【徹底解説!】乳酸菌と併せて摂りたいもの
1.はじめに
腸内環境をととのえる菌として名高い乳酸菌。
実は、それだけで摂るよりもほかの食材と組み合わせることで身体への働きがさらに効果が上がります。
その理由や食べ合わせメニューなどについて、詳しく解説していきます。
2.乳酸菌だけでは腸内環境は良くならない!?
良い腸内環境とは、善玉菌が悪玉菌よりも優勢な状態をいいます。
善玉菌の一種である乳酸菌を摂ることは、腸内環境を整える上で有効です。
ただし、乳酸菌を摂っても、しっかり働き、増殖することができなければ腸内環境を良くすることにはつながりません。
そこで、「乳酸を作り腸内環境をととのえる」という働きを効率よく行うためには、乳酸菌だけで摂るよりも、エサとなる栄養素を一緒に摂ることが効果的です。
善玉菌のエサとなる栄養素とは、「オリゴ糖」や「食物繊維」です。
次から詳しく見ていきましょう。
乳酸菌と合わせて摂るべき栄養素と食材:①.オリゴ糖
オリゴ糖は、糖質の一種です。
糖質は分子の大きさで多糖類・少糖類・単糖類と分類されます。
オリゴ糖は少糖類に分類され、ブドウ糖や果糖などの単糖類が3~10個ほど結びついてできた糖質の総称です。
分子が小さいほど吸収が早く、分子が大きければ分解に時間がかかり吸収がゆっくりになります。
オリゴ糖には分解されにくいという特徴があり、オリゴ糖のほとんどはそのままの状態で腸まで到達をすることができます。
オリゴ糖には、「フラクトオリゴ糖」「ガラクトオリゴ糖」「イソマルトオリゴ糖」「キシロオリゴ糖」「ラフィノース」などがあります。
それぞれ分子の数や構成する単糖類が異なり、甘味の強さや含まれる食品も違いますが、乳酸菌のエサになるという点は共通しています。
オリゴ糖は、玉ねぎ、ゴボウ、アスパラガス、キャベツ、納豆、豆腐、きなこ、バナナ、牛乳、はちみつなどに多く含まれます。
母乳にも含まれていて、赤ちゃんの腸内環境を守るための貴重な栄養源となっています。
食品に含まれるものではなく、粉末や液体の甘味料としても販売しており、お料理やお菓子の甘味料として使用されることもあります。

●注意点
注意していただきたいのが「オリゴ糖含有」と記載されているお菓子や飲み物です。
オリゴ糖は砂糖に比べて甘さがおおよそ半分くらいです。
つまり、ある程度の甘さを出すためにオリゴ糖は少量で多くは砂糖が使用されていたり、使用量が多くなり高カロリーになっている場合があります。
原材料や栄養成分表を確認し、オリゴ糖が摂取できるものを選びましょう。
乳酸菌と合わせて摂るべき栄養素と食材:②.食物繊維
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
このうち、善玉菌のエサになるのは水溶性食物繊維です。
善玉菌が増えて乳酸を作る働きが活性化して、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し便秘解消に働きます。
また、水分を含むことで、ネバネバのゲル状になり便に適度な水分を含ませます。
水溶性食物繊維は果物、海藻類、山芋、里芋、オクラ、なめこ、こんにゃくなどに含まれます。
一方、不溶性食物繊維は善玉菌のエサにはなりませんが、便秘予防・解消に働いて善玉菌が増殖しやすい環境を作るため、こちらも一緒に摂ると良いでしょう。
野菜類、豆類、穀類などに多く含まれています。
不溶性食物繊維は水分を含んで数十倍にも膨らむ力を持ち、便がかさ増しされ、腸が刺激されることで排便を促します。
納豆は善玉菌もオリゴ糖も水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も含むベスト食材!
また、野菜の中でもゴボウはオリゴ糖も水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も豊富なおすすめ食材です。

●注意点
不溶性食物繊維は便の水分まで吸収してしまうため、摂りすぎると便が硬くなり、腸は動くのに便が出ないという状況を引き起こして、便秘を悪化させてしまうこともあります。
硬い便が少量出るタイプの便秘は、不溶性食物繊維を摂り過ぎることで悪化してしまいます。
水溶性と不溶性の比率は1:2が理想的です。
また、不溶性食物繊維を摂るときには、水分も一緒に摂るようにしましょう。
3.おすすめお手軽食べ合わせメニュー
実際に、乳酸菌とオリゴ糖・食物繊維を摂るにはどのようなメニューが良いでしょうか?
手軽に取り入れられるおススメのメニューを紹介します。
★ヨーグルト+はちみつ+バナナ
★ヨーグルト+きなこ+ナッツ
★味噌汁+豆腐+なめこ
★塩麹+キャベツ
★納豆+オクラ+海苔
ほかに、豚汁や野菜グラタンなども腸内環境改善に効果的なメニューです。
4.最後に
腸内環境を良くするためには、善玉菌と善玉菌のエサを毎日コツコツ摂り続けることが必要です。
自分が実践しやすい組み合わせで、日々の食事に上手に取り入れていきましょう。
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※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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