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【管理栄養士が解説】下痢が続く…その原因と治し方、予防法は?

  • 最終更新日:2018年6月13日
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監修者・女性

この記事の執筆専門家

管理栄養士 山本ともよ  (株式会社とらうべ)

株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中。

※本記事は、管理栄養士の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

1.はじめに

なんだか最近下痢が続いているなー、と感じていませんか?

 

1回だけならまだしも、何日も続くと不安になりますよね。

 

あなたのお腹の不調はどこからきているのでしょうか?

 

どうして下痢が起こるのか、その原因と治し方、予防法を解説します。

 

2.下痢が続く…その原因は?

下痢(軟便)とは、便の水分量はおおよそ80〜90%の便のことを言います。

 

90%を越える水様便と呼ばれます。

 

理想的な便の水分量はおおよそ70~80%です。

 

便は大腸を進みながら水分吸収されていきます。

 

一方でスムーズに排出するために大腸の壁からは水分が分泌されています。

 

この過程での水分の吸収と分泌のバランスが崩れると便の水分量が多くなって下痢となってしまうのです。

 

どのような原因で下痢が起こるのでしょうか?

 

●食中毒(食あたり)

  • 賞味期限が過ぎたものを食べた
  • 貝類やお刺身などの生ものをたくさん食べた
  • 名前がわからない食材を食べた

 

など思い当たることはありませんか?

 

それはもしかすると、食中毒が原因かもしれません。

 

「食あたり」と言われることがありますが、食べ物に含まれる細菌やウイルス、毒素などが腸内に入ることで、それを排出しようと腸壁からの水分が過剰に出ることで起こるものです。

 

原因の菌やウイルスが侵入して数時間から数日後に起こり、水のような便で量も多くなり、全て外に排出されると治まります

 

●下痢以外の症状:嘔吐や発熱、血便 等 

※細菌やウイルスの種類によって症状は様々

 

●水あたり

  • 海外旅行で水を飲んだ
  • 硬水を飲んだ
  • 井戸水を飲んだ
  • 冷たい飲み物をがぶ飲みした

 

など思い当たることはありますか?

 

水あたりとは、「水」が原因で起こる下痢や軟便を言います。

 

水が細菌やウイルスに汚染されていたり、体内と水分のミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)濃度のバランスが崩れ、水分の吸収がうまくいかなくなるときに起こります。

 

症状が出るのは比較的早く、下痢や軟便が主な症状です。

 

細菌やウイルスが原因の場合には吐き気や血便などを伴うこともあります。

 

●下痢以外の症状:吐き気、血便 等 

※細菌やウイルスが原因の場合

 

●アルコールの飲み過ぎ

お酒を飲み過ぎた、一気飲みをした、など、多量のアルコールを短時間に摂ると、下痢になりやすくなります。

 

アルコールには利尿作用があるため、水分の吸収が上手くされないまま、そのまま水分を排出しようとして、下痢や軟便を起こします。

 

●体の冷え

冷たいものを食べたり、クーラーなどで冷えた部屋に長時間いると下痢を起こしてしまう、ということも少なくありません。

 

冷えと下痢の関係は明確にわかっていないのですが、血行不良により消化不良を起こしてしまうことや、身体が防御反応として熱を産生するために腸の動きが活発になり過ぎることで起こると考えられています。

 

●食べ過ぎ

遅い時間の飲食や食べ過ぎ飲み過ぎなどは、十分に消化されずに食べ物が腸まで進んでしまいます。

 

そうすると、食べ物自体の水分を含む力が強くなり、腸内で水分がきちんと吸収されないまま、下痢や軟便になって、出てしまうのです。

 

また、特定の食品で下痢を起こしやすいものがあります。

 

  • 乳製品
  • 人工甘味料(キシリトール、アスパルテーム 等)

 

これらは、摂り過ぎにより下痢を起こしやすいため注意が必要です。

 

●腸内環境の悪化

  • 野菜をあまり食べていない
  • ダイエットで糖質を極端に制限している
  • コンビニ弁当等、脂っこいものばかり食べている

 

当てはまることはありませんか?

 

腸内環境をコントロールする善玉菌が減り悪玉菌が増えると、下痢を引き起こします。

 

善玉菌を増やし悪玉菌を減らす食物繊維やオリゴ糖の不足は腸内環境を悪化させます。

 

●ストレス

重要な会議のとき、試験のときにお腹を下してしまったことはありませんか?

 

強いストレスがかかると、自律神経が乱れてしまいます。

 

排便を起こす大腸の蠕動運動は、この自律神経によってコントロールされています。

 

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つがあります。

 

基本的には交感神経は活動を促進させるように働き、副交感神経は活動を休ませるように働きます。

 

大腸は、この副交感神経が優位になっているときに活発に働きます。

 

つまり、リラックスしているときほど大腸は活発になり、仕事中や授業中等は交感神経が活発になっているので、便意はあまり起きないはずなのです。

 

しかし、ストレスの影響で自律神経の働きに乱れが生じると、仕事中等でも大腸の蠕動運動が盛んになり過ぎることがあります。

 

すると、水分が十分に吸収されず、下痢を引き起こします。

 

●月経

月経前や月経中にお腹がゆるくなる、という女性は多いのではないでしょうか?

 

それは、「プロスタグランジン」という、子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を血液とともに「経血」として体の外に押し出す働きや、頭痛や腰痛を引き起こす体内物質の影響です。

 

このプロスタグランジンには腸を収縮させることで動きを活発にさせる働きもあります。

 

月経前や月経中にプロスタグランジンが多く分泌されるため、痛みを伴う下痢を起こしやすくなります。

 

●薬の影響

薬の副作用で下痢が起こる場合があります。

 

一時的なものであれば、飲み終われば下痢も治まりますが、長い期間続く場合には主治医や薬剤師に相談してみましょう。

 

下痢になりやすい薬は下記です。

 

●抗生物質:腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えることで腸管粘膜が傷つき、水分の吸収と分泌のバランスが崩れる

 

●抗炎症剤:消化管粘膜を傷つけることがある

 

●消化管機能調整薬:腸管の運動を亢進させる

 

●病気による影響

これまで挙げたものは、外部からの刺激によるものでしたが、病気などの影響で下痢になることもあります。

 

下痢以外の症状も確認し記録して、受診の際に持参しましょう。

 

●乳糖不耐症

元々乳糖を消化しにくい体質の方は、乳製品を摂ることで下痢が起こります。

●その他の症状:吐き気、お腹からゴロゴロと音が聞こえる等

 

●慢性下痢

下痢の症状が2週間以上続くものをいいます。感染性のこともありますが、慢性の下痢はほとんどが小腸や大腸の病気によって起こるもの、また精神的ストレスでも起こります。

●その他の症状:貧血や発熱等

 

●潰瘍性大腸炎

原因不明ですが、ストレスや食の欧米化が原因等、様々な要因が関係していると言われれています。

●その他の症状:腹痛、血便、粘液便、貧血、発熱等

 

●クローン病

原因不明ですが、遺伝やウイルス、食事の何らかの成分等が関係していると言われれています。

●その他の症状:腹痛、体重減少、全身倦怠感があります

 

●過敏性腸症候群

腸に特に何も無いのに、腹痛をともなった下痢または便秘がおき、排便すると軽くなります。現代社会で急増していて、定期的に便秘になり、緊張すると下痢になるということがあります。

●その他の症状:お腹の不快感、便秘

 

病気で起こる症状には個人差があります。

 

次のポイントを確認し、受診をするときに、医師に伝えましょう。

 

便の状態を伝えよう

粘度(少し柔らかめだが形がある・粘土のようなドロドロ状など)

頻度(1日に数回・1時間に数回など)

(黒っぽい・白っぽい・透明など)

 

など、便の形状を細かく伝えましょう。

 

同時に起こる症状を伝えよう

激しい腹痛を伴う、吐いてしまう、発熱、血便等、同時に起こる症状もしっかり伝えましょう。

 

3.下痢が続く…原因別の対処法は?

辛い下痢症状にはどう対策をとったら良いのでしょうか。原因別にみていきましょう。

 

●食中毒(食あたり)

食中毒は食べ物と一緒に入ってきた細菌やウイルスなどによって起こります。

 

原因物質が体から出てしまうと症状も収まります。

 

むやみに下痢止めなどの薬を服用せず、出し切ってしまいましょう

 

ただし、脱水症状には気をつけなければいけません。

 

「飲んだり食べたりしてもどうせ出てしまうから・・・」と思うかもしれませんが、こまめな水分や栄養素を補うことが大切です。

 

下記の症状が出ている場合は、すみやかに受診しましょう。

 

  • 下痢やおう吐が3~4日経っても治らないとき
  • 血便、白、黒、緑色の便がでる
  • 意識が朦朧としている
  • 食事や水分補給ができない

 

●水あたり・アルコールの飲み過ぎ・体の冷え

この3つの対処法は同じです。

 

出来るだけ早く腸の動きを正常に戻す必要があります。

以下に気をつけてみましょう!

 

  • 体を横にして休む
  • こまめに水分を補給する
  • 海外では、硬度の低いミネラルウォーターを選ぶ(硬度120㎎以下)
  • お腹、手足、脚の付け根、首、等を温める
  • 下痢止め薬を使う

 

●食べ過ぎ

まずは胃腸を休めることが第一です。

 

食事を摂ることは構いませんが、腸に優しいものを摂り、消化が悪いものは控えましょう。

 

●消化が良いもの

ごはん、うどん、芋類などを柔らかめに加熱した料理(おかゆ、温うどん、マッシュポテト等)、豆腐や加熱した卵、温野菜等

 

●消化が悪いもの

繊維質の多い穀類(玄米やライ麦、十割蕎麦)、海藻類、油の多い料理、冷たいもの、辛いもの等

 

●腸内環境の悪化

野菜をしっかり食べ、コンビニ弁当を選ぶ際も、唐揚げなどの脂っこいものではなく、焼き魚等、素材が見えるものを選びしょう。

 

また、腸内の善玉菌を増やすため、次のような食品を毎食ごとに積極的に取り入れましょう。

 

●乳酸菌やビフィズス菌

善玉菌として働きます。

●含まれる食べ物

ヨーグルトぬか漬け、チーズ

 

●水溶性食物繊維

善玉菌のエサとなります。

●含まれる食べ物

果物、豆類、ごぼう、モロヘイヤなど

 

●オリゴ糖

善玉菌のエサとなります。

●含まれる食べ物

玉ねぎ、ゴボウ、キャベツ、はちみつ、オリゴ糖など

 

●ストレス

ストレスの原因から離れることが一番ですが、受験や仕事、学校等の場合そうもいかないですよね。

 

そういう場合は、腸の動きを正常にするタイプの、整腸の下痢止めビオフェルミン等)を利用しましょう。

 

強いストレスがかからない時間には、出来るだけリラックス出来るように、湯船に浸かる睡眠を7時間以上十分にとる等、生活リズム全体を整えることが大切です。

 

●月経

生理中の下痢の原因と言われるプロスタグランジンは、子宮を収縮させ、はがれ落ちた子宮内膜を血液とともに「経血」として体の外に押し出す働きをするため、分泌自体のコントロールは難しいと言われています。

 

プロスタグランジンの影響で体は冷えやすい状態にあり、そのせいでお腹がゆるくなることもあるので、冷やさないように、腰や下腹部をホットタオルやカイロで温めましょう。

 

また、腸内環境を整えたり、ストレスを溜めないように趣味やリラックスの時間を十分にとって、月経特有の原因以外での腸の刺激を減らすようにしましょう。

 

●薬による影響

薬を飲むことで、下痢が起こる場合、個人の判断でやめてしまうとさらに症状が悪くなる場合もありますから、医師や薬剤師にそのことを伝え相談しましょう。

 

●病気による影響

下痢以外の症状で、気になったり当てはまったりすることがあったら、すぐに医者に相談しましょう。

 

病院を受診して、それぞれ治療が始まりますが、主な治療法を紹介します。

 

●乳糖不耐症

乳製品等を全く食べてはいけないわけではなく、症状の出方を見ながら食べるようを調節しましょう。

 

●潰瘍性大腸炎・クローン病

腸の炎症を抑える薬物療法、それで治らない場合大腸を取る外科的療法があります。

 

●過敏性腸症候群

暴飲暴食や夜の食事を避けて、睡眠や休養を十分にとり、ストレスを溜めないなど、生活習慣を改善します。食べ物では、刺激物高脂肪の食べ物(油もの・豚肉・牛肉など)また、アルコールは控えます。それでよくならない場合は、薬物療法をします。

 

4.最後に

下痢が長く続く方の中には「いつものことだから仕方がない」と思っている方も多いと思います。

 

薬を飲んでその場しのぎで対処するのではなく、腸内環境を整えるため、日頃から野菜をしっかり食べたり、7時間以上の良質な睡眠適度な運動などを心がけましょう!

 

それだけで、下痢が回復することもあります。

 

自分の生活の中で下痢を予防しつつ、なってしまった場合は、自分の原因に応じて、適切に対処しましょう。

 

※この記事を執筆いただいた専門家の方

女性専門家

執筆:管理栄養士 山本ともよ
株式会社とらうべ所属

ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

 

※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

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【保有資格:管理栄養士】栄養の情報は世にあふれています。身近なことだからこそ、正しい情報をわかりやすく伝えることを心がけています。

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