ビタミンやミネラルを【個別に摂る】のと、マルチビタミン&ミネラルを【一緒に摂る】のはどちらが良いの?
1.はじめに
ヒトが生きていくうえで必要なビタミンやミネラルは30種類ほどあります。
「そんなに摂る必要があるの?」と思う方もいるかもしれません。
ビタミンやミネラルは個別で摂るのとマルチビタミン&ミネラルとして摂るのとではどちらがいいのでしょうか?
詳しく解説していきます。
2.ビタミンやミネラルはひとりじゃ働けない!?
ビタミンやミネラルは、そのほとんどが体内で作ることができず、外から摂ることが必要です。
生きていくうえで欠かすことのできないビタミンは13種類、ミネラルは16種類あります。
これらはそれぞれに特徴や働きがあります。
しかしながら、単体ではその働きを発揮することができません。
ほかの栄養素と一緒に働くことで本来の活躍ができるのです。これを「相互作用」といいます。
ビタミンは生命活動のための化学反応をスムーズにする栄養素です。
ミネラルも同様ですが、それ以外にミネラル自体が組織の構成成分となるという違いがあります。
全てのビタミン・ミネラルがバランスよく存在しなければ身体は正常に働かず、1種類欠けただけでもほかのビタミン・ミネラルまで働けずに不調を引き起こしてしまいます。

●ビタミンとミネラルは・・・
・生きていくうえで欠かすことのできないビタミンは13種類、ミネラルは16種類。
・単体ではその働きを発揮することができない。
3.ビタミン・ミネラルの相互作用とはどんなこと?
相互作用には「効率よく吸収させる作用」「効率よく働かせる作用」「働きを強める作用」があります。
以下の具体例をもとに見ていきましょう。
●「効率よく吸収させる作用」「効率よく働かせる作用」の例
貧血の予防といえば「鉄分」を思い浮かべるでしょう。
鉄分は酸素を運搬する赤血球のもとになる成分で、補うことはとても重要です。
でも、鉄分を効率よく吸収するのにはビタミンCが必要です。
さらに、赤血球は鉄分のほかにビタミンB12と葉酸がなければ作ることができません。
このように、さまざまな栄養素が関連して身体を働かせています。

鉄分+ビタミンC+ビタミンB12+葉酸
●働きを強める作用
老化の原因ともなる細胞の酸化を抑える働きを「抗酸化作用」といいます。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEには抗酸化作用がありますが、これらは一緒に摂ることでその効果がさらに高まります。

ビタミンA+ビタミンC+ビタミンE
4.マルチビタミン&ミネラルを摂ることのメリット
先にも述べたように、ビタミンやミネラルはそれぞれが一緒に存在して、本来の働きができます。
そのため、マルチビタミン&ミネラルとして摂取することで、身体に必要な活動をサポートすることができます。
健康な身体を維持するためのベースアップとしてビタミン・ミネラルを摂取するのであれば、マルチビタミン&ミネラルとして摂ることをおすすめします。
必要なビタミン・ミネラルを全てそろえるためには、バランスの良い食事で補うことが一番です。
食品には、ひとつの栄養素だけが含まれるということは少なく、さまざまな栄養素が含まれているからです。
品目を多くするほど、多くの栄養素を補うことができます。
毎食で、主食(ご飯・パン・麺類)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品などを使ったメインのおかず)、副菜(豆類・野菜・海藻・きのこを使ったサブのおかず)をそろえることを心がけましょう。
とはいえ、「時間をとれない」「食欲がない」など、生活の中ではバランスの良い食事が実践できない状況がたくさんあります。
そんなときには、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントで補うのもいいでしょう。
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5.個別に摂るほうが良いとき
マルチビタミン&ミネラルとして摂ることのメリットはおわかりいただけたかと思います。
一方で、個別でとる方が良い場合もあります。
特定の栄養素を補う必要性が明確である場合には、全てを摂るのではなく、必要なものだけを摂る方が良いでしょう。
たとえば、妊娠を希望する時期~妊娠3カ月までは、胎児の神経形成のために葉酸を必要とします。
この必要量は、通常の食事に加えて1日400μg付加することが推奨されています。
このような場合には、葉酸を個別で摂るようにしましょう。
マルチビタミン&ミネラルのサプリメントにも葉酸が含まれていることが多いですが、400μgという量を補えることはほとんどありません。
また、紫外線を多く浴びる、喫煙をするなど、身体にいつも以上にストレスがかかる場合には抗ストレスビタミンのビタミンCが多量に消費されます。
そのような時にはビタミンCを個別で補給するとストレスへの負荷が軽減されます。

●個別に摂る場合は・・・
妊娠を希望している、紫外線を多く浴びる、喫煙をする、など、必要な栄養素が明確な際は、個別に摂るのがおすすめ!
6.最後に
健康維持のためのベースアップにはマルチビタミン&ミネラルとして補うのが良いでしょう。
そして、自分が栄養素を摂りたい目的に応じて摂る場合にはマルチと個別を使い分けるのがおすすめです。
※この記事を執筆いただいた専門家の方
執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属
ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。
※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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