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【管理栄養士が解説!】葉酸を摂取すべき人ってどんな人?

  • 最終更新日:2018年6月13日
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管理栄養士が解説!葉酸を摂取すべき人ってどんな人?

 

監修者・女性

この記事の執筆専門家

管理栄養士 山本ともよ  (株式会社とらうべ)

※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

1.はじめに

「妊活中や妊娠中は葉酸を摂った方が良い」という話を聞き、「私は妊娠の予定がないし、関係ない」「自分は男だから摂らなくてよい」などと思っている人は案外多いかもしれません。

 

でも、葉酸にはさまざまな働きがあり、妊活中や妊娠中でなくても必要な栄養素です。

 

そこで今回は、葉酸を摂った方が良い人とはどんな人で、どのくらい摂るのが望ましいのかを解説します。

 

2.葉酸を摂るべき人って?

葉酸を摂るべき人って?

 

葉酸は水溶性のビタミンで、ビタミンB群のひとつです。

 

ビタミンB群の栄養素には、身体にとって必要な働きをする酵素を助ける「補酵素」の働きがあります。

 

中でも葉酸には、細胞の核酸を形成して、遺伝子情報やたんぱく質を合成するのを助けたり、細胞分裂をサポートしたりする働きがあります。

 

こうした働きは、とくに胎児が成長する上で欠かせないことから、「葉酸は妊活中の女性や妊婦さんに必要な栄養素」として知られています。

 

でも、胎児だけでなく大人になっても細胞分裂は起きていますから、葉酸も誰にでも必要です。

 

●葉酸は、妊活中の女性、妊婦に限らず、誰にでも必要!

 

また、葉酸の働きはそれだけではありません。

 

血液の成分である赤血球を作る働きや、血管のしなやかさに関係する「ホモシステイン」と呼ばれるアミノ酸の代謝を促す働きもあり、貧血や生活習慣病予防にも効果が期待できます。

 

つまり、葉酸には身体にとって重要な働きがいくつもあり、誰もが摂取してほしい栄養素といえます。

 

実際、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」には、年齢や性別ごとに葉酸の推奨摂取量が記載されていて、成人の男女の推奨量は1日あたり240μg(マイクログラム)です(妊活中および妊娠中、授乳中の女性は除く)。

 

●成人男女の葉酸摂取推奨量

1日あたり240μg

 

3.妊活中や妊娠中に、葉酸が必要といわれる理由

葉酸は、妊娠期・授乳期に必要不可欠な栄養素

 

葉酸は誰にとっても必要な栄養素ですが、妊活中や妊娠中の女性は、付加的に摂取することが必要といわれています。

 

これは、葉酸に胎児の神経管閉鎖障害の発症を予防する効果があるからです。

 

 

神経管は脳や脊髄などのもとになります。そのため、閉鎖障害が起こると次のような病気を発症します。

 

●無脳症

神経管の上部に閉鎖障害が起こることで発症。

 

脳の形成がうまくいかずに、流産や早産を起こす確率が高くなる。

 

●二分脊椎症

神経管の下部に閉鎖障害が起こることで発症。

 

障害が発生した場所よりも下の部位で知覚機能や運動機能の低下が起こる

 


 

あくまでも葉酸不足は発症のひとつの因子に過ぎません。

 

けれども、葉酸を摂ることでこれらを発症するリスクが下がることは明らかなため、厚生労働省では、妊娠を計画している女性や妊婦に対して、葉酸を付加的に摂ることを呼びかけているのです。

 

では、どのくらいの量を摂取したらよいのでしょうか?

 

それは、妊娠の時期によって異なります

 

・妊娠期:480μg(成人の推奨摂取量240μg+240μg)/1日

 

・授乳期:340μg(成人の推奨摂取量240μg+100μg)/1日

 

これに加えて、妊活中~妊娠3ヶ月の期間には、次のように400μgを摂取するようにしましょう。

 

・妊活中:食事から240μg+サプリメントから400μg/1日

 

・妊娠3カ月まで:食事から480μg+サプリメントから400μg/1日

 

4.葉酸を摂取するときの3つの注意点

葉酸を摂取する際は、以下の3つを注意しましょう。

 

①.食事からの摂取が基本

食事からの摂取

 

葉酸は、牛や豚、鶏のレバー、ほうれん草やアスパラガス、ブロッコリー、いちご、オレンジ、大豆、納豆、豆乳、海苔、生卵などに豊富に含まれています。

 

これらの食品を活用し、まずは食事から摂取することを心がけましょう。

 

バランスのとれた食事を心がけることで、葉酸を効率よく働かせるために必要なビタミンB6やビタミンB12など、ほかの栄養素も摂取することができます。

 

また、葉酸は熱に弱いため、今回紹介した食品を加熱調理するときは、できるだけ短時間で済ませることをおすすめします。

 

なお、レバー類にはビタミンAも多く含まれています。

 

ビタミンAの過剰摂取で胎児奇形のリスクがあるため、妊娠初期はほかの食品から摂るようにしてください。

 

②.妊活中や妊娠中はサプリメントを活用

妊活中・妊娠中

 

葉酸は食事からの摂取が基本ですが、妊活中や妊娠中は、食事に加えてサプリメントでの摂取がすすめられています。

 

これは、食品に含まれる葉酸とサプリメントなどの加工食品に含まれる葉酸の型に違いがあるからです。

 

サプリメント等の、加工食品に含まれる型(モノグルタミン酸型)で摂取した方が効率よく体内で使われることから、妊活中や妊娠中には、食事と併せてサプリメントで葉酸を摂取することがすすめられています。

 

サプリメントを選ぶときは、モノグルタミン酸型の葉酸であることと、付加量である400μgを摂取できることを確認してくださいね。

 

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③.過剰摂取に注意

過剰摂取に注意!

 

葉酸の摂取上限量は1日あたり900~1000μgです。

 

過剰摂取すると、じんましんなどが出たり(葉酸過敏症)、ビタミンB12欠乏症の発見を遅らせるなどの可能性もあるので、とくにサプリメントで摂る場合は摂取量に注意しましょう。

 

※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

 

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山本ともよ

【保有資格:管理栄養士】栄養の情報は世にあふれています。身近なことだからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えることを心がけています。

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