看護師が解説【目が赤い!】充血の原因って何があるの?治し方は?
この記事の監修専門家
助産師、看護師 南部 洋子 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1. はじめに
「気づいたら白目が赤くなっていた!」なんて経験はないですか?目が赤い、充血していると言っても、色々な原因があります。
自分の原因を理解して、適切に治しましょう。
2. 目が充血する原因ってなんなの?どの原因で充血している?
目が充血する原因は一体なんなのでしょうか?
あなたの原因を探ってみましょう!
● 結膜炎などの病気によるもの
目が充血する場合の代名詞とも言えるのが「結膜炎」です。
皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
結膜炎といっても、大きく3種類に分類され、原因も違います。
また、他の感染症もあります。
アレルギー性結膜炎
目の表面にアレルギー反応を起こす物質(花粉等)が付いてしまい、結膜に炎症を起こすもので、花粉症もその1つです。
★その他の症状
目のかゆみ、目やにが出る、涙が出る、目がゴロゴロする など
ウイルス性結膜炎
ウイルス感染による結膜炎には、主に以下の2種類があります。

○流行性角結膜炎
アデノウイルスの感染によって起こる結膜炎です。
はやり目ともいい、感染力が大変強く、接触により他人に伝染ります。
まぶたの裏側に白い膜ができたりすることがあります。
★その他の主な症状
涙が出る、まぶたの腫れ、まぶたの裏側に小さなブツブツ など

○急性出血性結膜炎
白目がいきなり真っ赤になってしまうもので、エンテロウイルスによる感染症です。
ほとんどの場合、両目が真っ赤になりますが、発病から1週間ほどで治ってきます。
★その他の主な症状
目の痛み、目やに、痒み、耳の前のリンパの腫れ、まぶしく感じる など
細菌性結膜炎
インフルエンザ菌や肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などの細菌が原因で目が充血します。
感染力が弱いため、目を怪我したときや、病気で体力が落ちているときなどに感染する場合が多いです。
★その他の主な症状
目の痛み、目やに、痒み、目がゴロゴロする など
角膜ヘルペス
一般的にヘルペスとは、ウイルス感染によって顔や口内、唇、性器、お尻など、体のいろいろなところに水ぶくれが出てくる病気をいいます。
そのヘルペスが角膜にできてしまうものです。
★その他の主な症状
目がゴロゴロする、まぶしい、涙が出る、見にくい など
● 結膜炎などの病気以外によるもの
結膜炎の他に、目の充血の原因となるものをご紹介していきます。
目に何かが入ること
目にゴミや砂、まつ毛などが入ると、ゴロゴロした感じや痛みがあるかと思います。
これらの異物を排除しようとして、目の血管が膨らみ目の充血がおきます。
涙が頻繁に流れることもあります。
コンタクトレンズの誤使用
コンタクトレンズの誤使用により、目が乾燥しやすくなり、充血を引き起こします。
下記のような間違った使い方をしていると、さらに充血を引き起こす可能性があります。
- 装着したまま寝てしまう
- 決められた時間を超えて使用する
- 洗浄液の不使用、誤った使用
- 汚れた手で目をこする
- コンタクトレンズ用ではない目薬の使用
ドライアイ
パソコンやスマホ、ゲーム等に夢中になり、長時間画面をじっと見続けていると、瞬きの回数が減っています。
瞬きの回数が減ると、油の膜が途絶えて、眼精疲労やドライアイを起こし、充血します。
その他原因になるもの
他にも、よく充血の原因となる行動をまとめました。
上にあげた原因以外にも当てはまるものがないか、確認してみましょう。
- 目を強くこすった
- プールの水を目に入れてしまう
- 紫外線を浴びた
- アルコールを飲んだ
3. 目の充血の治し方は?
自分の当てはまる原因はみつかりましたか?
それでは、治し方や適切な対処法を原因別に紹介していきます。
● 結膜炎などの病気への対策
病気による目の充血への対策は、以下などがあります。
アレルギー性結膜炎

○目を洗う
目にアレルゲンとなるホコリや花粉などが入っていることが多いです。
目を水で洗って清潔にしておくようにしましょう。
ただし、汚れた手で目をこすってしまうと、ウイルスや細菌が入りやすくなってしまいます。
必ず手をきれいに洗ってから、目の洗浄を行いましょう。

○室内を掃除する
ハウスダスト、ペットの毛などがアレルギーの原因になる可能性があります。
こまめに室内を掃除機をかけたり、拭き掃除をするようにしましょう。
室内の換気も重要です。

○目薬をさす
目の炎症を抑える成分が入っている目薬をさすのは、効果があります。
充血を解消するための目薬もありますので、薬局で薬剤師と相談してみてください。
・硫酸亜鉛水和物
・ナファゾリン塩酸塩 など
ウイルス性結膜炎
ウイルス性結膜炎には、特別な治療法はありません。
疑いを感じた場合は、すぐに眼科を受診しましょう。
有効な薬剤はないため、その状況に合わせて、医師から処方された薬を使用しましょう。
ウイルス性結膜炎は感染力が強いため、学校保健安全法で、医師が「感染力がなくなった」と判断するまでは登校ができない疾患に指定されています。
成人以上のみなさんも、感染を広げないために出社は控えましょう。
もしウイルス性の結膜炎に感染した場合は、他の人への感染を避けるため、以下に気をつけましょう。
○他者への感染を避けるための対策
- 手洗いをしっかりする
- タオルや目薬の共用を避ける
- 最後にお風呂に入るようにする
細菌性結膜炎
ウイルス性とは違い、有効な抗生物質の入った点眼薬があるため、比較的早く治ります。
ものもらい・結膜炎用として、市販もされているものもあるので、薬剤師と相談してください。
・スルファメトキサゾールナトリウム
・グリチルリチン酸二カリウム など
角膜ヘルペス
放っておくと進行して失明してしまう可能性もありますので、疑いを感じた場合はすぐに眼科を受診しましょう。
感染してしまった場合は、早寝早起き、食事を3食しっかり、バランス良く摂る、睡眠時間は7時間程度、など、規則正しい生活を心がけましょう。
免疫低下時に発症するケースが多いヘルペスは、再発の可能性があります。
完治した後も根気強く療養を続けましょう。
● その他 症状への対策
目に何かが入った
目の中に何か入ってしまった場合の応急処置法を紹介します。
○目の中に何か入ってしまったときの対策
- 手をきれいに洗う
- 下まぶたを引き下げて、水道水で流す
- 鏡を見ながら、先を水で濡らした綿棒でそっと取り除く
- 洗面器に顔をつけて、目をパチパチさせる
※目をこすって傷つけてしまわないように注意しましょう。
コンタクトレンズの使用
コンタクトレンズには、ソフトとハードの2種類があります。
種類別で気をつける点を紹介します。
○ソフトコンタクトレンズ使用時
ソフトコンタクトレンズで充血する場合、ゴロゴロする、痛みを感じるなどの症状がある場合、角膜感染症などの感染症にかかっている可能性があります。
早めに眼科受診に行きましょう。
○ハードコンタクトレンズ使用時
- 目をしっかり閉じてまばたきをする
- ハードコンタクトレンズ用の目薬(人工涙液)をさす
- コンタクトを外して、眼鏡にする
最近はコンタクトを何日間も使用したり、ずっとつけっぱなしにしたりする人も多くいるようです。
コンタクトレンズは、医療器具です。
取り扱い説明書をよく読んで、間違った使用法をしないように注意しましょう。
ドライアイ
スマホやパソコンの長時間の使用は避けましょう。
テレビを長時間見ることも充血の原因です。
と言っても、仕事等でパソコンやスマホは長時間使うのが、今や当たり前ですよね。
その場合、以下を意識してみましょう。
<
○ドライアイになったときの対策
- 1時間、目を使ったら、1~5分間程度目をつむって休む
- ゆっくりまばたきをする
- 濡れタオルなどで目を冷やす
- 瞳を上下左右に動かすなど、目の運動で筋肉の緊張を和らげる
- 加湿器などを使用し、室内の湿度をあげる
まばたきは水分の蒸発を防いでくれ、目を保護する油分が分泌されます。
上まぶたを下まぶたにきちんとつけてゆっくりまばたきをしましょう。
ただ目をつむって休ませるだけでも充血が治ることがあります。
睡眠不足
毎日出来るだけ7時間ほど眠るようにしましょう。
寝る30分前くらいから、スマホや読書は避け、ゆったりとする時間をとりましょう。
心を落ち着かせることで、ぐっすりと眠れるきっかけ作りになります。
その他
これまでに挙げた原因以外への対策を、以下にまとめて紹介します。

○目を強くこすった
できるだけこすらないように。
また、こするのには原因があるはずです。
その原因をつきとめることで、こするのを抑えることができるので、こすってしまった原因をまず考えてみましょう。

○プールの水を目に入れてしまった
プールに入る場合は、ゴーグルを使用するようにしましょう。
プールを頻繁に利用している場合は、目は、水道水で洗うのではなく、人工涙液の目薬の使用をおすすめします。

○紫外線を浴びた
日傘をさすなど、出来るだけ紫外線を浴びないように対策をしましょう。
また、市販のUVケア用目薬を使用するのも良いですね。

○アルコールを飲んだ
アルコールの血管を太くして血流を増やす作用により、目の血管が広がり充血が起こる場合があるので、多少の充血ならば心配はいりません。
ただ、飲酒するたびに目が真っ赤になる場合は、他の病気が隠れている可能性もあるので、眼科を受診しましょう。
4. 最後に
目の充血は、病気の疑いがある場合は、自分でどの症状なのか判断するのが難しいものもあります。
異常を感じた場合はためらわず、医師に診てもらいましょう。
また、日常での目の充血は、ちょっとしたことで解決できることが多いです。
セルフメディケーションとして、充血の原因をみつけて改善していきましょう。
※この記事を監修して頂いた専門家の方
監修:南部 洋子(助産師、看護師)