることを心がけてください。

 

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※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

 

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山本ともよ

【保有資格:管理栄養士】栄養の情報は世にあふれています。身近なことだからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えることを心がけています。

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