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【特集連載vol1】予防医療とは?考え方や必要性について専門家に聞いた/ナチュラルクリニック代々木様

  • 最終更新日:2018年6月14日
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ナチュラルクリニック代々木

 

今回、健康チョキン編集部では、代替医療の先駆的なクリニックであるナチュラルクリニック代々木の管理栄養士さんに予防医療の必要性やセルフメディケーションを行う際の考え方について具体的にお伺いしました。

 

ナチュラルクリニック代々木では、クスリを一切使用せず栄養療法で人本来の自然治癒力に働きかけることで患者さんの症状改善、回復を目指す治療を行っています。予防医療の第一線で様々な治療実績をあげられているクリニックです。

 

 

今回お話を伺ったのはこの方!

豊原悠里さん

医療法人社団一友会「ナチュラルクリニック代々木」管理栄養士。代替医療カウンセラー。細胞の持つ免疫力(自然治癒力)を高めることが症状の改善や治癒、アンチエイジングに最も必要であることを学び代替医療に従事する。

ナチュラルクリニック代々木豊原悠里さん

 

 

※ところで予防医療って何?詳しく教えて!※

予防医療って何ですか?!

 

病院で検査や治療を受けることに慣れた私たちにとって、「予防医療」という言葉はあまりなじみがありません。医療の目的は、すでに罹ってしまった病気を治す『治療』だけではありません。

 

健康な人が将来、病気にならないように野菜の摂取を心がけたりウォーキングを始めたりすることなど、健康な人が健康を維持・増進し、大きな病気にならないように未然に『予防』することも立派な医療です。意外ですよね。

 

つまり予防医療とは、医療を健康維持・増進、病気の予防という視点から大きく捉え直し一人ひとりが日々の生活の中で、医者に頼らず自分にできる範囲のことで、具体的にどんな行動をとるべきかを示すものなのです。

 

1.なぜ今、予防医療が声高に叫ばれているのか。予防医療の必要性とは?!

ナチュラルクリニック代々木管理栄養士豊原悠里さん

国民皆保険が10年でパンクするという事実

 

編集部

なぜ今、予防医療が叫ばれているのか。予防医療の必要性を教えてください。

豊原

まず知らなければならない事実は医療費の増大です。2015年で国民医療費は全体で60兆円を超えており、あと10年で国の税収では国民皆保険制度をまかなえない危機的な状況になると言われています。

・国民医療費の見通し

国民医療費の見通し

出典:次世代ヘルスケア産業協議会中間とりまとめの概要

 

現在、日本は65歳以上の人口が全体の20%を超える超高齢化社会を目前に控えており、医療費は年々右肩上がりで増大している。医療費増大に歯止めをかけるためには、1人1人が“自分の健康は自分で守る”というセルフメディケーションが重要となっている。そのために必要な知識を提供したいという思いは、『健康チョキン』立ち上げの背景になっている。

 

 

良い医療を受けるためのハードルが上がる可能性

編集部

日本の予算が約100兆円/年と考えると、いかに医療費が膨らんでいるか危機感を感じました。

豊原

また、医療の現場では病院に向かう患者さんは増える一方で、お医者さんが診察の時間を十分に取れないという問題もあります。実は非常に深刻な問題なのです。

編集部

私も実際に病院に行ったとき、待ち時間は1時間以上あったのに、診察してもらったのはものの5分程度だったことがあります。

豊原

こうした背景から考えると将来的には、良い医療を受けるには高額な医療費を払える人だけが受けられるといった、線引きが始まる可能性があるのです。

編集部

経済的な問題で受けられる医療のレベルに差が出てしまうという問題ですか…。

豊原

そうです。だからこそ医者に頼りすぎず、自分の健康とお財布を守るために、自分の健康は自分で守る予防医療やセルフメディケーションの必要性が高まっているのです。

予防医療の現実。50代で認知するのでは遅すぎる

編集部

ところで、予防医療という言葉はまだまだ一般には馴染みが薄い言葉であると感じています。

豊原

はい、実際には予防医療の認知率が高まるのは50代からと言われています。

編集部

生活習慣病など、大きな病気にかかってからはじめて気づくのですね。

豊原

しかし、それでは遅いと考えています。なぜなら、体の成長は30歳を前にして止まりますし、美容でいっても曲がり角は20代からやってきます。そのため健康的な体づくりやアンチエイジングに若いうちから積極的にアプローチするセルフメディケーションの意識が本当に大切なのです。50代から取り組むのでは、遅いんです!

 

・ここでCHECK!! 生活習慣病の割合

生活習慣病の医療費に占める割合と死因に占める割合

出典:厚生労働省

 

戦後間もない頃は結核などの「うつる病気」が日本の死因の大多数を占めていた。 しかし現在の日本の死因は若いころからの生活習慣が原因で「つくられる病気」、いわゆる生活習慣病が半数以上を占めている。病気になってから医者に頼るだけでなく、自分自身で自分の生活習慣を見直し、病気を予防するセルフメディケーションの必要性が叫ばれている。

 

2.予防医療の根幹にある前提:人によって健康を意識するレベルが違う

 

編集部

病院に行って治してもらおうという意識ではなく、自分で自分の生活習慣を見直し病気を予防することが重要だということが分かりました。

豊原

そうですね、予防に早すぎると言うことはありません。

編集部

しかし、そもそものお話なのですが、国民全体に健康に対する意識が足りないという側面もありますか?

豊原

足りないというより、健康であるという認識が人によって全く異なるという点が問題であると思っています。具体的に言えば、日常生活を送れるのが健康だと考える人、逆にちょっとでも体の不調を感じれば不健康と感じるなど、人それぞれ認識する健康のレベルが異なっています。

編集部

うーん確かに、それはありますね。

豊原

「不調のないことが健康である」というのは当然ですが、不調のない時にこそ、健康をケアすることがとっても大切です。

未病の状態でも健康となっているのが今の日本

 

編集部

体の不調をチェックするポイントはありますか?

豊原

基本的な健康の定義は、快眠・快便・快気・快食・快性です。 よく眠れて、よく食べられて、お通じがあり、前向きな気持ちで適度に性欲がある状態ですね。逆に、眠れなかったり、食欲が落ちてきたりするのは、病気になる手前の未病という状態で体の不調を感じるサインです。
 
健康~未病~病気
 

編集部

未病の状態はよく慢性化していると言われますが、気付かないふりをしてしまったり、そもそも気付いてない場合も多そうですね。

豊原

はい、今の日本は自分の健康に楽観的な人も多く、未病の状態でも大丈夫だと思いこんでいる方も多いですし、未病に悩まされていても病名がないので今の病院では薬以外の解決策がないのが現状です。つまり全体では未病=健康と捉えられることが多くなっているのですね。未病は慢性化しやすいのでほっといた結果、病状が表に出てきて病院で病名がつけられて投薬がはじまるという怖い一面もあります。

編集部

私の父もそうでしたが、確かに病気が分かってはじめて自分の体を見つめなおす人が多い印象ですね。
 
ナチュラルクリニック代々木管理栄養士豊原悠里

豊原

健康な状態からいきなり病気になることは殆どありません。未病という、病気になる手前の段階から体の不調に気付いて生活習慣を改めたり体質改善をしたりすることが予防医療につながっていきます。

 

★ここでポイント!

 

☑間違った健康に対する認識:

日常生活が送れること・病名が診断されていないこと

☑あるべき健康に対する認識:

不調がないということ(快眠・快便・快気・快食・快性)

 

⇒未病の状態を自分で気づいて、自分自身で体を見つめ直すことが必要

 

3.食生活の改善が予防医療につながる

 

野菜とビタミンなどの栄養素

 

食生活の改善で変化を実感する期間は早くて2~3週間

 

編集部

私は健康診断で良い判定が出るとつい安心してしまいますが、それでは足りないのですね。

豊原

そうですね。健康診断は病気を発見するツールとしては良いと思いますが、未病の状態を知ることはできませんので予防にはなりません。

編集部

まずは自分の不調に気づくこと、そして体を見直すことが前提なのですね。 ちなみに食生活(栄養)を改善することで体の変化が感じられるようになるには、どのくらいの期間がかかりますか?

豊原

その人の症状や年齢によって異なるためケースバイケースですが、20代であれば早くて2~3週間で変化に気づきます。高齢の方でも2~3カ月で体調の改善は少しずつ感じられるようになると思います。

編集部

早いですね。意外でした。

豊原

子供など細胞が若いほど変化までの時間はもっと短くなります。生涯に渡る体調管理を食生活によって支えるという日本が推進している食育も、実は予防医療につながっているんですよ。ですから、子供のころからきちんと栄養について学ぶことは、将来のためにもとても大切ですね。

編集部

確かにそうですね。

豊原

また、特に女性であれば毎月の月経があるので、生理痛やイライラの程度によって、自分の体調の変化を感じるバロメーターにもなります。

 

心の未病状態も栄養不足が関係している

 

編集部

イライラや不安と言った状態もまた未病に入るのは驚きました。

豊原

怒りっぽい人は、「カルシウムが足りてないんじゃない?」なんて言われたことがあると思うんです。それと同じで、必要な栄養素が足りていないことによって精神的な不調を引き起こしています。

編集部

心の状態は親ゆずりの性格的な要素が強いことだと思っていました。

豊原

心はどこから降ってやってくるものと捉えられがちですが、最近の脳科学の研究によって脳細胞やホルモンの強化によって気持ちが変化することが分かっています。つまりそれらを構成する栄養が不足すると、不安やイライラの原因になるのです。

編集部

精神的な状態は栄養(脳)につながっていて、必ず理由があるのですね。

豊原

私も実は昔は随分怒りっぽい性格でしたが、今は旧友に会うとおだやかになったねと言われます。

一同

ナチュラルクリニック代々木管理栄養士豊原悠里さん
 

編集部

とても穏やかにお話ししてくださるので豊原さんが怒りっぽかったなんて、信じられないです…。

セルフメディケーションの出発点は、自分自身の健康状態や症状の原因を把握すること

編集部

ここまでのお話で、予防医療の考え方や必要性を改めて強く感じることができました。その上では、食生活の改善や運動の習慣をつけるなど自分自身の体を守るためにセルフメディケーションを正しく行う必要がありますね。

豊原

はい、未病の段階であれば薬に頼らなくても、食生活の改善などのセルフメディケーションで慢性化している体の不調や体質は改善できると思います。もう少し分かりやすくいえば、体質を自分自身で作り上げるというイメージでしょうか。もちろん、その人が持って生まれた体の特徴(個性)はありますが。

編集部

セルフメディケーションを行う上で、まず何から始めればよいのでしょうか?

豊原

セルフメディケーションの出発点は、体の不調の原因を知る、自分を見つめ直すということです。ここがとても大切なんですよ。

編集部

とはいえ、自分自身ではなかなか気づけない不調もありますし、その原因を知るとなると実際は専門家ではない私たちでは難しいのでは?と思っています。次にその点に関してお伺いさせてください。

 

 

 

 

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■20代/男性/会社員 営業担当時代はヘルスケア領域の顧客を多数担当。セルフメディケーションを怠った結果、体調を崩したことをきっかけに健康オタクに…!自らも、「健康食品コーディネーター」の資格を取得し、これまで得た栄養学や生理学、遺伝子学の知識を使って、健康増進を目指す方や悩みのある方にとって分かりやすい情報を提供できるよう心がけています。最近大好きなキーワードは、「徳と記憶」。

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