【管理栄養士が解説!】マルチビタミン&ミネラル サプリメントの選び方と注意点(副作用や飲み方)
1.はじめに
身体に必要な多くのビタミン・ミネラルを1回に摂ることができるマルチビタミン&ミネラルサプリメント。手軽さがメリットですね。
では、選ぶ際にはどのようなことに注意したら良いでしょうか?
2.マルチビタミン&ミネラルの適切な摂取量
複数のビタミン・ミネラルが含まれるマルチビタミン&ミネラルサプリメントでは、栄養素の適切な摂取量が守られていることが大切です。
1日に摂るべき量と上限量は以下です。
なお、過剰に摂取しても尿として排出される水溶性ビタミンの中には、上限がないものもあります。
●ビタミンの1日あたりの摂取上限
ビタミンA | 推奨量 男性850μg 女性650μg、上限 男女ともに2,700μg |
ビタミンD | 目安量 男性5.5μg 女性5.5μg、上限 男女ともに100μg |
ビタミンE | 目安量 男性6.5mg 女性6.0mg、上限 男性800mg 女性650mg |
ビタミンK | 目安量 150μg |
ビタミンB1 | 推奨量 男性1.4mg 女性1.1mg |
ビタミンB2 | 推奨量 男性1.6mg 女性1.2mg |
ビタミンB6 | 推奨量 男性1.4mg 女性1.2mg、上限 男性55mg 女性45mg |
ビタミンB12 | 推奨量2.4μg |
ナイアシン | 推奨量 男性15mg 女性11mg、上限 男性300mg 女性250mg |
パントテン酸 | 目安量 5.4mg |
葉酸 | 推奨量 240μg、上限 900μg |
ビオチン | 目安量 5.4mg |
ビタミンC | 推奨量 100mg |
●ミネラルの1日あたりの摂取上限
カルシウム | 推奨量 男性800mg 女性650mg、上限 男女ともに2500mg |
マグネシウム | 推奨量 男性370mg 女性290mg |
カリウム | 目安量 男性2500mg 女性2000mg |
鉄 | 推奨量 男性7.0mg 女性 月経中10.5mg月経なし6.0mg、上限 男性50mg女性40mg |
亜鉛 | 推奨量 男性10mg 女性8mg、上限 男性40mg 女性35mg |
銅 | 推奨量 男性0.9mg 女性0.8mg、上限 男性10mg、女性10mg |
マンガン | 目安量 男性4.0mg 女性3.5mg、上限 男女ともに11mg |
ヨウ素 | 推奨量 130μg 上限3,000μg |
セレン | 推奨量 男性30μg 女性25μg、上限 男性420μg、女性330μg |
クロム | 目安量10μg |
モリブデン | 推奨量 男性25μg 女性20μg、上限 男性550μg 女性450μg |
サプリメントには多くの場合、ビタミンは1日に摂るべき量に近い量、ミネラルは1日に摂るべき量の3分の1~2分の1の量が含まれていることが多いようです。
上限値については、カルシウムはサプリメントの場合、過剰になりやすいので要注意ですが、そのほかは高い値であるため、あまり心配はいりません。
ただ、サプリメントをいくつも併用していたり、海外製のものを使っている(基準が違う)ときには、注意が必要です。
たくさん摂れば健康になる、というものではないので用法容量を守りましょう。
3.サプリメントを選ぶポイント
マルチビタミン&ミネラルのサプリメントを選ぶポイントを紹介します。
- 栄養成分の含有量と飲み方
1日に摂るべき量よりも多く含まれていたり、反対に少ない量しか含まれていないことがあります。
食事からの摂取量を考えると、含有量が多いことは必ずしも良いことではありません。
1日に摂るべき量を参考に、よく見て選びましょう。
1日に摂るべき量の3分の1~2分の1の量を補えるものが良いでしょう。
- 含まれるビタミン・ミネラルの種類
製品によって含まれる栄養素の種類が異なります。
種類が多ければ良いというわけではありません。
ビタミンは、腸内で作られるビタミンK・パントテン酸は不足しにくいため、入っていなくても良いでしょう。
ミネラルは前項で挙げた種類は摂って欲しいものです。
- 安全性
GMP認定を受けた工場で作られているサプリメントは安全性が高いといえます。
GMPとはGood Manufacturing Practiceの略で、製造工程や品質を管理するための基準。
工場の構造や設備がどのように作られ運用されているか、工場の保守・点検・管理、製品の品質管理、衛生管理、製造管理などに関する規則や規格、作業手順書を設け、全ての工程をチェックし、記録を残すことで管理しています。
サプリメントは製造工場におけるGMP管理が義務でなく、企業の自主的な取り組みです。
- 素材
天然は安全、合成は有害というイメージがあるかもしれませんが、天然素材の場合は栄養素含有量にばらつきがある、ニオイに癖があるなどのデメリットもあります。
体内に入ればその構造は同じであるため、効果は変わらず、一概にどちらが良いとはいえないのです。
ただし、ビタミンEは天然の方が効果は高いため、天然素材を使用しているものが良いでしょう。
販売・製造元のホームページで素材や添加物について説明をしていることが安心の基準のひとつになりますので、確認してみてください。
- 価格
1日分で10~100円代と幅があります。
マルチビタミン&ミネラルは健康状態のベースアップが目的です。
毎日摂り続けることが大切ですので、生活に適した価格を選びましょう。
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4.マルチビタミン&ミネラルは摂りすぎたらどうなる?
どの栄養素が過剰になるかによって症状は異なりますが、共通して、肝臓に負担をかけ、悪心や嘔吐、下痢などを引き起こします。
サプリメントは食品のひとつですが、栄養素を凝縮させているため、過剰摂取しやすくなります。
自分の身体の反応をしっかりと見ることが大切です。
5.マルチビタミン&ミネラルを摂る際のベストタイミング
用法容量を守ることが基本ですが、体内では吸収できる量に限りがあるので、分けて摂れるものが良いでしょう。
また、ビタミン・ミネラルは糖質・たんぱく質・脂質の代謝を助け、働きをサポートするものが多いので、食後に摂るのがおすすめです。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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