【管理栄養士が伝授!】エクオールサプリの選び方と摂取のポイント
この記事の執筆専門家
管理栄養士 山本ともよ (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中。
※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
今日の健康意識の高まりに合わせて、栄養素の研究も盛んに行われています。
エクオールはあまり聞き慣れない名前かもしれませんが、大豆イソフラボンが分解されてできる成分です。
産生できる人とそうでない人がいることから、外から取り入れることができるエクオールサプリメントが注目されています。
サプリメントの選び方と効果的な摂り方を解説していきます。
2.エクオールとは
エクオールは納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品に含まれるイソフラボンが体内で変換された成分です。
エクオールを知るには、まずイソフラボンを知ることが必要です。
イソフラボンとひと口に言っても多数の種類があり、大豆に含まれる主なイソフラボンはダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインなどがあります。
イソフラボンが食品中に存在するときには、糖と結びついている「配糖体」という形です。
これが、腸内細菌により糖が外されて、「アグリコン型」になり吸収されます。
このうち、ダイゼインは特定の数種類の腸内細菌によってより作用の強いエクオールに変化して吸収されます。
ヒト以外の動物では個体差なく、エクオールを産生することができます。
しかし、ヒトでは産生能が人により異なります。
日本人では、エクオール産生菌を腸内に持っているのは 30 ~ 50% と報告されています。
つまり、50~70%の人はエクオールを作り出すことができないということです。
そのため、イソフラボンの作用を効果的に取り入れる方法として、エクオールをサプリメントで摂ることが注目されているのです。ち
なみに、エクオールを産生できるかどうかは、簡単な検査で知ることができます。
3.エクオールの働き
エクオールはイソフラボンと同様の働きを示しますが、その作用がイソフラボンより強いのが特徴です。
イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに似た構造をしており、その受容体に結合してエストロゲン様作用を示します。
エストロゲンが不足している場合にはそれを補足するように働き、過剰な場合にはその作用にブレーキをかけるため、ホルモンバランスを整えてくれるのです。
それによって、骨の健康を維持する効果や更年期に起こりやすいほてり症状の軽減効果などが期待されています。
閉経後の女性が大豆イソフラボンを1年間取り続けた結果、太もも付近の骨量減少を抑制する効果が認められました研究があります。
その効果では、エクオール産生能がある方に強く認められていました。
つまり、エクオールとして吸収できることでイソフラボンの作用がより効果的に得られるということを示唆しているのです。
4.エクオールサプリを選ぶポイント
- 含有量
エクオールは生命の維持に必要な栄養素ではないため、明確な摂取量が定められているわけではありません。
多くの研究でエクオールの作用が確認されているのは1日あたり10mgです。
なお、その量では副作用もないことが確認されており、サプリメントでも10mgの含有量を目安にするといいでしょう。
含有量を確認するときには、大豆イソフラボン量ではなくエクオール量かどうかを確かめるようにしてください。
- 一緒に摂りたい栄養素
エクオール産生能は、食生活にも影響される可能性があると言われています。
腸内細菌で産生されることから、腸内環境を整える成分を一緒に摂ることで、その働きが高まるのです。
腸内の善玉菌を増やすことに働く糖質、食物繊維、乳酸菌、魚油などの摂取量はエクオール産生能を高めることに関連しています。
- 安全性
継続して摂りたいエクオール。
その安全性も重要なポイントです。
安全性を知るのに「GMP認定」を確認するといいでしょう。
GMPとはGood Manufacturing Practiceの略で、製造工場の構造や設備から運用、製品の品質管理、衛生管理、製造管理などの基準を定める安全管理体制です。
医薬品の製造工場ではGMP管理が義務付けられています。
しかし、サプリメントの製造工場での認定は義務ではなく、企業の自主的な取り組みとされているのが現状であり、認定を受けているものは安心であると言えます。
5.摂り方のポイント
エクオールの効果を高めるためには、サプリメントを摂ることと同時に、生活習慣の見直すことがとても大切です。
なぜかというと、エクオール産生菌は腸内環境によってその数が左右され、食生活の欧米化などが原因で年齢を問わず減少傾向で、とくに若い人ほどエクオール産生菌を持っている人が減っていると言われています。
腸内環境を整え、産生や吸収を効率よく行うことで、より効果的に取り入れることができます。
※この記事を執筆いただいた専門家の方
執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属
ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。
※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。