1. 健康チョキンTOP
  2. 健康食品・健康成分について調べる
  3. ラクトフェリン
  4. ≫ 【管理栄養士が解説】ラクトフェリンと乳酸菌、ビフィズス菌の違いって?

【管理栄養士が解説】ラクトフェリンと乳酸菌、ビフィズス菌の違いって?

  • 最終更新日:2018年6月13日
  • 215ビュー

 

管理栄養士が解説!ラクトフェリンと乳酸菌、ビフィズス菌の違いって?と管理栄養士が言っている画像

 

監修者・女性

この記事の執筆専門家

管理栄養士 山本ともよ  (株式会社とらうべ)

株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中。

※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

1.はじめに

ラクトフェリンという名前を知っている人の中には、乳酸菌やビフィズス菌と同じような善玉菌の一種と思っている人も少なくありません。

 

乳製品に含まれた製品が知られているからかもしれませんが、実は全くの別物です。

 

ラクトフェリンの正体と乳酸菌などとの違いについて解説します。

 

2.ラクトフェリンとは?

ラクトフェリンとは?と管理栄養士が言っている画像

 

ラクトフェリンは、哺乳類の母乳に多く含まれるたんぱく質の一種です。

 

ヒトの母乳に豊富に含まれ、個人差はありますが、出産後5日頃までの「初乳」には100mlあたり約600mg、その後の常乳には100mlあたり約200mg含まれています。

 

牛乳では、加熱処理していない生乳では100mlあたり約20mg含まれ、母乳と比べると約10分の1の量しか含まれません。

 

母乳に豊富な成分であることがよくわかります。

 

さらに、熱に弱い性質を持ち、乳製品では加熱殺菌の過程でほとんど分解されてしまいほとんど含まれず、低温殺菌の牛乳、搾りたての牛乳、ナチュラルチーズなどであっても、食品の中に含まれる量はわずかです。

 

そのため、最近では様々な乳製品にラクトフェリンを人工的に添加した製品やサプリメントが売られています。

 

母乳に豊富であることからもわかるように、身体の機能が未熟な赤ちゃんを細菌から守り、健康を維持するのに役立つ成分です。

 

ヒトの体内で合成され、母乳のほか、唾液や涙、鼻水、血液中にも含まれます。

 

鉄と結合しやすい性質が特徴です。

 

鉄が引き抜かれた環境では細菌が住みにくくなるため、その作用により「抗菌作用」「抗炎症作用」「免疫力を高める」「腸内環境を整える」などの働きをします。

 

3.乳酸菌、ビフィズス菌とは

乳酸菌・ビフィズス菌とは?と管理栄養士が言っている画像

 

乳酸菌もビフィズス菌も「善玉菌」と呼ばれる、腸内環境を良い状態に保つ働きをする細菌です。

 

乳酸菌は善玉菌のうちの0.1%以下で、善玉菌のほとんどはビフィズス菌なのです。

 

乳酸菌は乳酸を作り出すのに対し、ビフィズス菌は乳酸だけでなく、酢酸も作り出します。

 

乳酸は、腸壁を刺激して腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、消化活動が促されます。

 

また、腸内が酸性に傾けることで悪玉菌の増殖を抑えることができます。

 

酢酸は強い殺菌力を持ちます。

 

これらの作用により、どちらも腸内環境を整えるという同じ働きをしています。

 

4.ラクトフェリンが腸内環境に働く理由

ラクトフェリンが腸内環境に働く理由と管理栄養士が言っている画像

 

ラクトフェリンが腸内環境を整えるのに働くメカニズムは、ラクトフェリンが鉄と結合しやすい性質にあります。

 

悪玉菌が増殖するには鉄が必要なのですが、ラクトフェリンが鉄を奪うことで、悪玉菌が増殖しにくい環境になります。

 

善玉菌が増殖するには鉄は必要ないため、悪玉菌だけが増殖しにくくなり、結果的に善玉菌が増えるのです。

 

腸内環境が良い状態は、善玉菌と悪玉菌と日和見菌(善玉菌・悪玉菌のうち優勢な方の働きを助ける)が2:1:7のバランスが保たれている状態です。

 

ただし、気をつけなければいけないのはその取り入れ方です。

 

腸内環境に作用するためには、腸にまで届かなければいけません。

 

ラクトフェリンは胃の消化酵素であるペプシンに弱く、分解されてしまいます。

 

たんぱく質が分解されると、その働きは失活してしまいます。

 

胃の中でラクトフェリンが耐えられる時間は7~8 分と言われていますが、胃に食べ物が入ると 2 時間は停滞し消化されるので、ほとんど残ることなく分解されてしまうのです。

 

空腹時には比較的分解を受けませんが、それでも分解を受けずに腸に到達するラクトフェリンは半分以下ということです。

 

そのため、胃酸の影響を受けずに腸にまで届く加工がされているラクトフェリンで取り入れるのがおすすめです。

 

腸溶性」と呼ばれ、サプリメントやラクトフェリンが添加されている食品には、この加工が施されているものがあります。

 

メーカーのホームページで製品情報を確認するといいでしょう。

 

5.ラクトフェリンと乳酸菌、ビフィズス菌の関係

ラクトフェリンと乳酸菌、ビフィズス菌の関係と管理栄養士が言っている画像

 

ラクトフェリンは「栄養成分」、乳酸菌・ビフィズス菌は「細菌」と、両者は全く別物です。

 

生物である乳酸菌やビフィズス菌は体内で増殖しますが、たんぱく質であるラクトフェリンは増殖することはありません。

 

乳酸菌やビフィズス菌を効果的に増殖させるために、ラクトフェリンを継続的に摂ることが有効なのです。

 

腸内環境を整えるためには、一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。

 

ラクトフェリンと乳酸菌をそれぞれ摂る方法もありますが、ラクトフェリン入りの乳製品や、ラクトフェリンと乳酸菌が両方入ったサプリメントなどが売られています。

 

そのような製品を活用するのもいいでしょう。

 

※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

 

The following two tabs change content below.

山本ともよ

【保有資格:管理栄養士】栄養の情報は世にあふれています。身近なことだからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えることを心がけています。

この記事の執筆監修者の保有資格・企画 :

  1. 健康チョキンTOP
  2. 健康食品・健康成分について調べる
  3. ラクトフェリン
  4. ≫ 【管理栄養士が解説】ラクトフェリンと乳酸菌、ビフィズス菌の違いって?