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人気の栄養素「グルコサミン」の真実に迫る!

  • 最終更新日:2018年6月13日
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管理栄養士がグルコサミンについて説明しているイラスト

監修者・女性

この記事の執筆専門家

管理栄養士 山本ともよ(株式会社とらうべ)

※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

健康食品に含まれる栄養素として耳にすることが多い「グルコサミン」

 

関節の痛みや不調があるときに効果が期待されますが、身体にどのように働き、効果がどのように発揮されるのかご存知でしょうか。

 

その働きや効果について解説します。さらに、効果を高める摂り方や生活習慣も紹介していきます。

 

1.グルコサミンってどんな栄養素?

グルコサミンの説明イラスト

 

グルコサミンは関節でクッションの役割を担う軟骨の構成成分の一種

 

ブドウ糖とアミノ酸が結びついたアミノ糖という形で、軟骨を構成する「プロテオグリカン」という成分の原料になります。

 

多くは体内で作られ、軟骨、靭帯、爪、心臓弁などに存在し、細胞や組織をつなぎ合わせる役目をしています。

 

摂取したグルコサミンは体内で「N-アセチルグルコサミン」に変換されます。

 

そのため、N-アセチルグルコサミンそのものを摂取したほうが体内で効率よく利用できると考えられます。

 

グルコサミンは、カニの甲羅やエビの殻などに含まれている「キチン」という成分を分解させることで生成されます。

 

食品から摂るとなると、殻ごと食べる干しエビ、動物の軟骨などに含まれますが、その含有量は微量です。

 

N-アセチルグルコサミンを多く含む食品はグルコサミンと同様で、さらに牛乳にも100mlあたり11mgN-アセチルグルコサミンが含まれています。

 

2.グルコサミンの働きとその効果

◯軟骨の柔軟性や強度を保つ

関節のイラスト

関節は、骨と骨とがつながっている部分。

 

硬い骨どうしがなめらかな動きに対応できるのはなぜでしょうか。

 

それは、骨の先端にクッションの役割を果たしてくれている軟骨があり、骨どうしが直接こすれ合うのを防いでいるからです。

 

この軟骨の生成を促すと言われている成分がグルコサミン。軟骨は関節のスムーズな動きを保ち、衝撃から守り、柔軟性や強度を保ちます。

 


しかし、加齢とともに生成能力が低下したり、スポーツなどで同じ動きを繰り返すことで特定の部位に大きな負荷がかかったりすると、さらにすり減りへることになります。

 

軟骨の摩耗を防ぐためにも、グルコサミンを日常的に摂取することは重要です。

 

◯関節痛を緩和する

膝を痛がっているおじいさんのイラスト

軟骨がすり減ると、クッションの役割を果たすことができなくなり、結果として関節痛や変形性関節症の痛みが起こります。

 

グルコサミンは、磨り減った軟骨を修復し、さらに軟骨が分解するのを防ぐ働きもあります。また、抗炎症作用も確認されています。

 

つまり、痛みが出た段階でも、その状態を緩和するのに働いてくれるのです。しかし、擦り減った軟骨が完全に元に戻ることはありません

 

早いうちからきちんと摂取することで、変形性関節症や関節痛の予防につながります。

 

3.グルコサミンの効果を高める摂り方

◯コンドロイチンを一緒に摂る

コンドロイチンの画像説明

グルコサミンは同じ軟骨の成分である「コンドロイチン」を同時に摂取することで、相乗効果が期待されます。

 

グルコサミンは軟骨を生成するのに働き、コンドロイチンは保湿や軟骨が壊れてしまうのを防ぐことに働きます。

 

◯サプリメントで摂る

食品に含まれるグルコサミンはごく微量であるため、サプリメントは効率的に摂る方法のひとつと言えます。

 

4.サプリメントを選ぶポイント

グルコサミンサプリメントと言っても、多くの種類が販売されています。それぞれの違いを知り、自分に合った製品を選びましょう。

◯グルコサミン成分の抽出方法

サプリメントに含まれるグルコサミンは抽出法によって3種類に分けられます。

塩酸を使って抽出したグルコサミン塩酸塩、

硫酸を使って抽出したグルコサミン硫酸塩、

酵素を使って抽出したN-アセチルグルコサミン

です。

 

一般的にサプリメントには塩酸塩硫酸塩のものが使われています。

 

先にも言ったように、摂取したグルコサミンは体内でN-アセチルグルコサミンに変換されるため、N-アセチルグルコサミンは他のグルコサミンに比べて吸収率が高いことがわかっています。

 

◯グルコサミン以外の含有成分

サプリメントのイラスト

グルコサミンだけでなく、コンドロイチンやヒアルロン酸など他の軟骨成分も合わせて配合されているものがあります。


国産原料の使用にこだわったもの、天然成分を多く含むもの、グルコサミンの含有量が多いものなど、それぞれのサプリには特徴があります。

◯含有量

厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」として1日に摂るべき栄養素を定めています。しかし、この中にグルコサミンの摂取目安量は定められていません。

 

サプリメント製造メーカーによる研究から、1日1000~1500mgが目安とされています。

 

「高濃度」と謳い、目安以上の量が含まれていることもありますが、必ずしも多ければ効果が高まるということではありません

 

◯副作用、気をつけること

グルコサミンを摂る時の注意点を管理栄養士が説明しているイラスト

薬とは違い、サプリメントは食品ですので副作用はありません。しかし、摂取するにあたり気を付けなければいけない方がいます

  • 甲殻類に対してアレルギーのある方

グルコサミンの原料として、多くはカニやエビに含まれている「キチン」という成分が使われているためです。

 

  • 妊娠中や授乳中の方

グルコサミン摂取に対する安全性を確認したデータがないため、服用を避けた方がよいでしょう。

 

  • 血液を固まりにくくする薬を内服している方

クマリン血液凝固阻止剤を含む「ワルファリン」などは、作用を強め、出血を引き起こす可能性があります。必ず主治医に確 認をするようにしましょう。

 

これらのことを頭において、「さまざまな有効成分を一緒に摂りたい」「食事には気をつけているからグルコサミンだけでいい」「原料の安全性を重要視したい」「価格を安くしたい」など、ポイントを決めてサプリメントを選ぶようにしましょう。

 

また、効果を見るためにはある程度継続的に飲み、変化をみてみましょう。

 

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5.効果を感じるためには生活習慣の見直しも重要!

関節痛の代表的な原因は、加齢や過度な圧力による軟骨の擦り減りです。

 

バネやネジと同じように長く使用していれば磨り減ってしまうものですが、生活習慣によりその進行を遅らせることができます。

 

普段の生活では、次のことに気をつけましょう。

◯適正体重を維持する

膝を痛めている女性のイラスト

体重の増加につれて膝への負担は大きくなります。また、痩せすぎも筋力や栄養不足により軟骨の磨り減りを加速させます。

 

◯適度な運動を心がける

ジョギングしているシニア夫婦のイラスト

有酸素運動、筋肉トレーニング、ストレッチなどさまざまな運動を適度に行う習慣をつけることが大切です。

 

有酸素運動は適度な体重を保つことにつながります。ウォーキングや軽いジョギングが手軽に行える有酸素運動です。

 

また、水中ウォーキングや水泳は浮力により関節への負担が軽減されおすすめです。

 

関節を支える筋肉の老化は関節痛の原因になります。筋力が衰えないよう、筋肉トレーニングやストレッチ、体操なども毎日の生活に取り入れましょう

 

◯バランスのいい食生活

バランスのとれた食事を摂る女性のイラスト

食生活では栄養バランスに気をつけることが一番大切です。

 

1日3回の食事で、主食・主菜・副菜をそろえましょう。

 

糖質や脂質は生命を維持するエネルギー源で、不足すると筋肉を壊してエネルギー源を補給します。骨や筋肉、血液などの材料となるタンパク質が重要なのは言うまでもありません。

 

また、軟骨を丈夫にするビタミンC、代謝を助けるビタミンB群などのビタミンや骨や筋肉を作るミネラルも関節の維持に関わります。

 

いくらグルコサミンを摂っても、基本的な栄養素が不足していると期待する効果ではないところに使われてしまいますので、食生活を見直し、その上で、グルコサミンを多く含む食品やサプリメントを取り入れましょう。

 

また、食べ過ぎは肥満につながり関節に余計な負担をかけるので、腹八分目の食事を心がけることも大切です。

 

 

※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

 

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山本ともよ

【保有資格:管理栄養士】栄養の情報は世にあふれています。身近なことだからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えることを心がけています。

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