【管理栄養士が解決】グルコサミンと一緒に摂るべき栄養素は何?
1.はじめに
膝関節の健康に効果的として注目されているグルコサミンは、体内でも合成される成分です。
効率よく体内で合成させるために必要な栄養素や、一緒に摂ることで効果を高める栄養素など、グルコサミンに関わる栄養素や食材についてご紹介します。
2.グルコサミンが合成されるまでの道のり
グルコサミンは体内で合成される成分です。
ブドウ糖(グルコース)とアミノ酸の一種であるグルタミンが構成成分となっています。
ブドウ糖は、消化酵素によって糖質が分解されたもので、腸から体内に吸収されます。
またグルタミンは、消化酵素によってたんぱく質が分解されたもので、腸から体内に吸収されます。
吸収されたブドウ糖やグルタミンは、体内でさまざまな働きをしています。
グルコサミンに合成された後、「Nアセチルグルコサミン」という形に変わり、軟骨成分となって軟骨の健康を維持するのも、その働きのひとつです。
ですから、糖質やたんぱく質が不足すると、グルコサミンを合成する働きの効率は低下してしまいます。
また、グルコサミンの合成能力の低下は、加齢によっても起こります。
そのため、年齢を重ねるとともに、より一層食事のバランスや、関節に負担をかけない生活に気をつけることが重要です。
3.グルコサミンの合成に関わる栄養素
グルコサミンが合成される過程には、さまざまな栄養素が関連しています。
グルコサミンを作り出すために必要な栄養素を整理していきましょう。
●糖質
ブドウ糖は、糖質の中で消化が進み、吸収されやすいように、最小単位の構造をしています。
糖質は甘味のもととなり、主食に多く含まれます。
ご飯・パン・麺類・砂糖・果物・牛乳などに含まれます。
これらを摂取した際に消化酵素により分解され、ブドウ糖になります。

●多く含む食材
ご飯・パン・麺類・砂糖・果物・牛乳
●グルタミン
グルタミンは体内でも生成することができるアミノ酸です。
筋肉に多く分布しますが、肉体的・精神的ストレスを受けると消費されるため、食事として摂取することがすすめられています。
大豆、海藻類、肉、魚、卵、チーズなどの食品に多く含まれています。
ただし、熱に弱く、変性してしまうため、サラダやお刺身など生で食べられる料理から摂ると、効率的に摂取することができます。

●多く含む食材
大豆、海藻類、肉、魚、卵、チーズ
●ビタミンB1
糖質が体内で代謝されるのをサポートします。
グルコースからグルコサミンを作るまでの経路にもビタミンB1が必要です。
豚肉、ハム、たらこ、うなぎ、スパゲッティ、玄米、枝豆などに多く含まれます。

●多く含む食材
豚肉、ハム、たらこ、うなぎ、スパゲッティ、玄米、枝豆
4.グルコサミンの効果を高める栄養素
グルコサミンの効果を高めるために一緒に摂るといい栄養素や食材を紹介します。
グルコサミンを多く含む食品やサプリメントを摂るときには、一緒に補うことを忘れないようにしましょう。
●コンドロイチン
軟骨の保水性や弾力性を高める働きがあります。
軟骨成分であるコンドロイチンを併せて摂取すると、相乗効果により、さらに効果的に関節軟骨の健康維持に働くことが期待されています。
フカヒレ・ウナギ・鶏皮・里芋・山芋・納豆・なめこ・オクラなどに多く含まれます。

●多く含む食材
フカヒレ・ウナギ・鶏皮・里芋・山芋・納豆・なめこ・オクラ
●コラーゲン
コラーゲンもコンドロイチンと同じように、軟骨の保水性や弾力性を高めるのに働きます。
組織の土台作りをする重要な成分です。
手羽先・鶏軟骨・牛すじ・フカヒレ・皮付きの魚などに多く含まれます。

●多く含む食材
手羽先・鶏軟骨・牛すじ・フカヒレ・皮付きの魚
●ビタミンC
グルコサミンが合成された後、軟骨成分として働くのをサポートします。
コンドロイチンやコラーゲンが働くのもサポートしますので、とても重要な栄養素といえます。
レモン・キウイ・パプリカ・ブロッコリー・柑橘類・芋類などに多く含まれます。

●多く含む食材
レモン・キウイ・パプリカ・ブロッコリー・柑橘類・芋類
●ビタミンE
血流を良くする作用があり、身体のすみずみまで栄養素を届けるのを促す働きがあります。
また、抗炎症作用を持ち、炎症を抑えるのにも働くため、関節痛が起こっている場合にも積極的に摂りましょう。
かぼちゃ・アボカド・大豆油・アーモンド・たらこなどに多く含まれます。
●ケルセチン
強い抗酸化作用を持つポリフェノールで、細胞の老化を抑える成分として注目されています。
これが炎症にも作用するとして、関節痛を和らげる働きが期待されています。
玉ねぎ(とくに皮)やブロッコリーに多く含まれます。
5.体内のグルコサミン量を高める食事法
グルコサミンの主成分である糖質とたんぱく質は、体内でとても多くの働きをする栄養素です。
ですから、不足すると、優先的にほかの重要な働きに利用されてしまう可能性が高く、膝関節の老化につながってしまいます。
日々の食事で、糖質、たんぱく質を不足することなく摂ることが大切です。
それを基本に、グルコサミンを作ったり、関節への効果を高める栄養素を積極的に摂ることで、より効果を高めることができるでしょう。
主食は1人前(少なくてもこぶし1つ分くらい)を、主菜として手のひら1つ分程度の肉・魚・卵・大豆製品などを、毎食摂りましょう。
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※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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