【保健師が解説!】野菜不足と青汁の関係って?
1.はじめに
健康な生活を送るためには、健康な食生活が欠かせません。
とくに、栄養バランスの良い食事を摂るための食習慣が、今、見直されています。
そんな中、私たち日本人の食生活の特徴として、和食というヘルシーな食文化をもちながら、野菜不足という課題があげられています。
そこで、野菜不足を補うのに青汁を活用することを考えてみました。
2.野菜摂取目標量
厚生労働省が提唱している健康づくりの基本方針「健康日本21(第2次)」では、野菜を1日に350g以上食べることがすすめられています。
ご飯やパンなどの炭水化物がメインとなる「主食」、肉や魚など、たんぱく質や脂質がメインとなる「主菜」、そして、野菜やキノコ、海藻などがメインとなる「副菜」のすべてをバランスよく摂ることが、健康な生活への食生活といわれています。
そのうち、野菜は副菜の主役として、カリウム、抗酸化ビタミン、食物繊維など、身体の機能を調整する役目を果たす栄養素を、身体に提供することがわかっています。
ですから、1日に350g以上を摂取することができると、身体の機能が円滑に働くことだけでなく、生活習慣病を予防することにつながるというのが、野菜の摂取目標量が示されている理由となっています。

1日に350g野菜を食べよう!
3.野菜の摂取量350g以上ってどのくらい?
350gと聞いてもイメージしにくいかもしれません。
3回の食事で分けて食べるとすると、1回の食事では約120g摂る必要があります。
生野菜の場合には、両手いっぱいにのる量、加熱してカサが小さくなった状態で片手いっぱいにのる量がこれにあたります。
欠食をすると、どこかでこの倍の量をとる必要があります。
日ごろの食生活を思い返してみてください。野菜の摂取目標量は補えているでしょうか?
4.日本人はどのくらい野菜を食べている?
「健康日本21」では栄養と食生活について、2022年までの目標として、野菜摂取量の平均値が1日350gと示されています。
これに対して2010年当時の現状では、野菜摂取量の平均値が282gしか摂れていない、つまり、68gの野菜不足状態だと示されています。
野菜摂取量の経緯からみても、2003年には293.4gだったのが、2006年には303.4gまで上がったものの、その後、減少し始めて、最新の調査結果である2016年は276.5gにいたっています(「国民健康・栄養調査」(厚労省)より)。
また、年齢別にみても、どの年代も350gを下回り、とくに、20代や30代の若い人たちの摂取量が少なくなっています。
全体では成人の約7割が、1日350gの目標量に達していないのが現状だとされています
このようなことから、日本人は慢性の野菜不足だといわれます。

日本人は、どの年代も慢性期な野菜不足!
5.野菜不足で起こること
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などが多く含まれているので、野菜不足が慢性化すると、これらの栄養素が欠乏してきます。
その結果、便秘、肌荒れ、貧血、口内炎、集中力の低下、免疫力の低下などが起こりますし、悪化すると、血圧の上昇、肥満、肩こりなどを招き、生活習慣病を引き起こすリスクを高めてしまうことにもなります。
6.青汁を効果的に活用する
大麦若葉、ケール、明日葉などの緑色野菜を中心に作られている健康食品の青汁。
もともとは、生の緑葉野菜をしぼった汁という意味で、野菜に含まれるビタミンやミネラルを生で摂取しようということから生まれたそうです。
今ではさまざまな健康食品として「青汁」が製造・販売されていて、それらには、カリウムや抗酸化ビタミン、食物繊維が含まれています。
これまでお伝えしたように、現在、日本人全体でも68g、働き盛りだと100gもの野菜不足になっている人にとって、350gの野菜を摂ることは難しいかもしれません。
たとえば、野菜があまり好きではない人もいますし、生鮮野菜が値上がりしたり傷みやすいという面もあります。
また、コンビニでも購入できますが買い物をする時間がとれないという場合もあるかもしれません。
つまり、野菜だけで350gを摂る手間を、青汁で簡単に補うことが可能です。また、市販のものであれば1日あたり100円くらいと、コスパもなかなか良いですよね。
このように、青汁は比較的手軽に野菜不足を補うことができるというメリットがあります。
ちょっと苦みが苦手という人もいるかもしれませんが、飲みやすさも、色々と工夫されているようです。
7.青汁で野菜不足は補えるの?
青汁は、野菜不足を補う方法として宣伝されていますが、よく誤解されやすいのは、青汁だけでは1日の野菜摂取量をクリアすることはできないということです。
野菜で摂取したい栄養素を含んでいるものの、1杯分での含有量には限りがあります。
また、青汁の主原料は緑黄色野菜ですから、キャベツ、大根、玉ねぎといった淡色野菜をカバーすることはできません。
ですからやはり、ベストは野菜で350gを摂取することです。
頑張っても足りないとき、どうしても野菜が摂れないときなどのサポート役として、青汁を活用することがおすすめです。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:保健師 藤尾 薫子 ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
〈参考〉
・「厚生労働省 健康日本21(第2次)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21.html
・https://style.nikkei.com/article/DGXDZO60030590R20C13A9MZ4001/
・http://www.skincare-univ.com/article/005316/
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藤尾薫子

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 保健師(25)
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