サプリに頼る前に知っておくべきイソフラボンの効果と気をつけること6つ

大豆イソフラボンといえば、女性ならばだいたいの人が知っている成分名でしょう。意識的に大豆製品(例えば納豆やお味噌汁)を食べたり、豆乳飲料を飲んでいる人も多いのではないでしょうか?かくいう私も、意識して毎朝納豆巻を食べている時期がありました。
しかし、なぜ女性の身体にはイソフラボンがよいと言われているのか、または食べ過ぎることで生まれるデメリットなどはないのでしょうか?
そういった正しい知識を持った上で成分を摂るのと、よくわからないけど、とりあえず良いと聞くから摂っておくというのでは、後々の効果が異なってくるのではないかと思います。
そこで、改めてイソフラボンが持つ性質や、期待したい効果、摂取することによる副作用など基本的な情報をおさらいした上でサプリメントを取り入れる場合の注意点をまとめております。安易にサプリメントを選んで後悔しないためにも、読み込んでみてください。
目次
1.大豆イソフラボンと女性ホルモン
1-1. 女性ホルモンって?
まず、大豆イソフラボンの効果を知る前に、『女性ホルモン』について知る必要があります。女性ホルモンとは、女性が妊娠、出産できる身体をつくるために脳から出た指令を卵巣が受け取って作られるホルモンで、『エストロゲン』と『プロゲステロン』という2種類のホルモンによって構成されています。
1-2. エストロゲンとプロゲステロンの違い
女性ホルモンと呼ばれる2つのホルモンには、それぞれ異なる働きがあります。

[ エストロゲン(卵胞ホルモン) ]…女性らしさをつかさどるホルモンです。エストロゲンは卵巣から分泌されると、子宮内膜(受精卵が育つベッドのようなもの)を増殖させ厚みを持たせます。エストロゲンの分泌が多い時期は、比較的精神的にも安定し、お肌も体調も良いと感じる期間です。
[ プロゲステロン(黄体ホルモン) ]…妊娠するのを助けてくれるホルモンです。エストロゲンの分泌で厚くなった子宮内膜の状態を保ってくれ、妊娠できる状態に整えてくれるのです。しかし、受精卵が着床しない場合は、子宮内膜は『月経』としてはがれ落ちます。プロゲステロンの分泌が多い時期は、精神的に不安になったりイライラしたり、肌が荒れたりという不調が現れることがあります。

出典:基礎体温と女性ホルモンのしくみ - テルモ|基礎体温でカラダと話そう
1-3.加齢とともに減少する「エストロゲン」
上述した女性らしさをつかさどる「エストロゲン」ですが、加齢とともに分泌できる量が年々減少していくことが分かっています。原因は「エストロゲン」を分泌している卵巣が加齢とともに衰えていくためです。

生殖に適している20~30代をピークに徐々に減少していき、45歳前後から急降下するように減少していくと言われています。
1-4. 女性ホルモンの減少で何が起きる?

卵巣機能が低下することで、女性ホルモンの分泌が減少していきます。特に「エストロゲン」は女性らしさをつかさどるホルモン。そのため、肌のハリがなくなり、たるみが気になるようになったり、髪の艶やコシがなくなり抜け毛が気になるようになったりします。女性ホルモンが減少することで見た目に変化が出てきます。
また、卵巣からエストロゲンが減少していても、脳は卵巣に対して「ホルモンを分泌しなさい」と指令を出します。卵巣が老化してきているため、その指令に応えられないでいると身体の中でパニックが起こり、様々な身体や心の不調をきたします。
これがいわゆる『更年期障害』と言われる症状の始まりです。
1-5. 植物性エストロゲンと呼ばれる大豆イソフラボン
さて、ようやくここで大豆イソフラボンの登場です。大豆イソフラボンは、女性にとってとても大事な「エストロゲン」と構造が似ていると言われている食品の代表格。

出典:大豆イソフラボン│更年期障害が気になる女性を応援するキッコーマンの輝きプロジェクト
ホルモンそのものではないですが、エストロゲンに似ている構造の食品を摂ることで、エストロゲンが減少していく中、それを補ってくれる効果があると言われています。
2.大豆イソフラボンの効果とは?
2-1. 大豆イソフラボンに期待できる効果とは?
では、具体的に大豆イソフラボンにはどのような効果が期待できるのでしょうか。
大豆イソフラボンは、植物性エストロゲンとも呼ばれるように、エストロゲンと似た働きをすると言われているため、エストロゲンの減少によって起きる [漠然とした身体の不調][循環器系の疾患][骨そしょう症]といったリスクに対して、効果が期待できると言われています。
ただし、あくまでエストロゲンそのものを補充しているわけではありませんので、過度な期待は禁物です。 エストロゲンが減少していくところを補ってくれるというイメージがいいかもしれません。
2-2. 大豆イソフラボンを摂る上で絶対に気をつけたいこと
大豆イソフラボンのメリットを伝えてきましたが、だからと言ってむやみやたらに摂りすぎたらいいというわけではありません。
大豆イソフラボンは、摂りすぎることで乳がんや卵巣がんの発症や再発リスクを高める可能性というのも謳われています。(現在も多くの研究が進行中であります。)
2-3. 大豆イソフラボンの摂取上限量とは?
内閣府食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な1日摂取上限量を設定しており、1日摂取目安量の上限値70〜75mg/日としています。特定保健用食品やサプリメントで摂取する場合は、その中でも上限値30mg/日としています。
2-4. 大豆イソフラボンアグリコンとは?
身体の中に摂取された大豆イソフラボンは、腸内細菌の働きによって、糖とイソフラボンアグリコンという形に分離され、このアグリコン型になって初めて身体に吸収されます。

出典:大豆イソフラボン│更年期障害が気になる女性を応援するキッコーマンの輝きプロジェクト
この、アグリコンの状態での上限値が、“2-3”で触れた、摂取上限量です。なお、実際スーパーに売っている食品などにアグリコンとしての量は記載されていませんので、以下の計算式で算出すると良いそうです。
例)大豆イソフラボン10mg×0.625 =大豆イソフラボンアグリコンとして6.25mg
係数0.625を掛け合わせることで、「大豆イソフラボンアグリコン」としての値が算出できます。
ただし、納豆や豆腐、味噌など普段の食事から大豆イソフラボンを摂取する際は、1日の上限値を特に気にせず、バランスよく取り入れておけばリスクはありません。
気をつけるべきは、「サプリメント」で摂取する場合です。 この場合、1日の上限は30mgと設定されていますので、過剰摂取にならないよう、ご自身で気をつける必要があります。
3.大豆イソフラボンの含まれている食品とは?
大豆イソフラボンは、まずは食品から摂取するのが一番おすすめです。そこで、大豆イソフラボンが摂取できる食品を紹介いたします。
<大豆イソフラボンが含まれる代表的な食品>
・大豆・納豆・豆腐・味噌・油揚げ・きなこ

大豆食品は、イソフラボン以外にも低脂質で良質なタンパク質源であり、日本人に不足しがちなカルシウムも摂ることができる、優秀な食品です。何事も摂りすぎは良くないですが、バランスよく、積極的に摂って行きたい成分ですね。
4.大豆イソフラボンの男性にとっての効果は?

ここまで、女性にまつわる大豆イソフラボンの基礎知識や効果を述べてきましたが、男性はどうなのでしょうか。女性にも、男性ホルモンが分泌されているように、男性の身体の中でも、女性ホルモンは存在しています。
女性も、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少してくることにより、男性ホルモンであるテストステロンの方が優位になり、抜け毛や薄毛に悩む方も多くいるようです。それを考えると、やはり男性も女性ホルモンを補うことができれば、薄毛対策になるとも言われています。
ただし、大豆イソフラボンを摂取することで、明確に発毛した!効果があった!と言うほどではないと思われます。それに、やはり女性同様過剰摂取は禁物です。
5.大豆イソフラボンで効果があったサプリメントランキングに踊らされない

大豆イソフラボンの効果を期待して、サプリメントで効率よく摂取したいと考える人は多いと思います。ただ、安易にサプリメントに頼るのではなく、普段の食事からまずは摂取することを検討しましょう。
その上で、補う程度の意味合いで摂るべきなのがサプリメントです。サプリメントは薬ではありませんので、劇的な変化や改善といった効果を期待すべきではないのです。
そんな中、 「バストアップに効いた!」 「本当に効果があるサプリメントはこれ!」 といった表記をしているサイトは、まず信頼しない方がよいと思います。
確かに、実際に効果があった方もいるとは思いますが、あたかも万人にそれが当てはまるような紹介の仕方をしているランキングは、私は信頼すべきではないと考えます。
また、そういったランキング情報はあくまで情報の一部として捉え、ご自身で判断する軸を持ったうえで購入を検討しましょう! 口にするものは、自分で責任を持って考えてから購入すべきです。
6.大豆イソフラボンをサプリメントで摂取すべきでない人は?

女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをしてくれる大豆イソフラボンですが、食事から摂取するのではなく、サプリメントから摂取する場合、それに適さない人がいます。
それは、[ 妊婦(妊娠の可能性のある方を含む)、胎児、乳幼児、小児 ]です。
6-1. 妊婦(妊娠の可能性のある方を含む)、胎児
十分なヒト試験のデータはないようですが、妊娠動物の試験結果を見た際、高濃度の大豆イソフラボンを投与した際、胎児の生殖機能への影響を示唆する結果が出ているようです。日常的な食生活は問題ありませんが、サプリメント等での摂取は推奨されていません。
6-2. 乳幼児、小児
こちらもヒト試験データではなく、新生児動物または未成熟動物を用いた、高濃度大豆イソフラボン投与の実験でも、やはり生殖機能に何かしらの影響が出ると示唆されているようです。こちらも日常的な食生活は問題ありませんが、サプリメント等での摂取は推奨されていません。
6-3. 乳がん、卵巣がんの経験ありもしくは治療中、その他病気の治療中の方
乳がん、卵巣がんや、子宮内膜症、子宮筋腫など婦人科系の病気にかかったことがあったり、現在治療中の方は、絶対に医師の診断なくサプリメントの摂取をするのは、やめましょう。
生理痛の軽減やホルモンバランスを整えるため、避妊のために低用量ピルを服用中だったり、ホルモン補充療法中の方も同様に安易にサプリメントの摂取をするのは避けてください。大豆イソフラボンを摂取することで、エストロゲンが過剰になり、新たな病になったり、治療中もしくは治癒した病気が再発するリスクがゼロとはいえないからです。必ず医師の判断を仰いでからにしてください。
7.まとめ
サプリに頼る前に知っておくべきイソフラボンの効果と気をつけること6つをまとめてまいりましたが、大豆イソフラボンに対する知識が少しでも深まっていたら嬉しいです。
◎サプリメントを購入する際に思い出してほしい項目◎
- まずは食品から大豆イソフラボンを摂取することを意識!
- サプリメントから摂取する場合は、上限値があることを忘れずに!
- サプリメントを選ぶ際は、安易にランキングに頼らない!
- 食品ではありますが飲んではいけない人もいるので、要注意!
- サプリメントに対して過度な期待を持たない!
ちなみに… 個人的には、「いつまでたっても女性ホルモンが安定的に分泌されてくれたらいいのに、なぜ神様は女性ホルモンが減少するように人間の身体を作ったのだろう」と思っていたのですが、どうやら、それは人間が独自に編み出した、生殖戦略なのだそうです。
人間以外の動物は、「生殖機能が衰える=死」 だそうですが、人間はその後も長く生きています。それは、祖父母になっても健康に長生きすることで、さらに自分たちの子供が結婚し、出産し子育てをします。その子育てを祖父母が手伝うことで、さらにその娘や家族たちが安心して次の子を産めるようになり、そうやって安定的に子孫を増やしていこうと考えた結果なのだそうですよ。
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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : サプリメントマイスター(108)
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