【管理栄養士が伝授!】亜鉛サプリの選び方と摂取のポイント
この記事の執筆専門家
管理栄養士 山本ともよ (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中。
※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
- 最近風邪をひきやすい
- 髪や爪にハリがない
- 肌荒れが続いている
このような不調は亜鉛不足かもしれません。
亜鉛は極端なダイエットや偏食があると不足に陥りやすい栄養素です。
この不足をサプリメントで補うのもひとつの方法です。
数あるサプリメントの中で選ぶ際に見るべきポイントを詳しく解説していきます。
2.亜鉛の働き
生きていくうえで欠かすことができないミネラルのひとつである亜鉛。
取り入れた栄養素が体内で働くために必要となる酵素の原料になり、たんぱく質の合成や細胞の生まれ変わりなど、生命維持の基礎的な働きに関わります。
そのため、不足により次のような不調を引き起こします。

●皮膚炎
皮膚のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)が円滑に行われなくなり、発疹などの皮膚炎を起こします。
かゆみや脱毛などにも関わることがあります。

●免疫力の低下
免疫細胞の働きにも酵素が関連するため、亜鉛不足により免疫細胞の働きが低下します。

●味覚障害
味覚は舌にある味蕾(みらい)という器官で感じます。
味蕾は代謝が活発で、亜鉛が不足すると代謝が円滑に行われずに味覚障害が起こります。

●男性の不妊
男性の体内では、男性ホルモンであるテストステロンや精子の生成に関わっています。
亜鉛不足により、精子の運動率や精子の数に変化があることがわかっています。
厚生労働省による「日本人の食事摂取基準2015年版」では、亜鉛の1日の推奨量は成人男性12mg、成人女性9mgとされています。
これに、妊婦は+2mg、授乳婦は+3mg付加することが必要です。
それに対して、国民健康栄養調査(平成28年)による1日あたりの摂取状況は、成人男性で平均8.8mg、女性で平均7.3mgとなっています。
このことから、亜鉛の摂取量は推奨量に比べてやや不足気味であることが分かります。
3.亜鉛サプリメントを選ぶポイント
数ある亜鉛サプリメントからどれにするかを選ぶときには、次の3点をポイントに選びましょう。
- 含有量
亜鉛は1日にどのくらい摂ったらいいでしょうか?
特定の栄養素を補給するために利用される食品を栄養機能食品と言い、これには規格基準が定められています。
それによると、亜鉛は上限値が15mg、下限値が2.64mgとされています。
栄養素は摂れば摂るほど良いというわけではなく、適量、ほかの栄養素とのバランスが大事です。
含有量が多いものがいいのではなく、範囲内での含有量である製品を選ぶようにしましょう。
- 一緒に摂りたい栄養素
亜鉛はクエン酸やビタミンC、乳糖、動物性たんぱく質(ペプチドと記載されているの合も同じ)などによりその吸収が促されます。
吸収率を高めるために、これらが一緒に入っているサプリメントが売られています。
- 安全性
亜鉛サプリメントは原材料が天然食材のものから合成されたものまでさまざまです。
そのため、原材料や産地を一律の基準で確認するのは難しいため、安全性の指標のひとつである「GMP認定」があるかを確認するといいでしょう。
GMPとはGood Manufacturing Practiceの略で、製造工場の構造や設備から運用、製品の品質管理、衛生管理、製造管理などの基準を定め、記録して管理を行う安全管理体制です。
医薬品の製造工場ではGMP管理が義務付けられています。
しかし、サプリメントの製造工場での認定は義務ではなく、企業の自主的な取り組みとされているのが現状であり、認定を受けているものは安心であると言えます。
亜鉛サプリは、原材料由来のニオイや形状がさまざまで、製品によって飲みやすさがさまざまです。
継続して取り入れるのに飲みやすさや価格は重要なポイントですから、上記の3つのポイントを確認したうえで、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
4.摂り方のチェックポイント
亜鉛サプリメントを摂るときに気を付けたいポイントは次の2つです。
- 用法容量を守る
亜鉛は通常の食事で過剰になる可能性はほとんどありません。
しかし、サプリメントなどを過剰に摂取すると過剰症を引き起こす場合があります。
一時的な過剰では、胃腸障害、めまい、吐き気などの症状が起こります。
また、継続的な過剰では、貧血、免疫機能低下、慢性的な下痢などの症状を引き起こします。
用法容量を守ることがまず第一ですが、製品によっては含有量が多い場合もありますので、体調の変化には気を付けておくようにしましょう。
- タイミング
亜鉛は就寝前や空腹時に飲むことをおすすめします。
なぜなら、食物繊維、フィチン酸、シュウ酸、大豆たんぱく、ポリフェノールなど食品に含まれる栄養素によって吸収を阻害されることがあるからです。
また、高用量の鉄、銅、カルシウム、リンなども亜鉛の吸収を阻害するため、サプリメントの併用には注意が必要です。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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