【管理栄養士が伝授!】葉酸の効果的な摂取の仕方って?
1.はじめに
葉酸は、細胞や遺伝情報の合成に働くとても重要な栄養素です。
誰にとっても重要な栄養素ですが、赤ちゃんの発育には欠かせないため、妊娠を希望する女性や妊娠中、授乳中の女性にはとくに積極的に摂ってほしい栄養素です。
そんな葉酸を効果的に摂るポイントをご紹介します。
2.葉酸の特徴
葉酸は水溶性ビタミンであるビタミンB群のひとつで、かつては「ビタミンB9」とも呼ばれていました。
葉酸を多く含む食品は、ホウレン草、かぼちゃ、モロヘイヤ、春菊、ブロッコリー、枝豆、いちご、みかん、キウイ、アボカド、納豆、レバーなどです。
食材に含まれる葉酸は「ポリグルタミン酸型」という構造を、サプリメントなど加工食品に利用される合成された葉酸は、「モノグルタミン酸型」という構造をしています。
ポリグルタミン酸型は体内でモノグルタミン酸型に変換されてから吸収されるため、これらは吸収率に違いがあり、モノグルタミン酸型のほうが吸収率が高いのです。
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3.葉酸摂れていますか?
普段、葉酸を意識して食事をしていることはあまりないかと思います。
葉酸を十分に摂ることができているでしょうか?
全国的な栄養摂取状況を調査した「国民栄養調査」の最新のデータを見てみると、葉酸はどの世代においても推奨量に近い、もしくは達していることがわかります。
緑の野菜や果物に多い葉酸ですが、穀類、肉、魚など多くの食材に少量ずつ含まれているため、日常的に摂る栄養素なのです。
それでも、次のような食習慣を送っていると不足しやすくなります。
- 野菜が不足しがちである
- 緑の野菜が嫌いだ
- 果物はほとんど食べない
- 生野菜はほとんど食べない
- 肉や魚が中心である
- 外食が多い
- 1日2食以下である
- お酒をよく飲む
あてはまる場合には、葉酸を摂ることを心がけましょう。
なお、女性は、生活習慣だけでなくライフステージによって摂り方が大きく異なることを知っておかなければいけません。
細胞の合成に関わる葉酸は、赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素であり、妊娠中、授乳中は食事から通常より多く摂ることが推奨されています。
また、赤ちゃんの神経管ができる時期はとくに葉酸摂取が重要です。
発育不全を防ぐために、妊娠を計画している時期(妊娠1ヶ月以上前)~妊娠3ヶ月までの女性は、食事に加えてサプリメントで補うことが推奨されています。
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4.葉酸を効果的に摂るためのポイント
葉酸を効果的に摂るためのポイントをいくつかご紹介します。
●調理法
食事で葉酸を摂る場合には、気をつけるべきことがあります。
「葉酸の特徴」の項で説明したように、葉酸は水溶性ビタミンなので、水にさらしたり、ゆでたり、煮たりすると、水に溶けだしてしまいます。
そのため、水にさらすときは短時間で済ませましょう。
ゆでるときも同様です。
電子レンジでの加熱は水溶性ビタミンの損失を抑えることができます。
汁ものを含む煮こみ料理では、味付けを薄めにして汁ごといただくのが良いでしょう。
●タイミング
水溶性ビタミンは身体にためておくことができないため、体内で利用しない分は尿に溶けて排出されてしまいます。
つまり、1度にたくさん摂っても、その多くは排出されてしまうということです。
このような特徴から、サプリメントなど食事以外で摂る場合にはできるだけこまめに摂ると良いでしょう。
また、さまざまな栄養素とお互いに助け合いながら働いているため、食事のタイミングに合わせて摂るとさらに効果的です。
●一緒に摂りたい栄養素
葉酸が体内で働くためには、ビタミンB6やビタミンB12が必要です。
これらを一緒に摂ると体内で効果的に働いてくれます。

●ビタミンB6を多く含む食材
マグロ、カツオ、レバー、ささみ、にんにくなど

●ビタミンB12を多く含む食材
レバー、さんま、牡蠣、たらこ、いくら、海苔など
●一緒に摂ることを避けるべきもの
アルコールやカフェインの多い飲み物には利尿作用があり、葉酸を体外に排出しやすくしてしまいます。
過度な量でなければ大きな影響はありませんが、一緒に摂ることは避けたほうが良いでしょう。
またアルコールは、体内で処理される過程で葉酸をたくさん消費してしまいます。
そのため、お酒をよく飲む方には積極的に摂ってほしいのですが、同時に摂り入れることは避け、次の食事以降で積極的に摂るようにしましょう。
●サプリメントの活用
先にも述べたように、食材とサプリメントに含まれる葉酸とでは吸収効率が違います。
バランスのとれた食事をしていればサプリメントで補う必要はありませんが、食生活が不規則になりがちな方や、サプリメントを推奨されている方(妊娠を希望する方~妊娠3か月までの方)はサプリメントを活用しましょう。
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葉酸摂取のポイントを押さえ、効果的に摂り入れましょう!
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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