【管理栄養士が徹底解説】マルチビタミン&ミネラルを食事から摂るには?
1.はじめに
「マルチビタミン&ミネラルを摂る」と聞くと、難しいように感じるかもしれません。
しかし、ポイントを押さえれば食事からしっかり補うことができます。
今回は、取り入れ方について解説していきます。
2.食べ物に含まれる栄養素
食べ物には栄養素が含まれていて、食材ごとにその特徴は異なります。
レモンにはビタミンC、牛乳にはカルシウム、などが有名ですね。
身体に必要な栄養素を十分に補うためには、「どれだけの量の食材をそろえればいいのだろう…」と感じている方も少なくないでしょう。
でも、難しく考える必要はありません!
ひとつの食べ物に含まれる栄養素は多種多様です。
レモンはビタミンCが豊富ですが、身体に必要なビタミン・ミネラルのうち、ビタミンDとビタミンB12以外はすべて含まれています。
また、牛乳はカルシウムが豊富ですが、身体に必要なビタミン・ミネラルは鉄分以外全て含まれています。
このように、ひとつの食材に多くの栄養素が含まれているということを覚えておいてください。
そして、1日3食バランスのいい食事を摂ることで、身体に必要なビタミン・ミネラルを補うことは十分に可能なのです。
3.マルチビタミン&ミネラルを効果的に摂る食事法(主食・主菜・副菜)
それでは、具体的にはどのように食事をしたらいいでしょうか?
まず、1番の基本は、主食(ご飯、パン、麺類)と主菜(肉、魚、卵、大豆製品を使ったメインのおかず)と副菜(野菜、海藻、きのこを使ったサブのおかず)をそろえるということです。
これで、おおよそ必要なビタミン・ミネラルを摂ることができます。
さらに、次のポイントを押さえましょう。
- 動物性食品と植物性食品を両方摂る
前項で挙げたレモンに含まれていないビタミンDやビタミンB12は動物性食品に多く含まれる栄養素です。
このように、動物性食品にしか含まれないもの、植物性食品にしか含まれないものがあるため、両方を摂るようにしましょう。
- 食事以外に1日1回以上果物と乳製品を摂る
果物にはビタミンCやカリウムが多く含まれます。
また、乳製品にはカルシウムやビタミンB群が多く含まれます。
どれも食事だけでは不足しがちな栄養素なので、間食やデザートとして補うのがおすすめです
- 毎食少量ずつでも主食・主菜・副菜をそろえる
忙しいときにはコンビニや立ち食いなどで済ませることもあるかもしれません。
そのようなときでも、量は気にせず、主食・主菜・副菜をそろえるようにしましょう。
たとえば、コンビニでは菓子パンではなく具の多いサンドイッチを選んだり、うどんはかけうどんではなく釜玉うどんにネギやわかめをトッピングしたり、そのひと手間で摂る栄養素の種類が大きく変わるのです。
量が少ない場合は、1日もしくは翌日くらいまでで不足した分を補うようにしましょう。
4.とくに注意するポイント
とくに注意するポイントを2つ紹介します。
- 不足しがちなビタミン・ミネラルの摂り方
日本人の食事摂取状況を調査した「国民健康栄養調査」によると、日本人が不足しがちなビタミンはビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6です。
またミネラルでは、カルシウム、マグネシウム、亜鉛が不足傾向です。
これらを補うために、下記を気をつけましょう。
乳製品にはこれらの栄養素が全て含まれます。とくにカルシウムはその量が豊富です。
魚介類にもこれらの栄養素がすべて含まれます。
切身はカルシウムは少なめですが、骨まで食べられる魚や調理法ではたっぷり摂ることができます。
乳製品が苦手な方は、ししゃもやイワシの甘露煮など骨ごと食べる魚介類を摂ると良いでしょう。
玄米や胚芽米、ライ麦パンやそばなどは精製度が低く、原料の殻や皮部分も使用しています。
そこにビタミン・ミネラルが含まれています。白米、食パン、うどんなどは精製度が高く、ビタミン・ミネラルをそぎ落としてしまっています
- 過剰になりがちなビタミン・ミネラルの摂り方
日本人が過剰になりがちなのは、ビタミンではビタミンK、ミネラルではナトリウムとリンです。
ビタミンKは食品から過剰に摂っても害のない栄養素であり、心配する必要はありません。
ナトリウムは食品としては「塩分」として摂取しています。
日本は塩や醤油、味噌などの調味料を使った料理が主流である文化的背景から、諸外国に比べて塩分摂取量が多いのが現状です。
WHO(世界保健機構)では塩分摂取目安を5gとしていますが、日本では現状からあまりにも遠い目標であるため、男性8g、女性7gとしています。
摂取量は年々減少しているものの、実際の摂取量は男性で10.5g、女性で8.9gとまだ過剰です。
そのため、できるだけ薄味を心がける、麺類の汁は残す、味噌汁や漬物は1日1回にするなどの工夫が必要です。
リンは、レトルト食品やスナック菓子などの加工食品で添加物として使用されています。
手軽で利用しやすいですが、できるだけ続かないようにすることが大切です。

●注意点まとめ
塩分を摂りすぎないようにし、加工食品ばかり続かないように心がける
5.最後に
いかがでしたか?
まずは基本をおさえて、その上でポイントとなる食材の取り入れ方を工夫していきましょう。
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※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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