【シニア層(60代以上)の便秘】原因と解消法って?
1.はじめに
年齢を重ねるごとになりやすくなる便秘。
その原因として、内臓機能の低下が挙げられます。
内臓機能の低下は、本人の自覚よりも著しく進んでいることがほとんどです。
また、ほかにも便秘になりやすい原因があります。
そこで、シニア層の便秘の原因と解消法をみていきましょう。
2.シニア層の便秘の原因
冒頭でお伝えしたように、シニア層の便秘は内臓機能が低下することが原因となることがあります。
ほかにも、いくつかの原因が考えられますので、一緒にみていきましょう。
●内臓機能の低下
次のようなことが原因で、内臓の機能が低下し、活発な腸の動きが損なわれると、排便習慣に乱れが生じます。
食事の量が減ってくると、消化機能が低下して、排便不良になりやすい体質になります。また、食物繊維の不足も原因と考えられています
食生活の変化により、一般的にしっかり噛まなくても良いものが食卓にあがる傾向にあり、便の量は、第二次世界大戦前の成人の半分ほどではないか、といわれています。
朝食を摂ることで眠っていた胃腸を起こす役割がありますので、朝食を抜くと便秘になるきっかけを作ってしまいます。
●運動不足
高齢になると、身体を動かすのが億劫になり、できるだけ動かないようになってしまう傾向があります。
身体的な衰えは、筋力低下につながります。
筋力が落ちると、蠕動(ぜんどう)運動に影響が出てきて、腸が便をスムーズに流動できなくなります。
便が長くとどまると、腸が便の水分を必要以上に吸収してしまい、固まった便が腸内に残って便のつまりを引き起こします。
●水分不足
「トイレが近くなるから」という理由で水分補給を控えてしまいがちです。水分が減ると、当然便は硬くなり、便秘になります。
●偏った食生活
シニア層の中には、独り暮らしをしている方も多くいることでしょう。
独り暮らしになると、自分の好きなものだけを摂ったり、料理が億劫になって市販のお惣菜で済ませてしまうことが増えてしまいます。
そうなると、どうしても野菜、根菜などの食物繊維を摂る機会が減って、便秘のリスクが高まります。
●安易な便秘薬の使用
病院でもらう便秘薬に「酸化マグネシウム」があります。
便が硬くなるのを防ぐ働きのある薬ですが、高齢者への副作用が問題になっています。
初期症状では、吐き気、めまい、だるさ、立ちくらみなどがあり、やがて呼吸抑制、不整脈、意識障害などの出る「高酸化マグネシウム血症」が出る可能性があります。
また、筋力が低下した高齢者が便秘薬を使って強制的に排便を促すと、本来身体に取り込まれなくてはいけない水分まで排出されてしまい、脱水症状や低カリウム血症を起こす可能性が高くなります。
さらに、肛門筋の締まり具合も弱まるので、失禁を起こす可能性もでてきます。
すると、便意や排便に対して恐怖心が出てしまい、便秘を悪化させてしまうことがあります。
●薬の副作用によるもの
一般的に、高齢になると服薬することが増えます。
抗生物質や抗うつ剤などは副作用として便秘が出る場合があります。
これは「薬剤性便秘」といわれるもので、多量の薬を日常で服薬している高齢者に多いといわれています。
3.シニア層の便秘解消法
ここまで説明してきたように、シニア層には便秘になりやすい要因がいくつもあります。
ただ、便秘はほかの器官にも影響してきます。
腸の不調から胃にも悪影響がでて、栄養吸収する機能が衰えると、身体全体の抵抗力がなくなり、病気にかかりやすくなるのです。
こうならないために、便秘の解消法を紹介します。
●食習慣
食事の量、水分の摂取量が減る傾向にあるため、次のことに気をつけましょう。
加えて、腸内環境を改善して、善玉菌が増えやすくなる環境を作りましょう。
腸を刺激する。便を柔らかくし、量も増やすことができる。
一度に大量の水を飲むのではなく、こまめに摂取する。
ヨーグルト、納豆、オリゴ糖、汁気の多いスープ、果物などがおすすめ。
●トイレ習慣
便の量が減ってしまい、トイレに行く回数も少なくなりがちです。
1日の中でいつ排便をするのか、あらかじめ決めておきましょう。
便が出やすいのは朝食後ですが、朝でなくても一定の時間にトイレに行って、反射的にその時間に便意をもよおすように身体に覚えさせましょう。
そのためにも、最初は便意がなくてもトイレに行く習慣をつけましょう。
●運動
筋力の衰えを防止するために、日頃から運動しましょう。毎日行うことが大事です。
ウォーキングを行う場合は、数十分続けましょう。
膝を伸ばし、身体ができるだけ地面と垂直になるような姿勢で歩くように心がけます。
このような姿勢は、腹筋に影響し、腸の蠕動運動を刺激して活性化させます。
ほかに、腹部マッサージも効果があります。
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※この記事を監修して頂いた専門家の方 監修:南部 洋子(助産師、看護師)
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南部 洋子

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 看護師(35)
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