【看護師が解説!】グルコサミンが減少する年齢って?どう対処すれば良いの?
この記事の監修専門家
助産師、看護師 南部 洋子 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
グルコサミンに対して、「関節に良い」というイメージを持っている人は多いことでしょう。
そのイメージ通り、グルコサミンは、骨と骨をつなぐ関節の間の軟骨の生成に関係していて、軟骨のすり減りや損傷を補修したり、軟骨を強化して、関節を自由に動かせるようにしています。
ところが、グルコサミンは年齢とともに減少していきます。
それはどうしてでしょうか?
対処法もあわせて解説します。
2.グルコサミンは何歳から減るの?
ヒトは生まれた時からグルコサミンを作る能力を持っていて、若いうちは十分な量のグルコサミンを作り出すことができます。
その生産量は20歳頃までがピークで、それ以降、年齢を重ねるごとに生産機能が衰えていきます。
50歳代の生産量は、20歳頃のピーク時と比較すると半分位まで低下していて、60代、70代になると、さらに減少していきます。
中でも女性は、男性よりも関節痛などの病気を発症しやすく、80代女性の約3分の2が関節の痛みや違和感を抱えているというデータもあります。
3.グルコサミンが減ることによる影響
グルコサミンの体内生産量が不足すると、軟骨が十分に形成されなくなくなります。
軟骨は、修復や再生が十分にできないので、次第にすり減ってしまいます。
すると、骨同士が触れ合うようになり、痛みを生じさせます。
さらに、体重が重いとそれだけ軟骨が摩耗することになり、足の関節にもかなりの負担がかかって関節痛につながります。
また、関節の動きが制限される要因にもなります。
立つ・座るなど日常での動作はもちろん、スポーツを行う上でも、関節がスムーズに動かせないことはネックになります。
4.グルコサミンの効果的な摂取方法
お伝えしたように、グルコサミンの体内での生産は年々減少していきます。
実際に関節に痛みや違和感が生じるのは50代以降ですが、グルコサミン生産の減少は20代後半から始まっています。
ですから、できれば30代以降から意識的にグルコサミンを摂取するのが効果的です。
関節痛が出てからグルコサミンを補給しても症状の改善にはすぐにはつながらない場合もありますから、痛みのないうちに食事やサプリメントなどで補給して、軟骨の役割をサポートする必要があります。
グルコサミンを多く含む食品は、カニやエビなどの甲殻類の殻です。
しかし、これらの食品を摂っても、そのままグルコサミンとして吸収されるわけではありません。
そのため、必要なグルコサミンの量を食品のみから摂ることは困難です。
このような理由から、グルコサミンはサプリメントで補給するのが効果的といえます。
サプリメントには、カプセル、顆粒、タブレット、ドリンクなどのタイプがあります。自分の生活にあったものを摂るようにしましょう。
5.グルコサミンサプリを摂るときの注意点
グルコサミンをサプリメントなどで摂る場合には、摂取量に注意しましょう。
成人の1日の摂取量のめやすは1000mg~1500mgとされています。
グルコサミンのサプリメントを過剰摂取してしまうと、下痢、便秘、胃腸不良を起こしてしまう可能性があります。
しかし、どのくらい摂ると過剰かという量は個人差がありわかっていません。
「高容量」と謳ってめやすの範囲よりもかなり多くのグルコサミンが含まれる製品もありますが、多ければ良いということでもありません。
そのため、用法用量を守ることに加えて、摂取後の体調変化にも気をつけましょう。
また、以下は摂取に注意が必要な人です。
●甲殻アレルギーがある人
グルコサミンを含むサプリメントのほとんどは、甲殻類の殻を原料にしています。
甲殻アレルギーのある人は摂取しないようにしましょう。
●血糖値が気になる人、病院で「血糖値が高い」と指摘されている人
グルコサミンは、糖類の一種でもあります。
そのため、血糖値が気になっている方は、十分考慮した上で摂取を検討してください。
また、血糖値が高いために治療を受けている場合は、事前に主治医に相談しましょう。
●抗凝血剤(ワーファリンなど)を飲んでいる人
血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合には、その作用を増強してしまう可能性があるので摂取しないようにしましょう。
以上の心配がない場合は、安心して摂ることのできる製品を選び、摂取すると良いでしょう。
なお、はじめにお伝えしたように、グルコサミンは本来体内で作られる成分であるため、原材料をそろえるためにはバランスの良い食事を摂ることが基本です。
栄養に不足があると、サプリメントとしてグルコサミンを摂取しても、分解されて体内に吸収された後に関節ではなくほかの場所で使われてしまう可能性が高くなります。
ですから、バランスのとれた食事に加えてサプリメントを摂る、ということを忘れないようにしましょう。
超高齢社会といわれる日本。
寝たきりにならずに元気に動き続けるためには、関節の動きが重要です。
グルコサミンを上手に補って、健康寿命を延ばしましょう。
※この記事を監修して頂いた専門家の方 監修:南部 洋子(助産師、看護師)
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南部 洋子

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 看護師(35)
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