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【管理栄養士が伝授!】イソフラボンの基礎知識

  • 最終更新日:2018年6月13日
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管理栄養士が伝授!イソフラボンの基礎知識

 

監修者・女性

この記事の執筆専門家

管理栄養士 山本ともよ  (株式会社とらうべ)

※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

1.はじめに

最近よく耳にするイソフラボン。大豆に含まれる成分として知られていますね。

 

大豆は昔から健康に良い食材として日本の食卓に取り入れられ、最近では海外でも注目されています。

 

イソフラボンにはどんな健康効果があるのでしょうか?詳しく解説していきます。

 

2.イソフラボンとは

イソフラボンとは

 

イソフラボンは、大豆を含むマメ科の植物に含まれている成分で、ポリフェノールの一種です。

 

ポリフェノールとは、植物に含まれる色素やアク、苦味、渋みなどの成分で、自分で動くことができない植物が、強い紫外線などさまざまな外敵から身を守るために作りだした成分です。

 

●イソフラボンとは

大豆を含むマメ科の植物に含まれている成分で、ポリフェノールの一種

 

このような作用から、ヒトが摂るとトラブルから身を守り、新たな細胞を作るのに働いてくれます。

 

この働きに対する期待からさまざまな研究が行われ、イソフラボンの効果が発見されてきました。

 

ところで、イソフラボンと一口に言っても、その構造はさまざまで、その効果にも違いがあります。

 

ですから、イソフラボンの原材料が何かを確認することが大切です。

 

たとえば、「イソフラボン」は大豆に限らずマメ科の植物に含まれるイソフラボンをいいます。

 

一方「大豆イソフラボン」は、大豆に含まれるイソフラボンを指します。

 

研究の多くは、「大豆イソフラボン」をもとに行われています。

 

3.イソフラボンの作用

イソフラボンの作用

 

イソフラボンの作用は、主に2つあります。

 

①.エストロゲンと、抗エストロゲン様作用

エストロゲンと抗エストロゲン様作用

 

大豆イソフラボンの化学的構造は、女性ホルモンの「エストロゲン」とよく似ています。

 

体内に入るとエストロゲン受容体と結合し、エストロゲンと同じような働き(エストロゲン様作用)をします。

 

女性は、閉経するとエストロゲンが急激に減り、その影響で身体に不調があらわれます。

 

このとき大豆イソフラボンは、エストロゲン様作用でその不調を起こしにくくすることがわかっています。

 

具体的には、更年期障害の症状緩和や骨粗鬆症のリスク低減などが期待されています。

 

また、エストロゲンが過度に分泌している場合には、その分泌量を調節する働き(抗エストロゲン様作用)があることもわかっています。

 

この働きにより、性ホルモンが要因とされる生活習慣病のリスクを減少させることも期待されています。

 

②.抗酸化作用

抗酸化作用

 

細胞は酸化すると老化を早めます。

 

酸化した細胞は、シミやしわの原因になることはもちろん、生活習慣病の発症にも関連することがわかっています。

 

酸化の原因となるのは「活性酸素」と呼ばれる物質です。

 

この活性酸素の働きを抑えることを抗酸化作用といいます。

 

ポリフェノールの一種であるイソフラボンには、抗酸化作用があります。

 

4.吸収されやすい「アグリコン型イソフラボン」

吸収されやすい「アグリコン型」イソフラボン

 

食品中のイソフラボンは、糖と結合した「グリコシド型イソフラボン」として存在しています。

 

しかし、このままでは分子が大きく、体内で吸収することができません

 

そこで、体内で吸収するために、腸内細菌の働きによって分解され、糖が外されて「アグリコン型イソフラボン」になります。

 

ただし、腸内細菌の働きには個人差があり、吸収できる量も人によって違います。

 

このような特徴があることから、最近では「アグリコン型イソフラボン」の状態で摂取できるサプリメントなどの栄養補助食品が販売されています。

 

「アグリコン型イソフラボン」で摂取した場合、腸内細菌の働きに関係なく効率よく吸収できます。

 

その吸収率は、グリコシド型イソフラボンの約3倍ともいわれています。

 

5.イソフラボンの上限摂取量

イソフラボンの上限摂取量

 

身体に良い働きをしてくれるイソフラボンですが、どんな食品でも摂りすぎは良くありません

 

とくに大豆イソフラボンは、エストロゲン様作用により子宮内膜症を発症した例が報告されたこともあり、内閣府食品安全委員会では摂取上限量を定めています。

 

グリコシド型イソフラボンの摂取上限量は1日あたり112mgです。

 

これをアグリコン型イソフラボンに換算すると、1日あたり70mgです(アグリコン型イソフラボン(mg)÷0.625=グリコシド型イソフラボン(mg))。

 

このうち、サプリメントなどの栄養補助食品でイソフラボンを摂取する場合、1日あたりの摂取上限量は、グリコシド型イソフラボンで48mgアグリコン型イソフラボンで30mgです。

 

つまり、アグリコン型イソフラボンの場合、1日あたりの摂取上限量は70mgですから、サプリメントなどからは30mgまで、食品からは40mgまでということです。

 

●吸収されやすいアグリコン型イソフラボン

 

・1日あたりの摂取上限量:70mg

・サプリメントなどから:30mgまで

・食品から:40mgまで

 

なお、摂取上限量は、その量を毎日かつ長期的に摂取した場合のリスクを考慮した数値であり、1日でも上限量を超えたらすぐに害が出る、というわけではありません

 

6.イソフラボンはどのくらい摂った方が良い?

イソフラボンはどのくらい摂れば良い?

 

では、食品の上限量であるアグリコン型イソフラボン40mgとは、具体的にどのくらいの量なのでしょうか?

 

おもな食品のアグリコン型イソフラボンの含有量を見てみましょう。

 

大豆水煮

100g中:72mg

きなこ

10g中:27mg

豆腐

2分の1丁:30mg
凍り豆腐1枚:18mg
豆乳

200g中:50mg

納豆

1パック:37mg

 

この数字から、大豆食品は1日1~2品が適量であることがお分かりいただけるでしょう。

 

また、サプリメントなどの栄養補助食品を利用する場合には、その型や含有量に注意が必要です。

 

大豆には身体に良い成分が多く含まれています。

 

毎日の食事に上手に取り入れましょう。

 

※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

 

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山本ともよ

【保有資格:管理栄養士】栄養の情報は世にあふれています。身近なことだからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えることを心がけています。

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