【管理栄養士が伝授!】グルコサミンサプリの選び方と摂取のポイント
1.はじめに
加齢による変化が出る関節軟骨。
その健康を維持するためにグルコサミンサプリメントを摂る方が増えています。
でも、数あるグルコサミンサプリメントの中からどのように選べばよいのでしょうか?
そのポイントを解説していきます。
2.グルコサミンをサプリメントで摂るメリット
グルコサミンは「キチン」という構造の主要成分です。
キチンはエビやカニなど甲殻類の殻や、一部のきのこの細胞壁などに存在しています。
そのため、食品としては、エビやカニ、一部のきのこなどから摂ることができます。
けれども、吸収率が低く、含まれる量は微量であり、そのうえ日常的に摂り入れる食品ではありません。
これでは十分に摂ることは現実的ではないといえるでしょう。
一方、サプリメントとしてのグルコサミンは吸収しやすい形に加工されていて、手軽に摂取できる方法といえます。
3.グルコサミンサプリを選ぶ3つのポイント
ここでグルコサミンのサプリメントを選ぶときに確認すべきポイントをお伝えします。
- 含有量
厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」の中で、1日に摂るべき栄養素を定めています。
ただし、この中にグルコサミンの摂取目安量は定められていません。
グルコサミンの効果に関する研究の多くは1000~1500mgで行われていて、サプリメントでの摂取量は1日1000~1500mgが目安とされています。

●グルコサミンサプリメント1日摂取量
1日/1000~1500mg目安
「高濃度」として目安量以上のグルコサミンが含まれている製品もありますが、必ずしも多ければ効果が高まるということではありません。
そのため、目安量の範囲内を守るようにしましょう。
- グルコサミン成分の抽出方法
抽出方法によって3種類に分けられます。

①.グルコサミン塩酸塩
エビやカニに含まれる「キチン」を塩酸で分解したもの

②.グルコサミン硫酸塩
「キチン」を硫酸で分解したもの

③.Nアセチルグルコサミン
「キチン」を酵素で分解したもの
摂取したグルコサミンは、体内で「Nアセチルグルコサミン」に変換されます。
そのため、Nアセチルグルコサミンそのものを摂取したほうが体内で効率よく利用できると考えられます。
塩酸塩と硫酸塩は、吸収率や体内での効果に違いがあるかどうかは明確になっていないので、優劣をつけることはできません。
- 一緒に摂ると良い栄養素
一緒に摂ると良い栄養素を知るためには、グルコサミンが体内でどのようにして関節軟骨に働くかを理解する必要があります。
関節軟骨は、軟骨細胞、プロテオグリカン、Ⅱ型コラーゲンで構成されています。

●軟骨細胞
血管は軟骨の中には通っていません。軟骨細胞には、組織液を通して酸素や栄養素を送り、不要物を排出する役目があります。

●プロテオグリカン
コンドロイチン、ヒアルロン酸などの構造が結合した非常に保水性の高い高分子体です。グルコサミンはプロテオグリカンの構成成分のもととなっています。

●Ⅱ型コラーゲン
網の目状になり、組織の骨組みを作っています。
このような構造から、高い保水性により骨と骨の間のクッションの役割を果たしているのです。
次の成分は関節の形成に必要な栄養素で、グルコサミンと一緒に摂ると効果的です。

●コンドロイチン
関節を構成する成分のひとつです。

●ビタミンC、鉄
グルコサミンとともに関節軟骨を構成するコラーゲンの合成には、ビタミンCと鉄が必要です。
4.摂り方のポイント
実際に、グルコサミンをサプリメントで摂る場合のポイントをまとめます。
●食生活の見直しも不可欠
グルコサミンは、ブドウ糖(糖質の最小単位)とアミノ酸(たんぱく質の最小単位)から合成されるアミノ糖と呼ばれ、体内で作られる成分です。
グルコサミンとして口から摂取しても、ブドウ糖やアミノ酸に分解されて吸収され、体内で必要な場所で利用されるため、必ずしも関節部に利用されるわけではありません。
とくに、食事に偏りがある場合には、期待している効果ではないところで利用されてしまう可能性が高まります。
そのため、まずは食生活を整えたうえでサプリメントを摂りましょう。
●早いうちから対策を!
グルコサミンは体内で作られる成分です。
合成能力は加齢とともに衰えていくことがわかっていて、20歳をピークに低下していきます。
そのため、早いうちからバランスのとれた食事や適度な運動などの生活習慣を見直し、また、必要に応じてサプリメントを利用しながら、日々使っている関節軟骨を健康に保ちましょう。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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