【徹底解説!】気になる乾燥!原因と対策方法まとめ
この記事の監修専門家
南部 洋子(助産師、看護師)
お肌の悩みといえば、「乾燥」だと答える人も多いのではないでしょうか? 空気の乾燥によって起こる肌の乾燥は、かゆみや赤み、ニキビやガサガサ肌などさまざまな悩みの原因です。
「寒い季節以外でも、肌のコンディションを整えるのは大変なのに…」とお悩みの方のために、今回は肌の乾燥対策について、原因からしっかりとお教えします!
1.乾燥の原因は?
①.睡眠不足
現代はちゃんと眠られていない睡眠障害の人が多くいるといわれています。
良い睡眠が取られていないことも、乾燥肌の原因のひとつ。睡眠の効果は、日中にダメージを受けた部分の補修や疲労の回復など、体調を整えることです。
睡眠が不足すると、肌がダメージを受ける割合に対して、新しい皮膚を作り出すのが追いつかず、徐々に肌の深いところまでダメージを受けてしまいます。
肌を常に良い状態にキープするためにも質の良い睡眠をしっかり取ることが大切です。
②.間違った入浴方法
女性の多くが好むバスタイムにも、乾燥肌への盲点が隠れています。
入浴は身体を温めてくれるばかりでなく、古くなった皮膚を落としてくれる効果がありますが、同時に肌を守っている肌のバリア成分も落としてしまいます。
特に熱いお湯は細胞間脂質のセラミドを洗い流してしまいますので、寒いからと言って熱すぎるお風呂に浸かるのは禁物です。
また、長風呂にも気をつけましょう。長湯は肌の角質層をふやかし、バリア成分を流してしまいます。
③.部屋の乾燥
空気の乾燥にも注意が必要です。
外気が乾燥しているのは仕方ないのですが、部屋の中では湿度のコントロールをして、少しでも肌に優しい環境を作りましょう。
肌が元気なときは、多少乾燥していても身体の新陳代謝と防御機能によって肌の状態を適切に保ってくれますが、肌が弱ってくると空気の乾燥が大きなダメージとなって襲い掛かってきます。
可能であれば加湿器の利用を心がけ、適切な湿度コントロールに努めましょう。
また、暖房器具の使いすぎも部屋の乾燥を進める原因になるため、注意が必要です。
④.ストレス
肌に直接刺激を与える外的ストレスには注意が必要ですが、内的ストレスも肌の乾燥によるさまざまな症状に結びついています。
ストレスそのものは皮膚にダメージを与えるものではありません。
しかし、ストレスが溜まることによって活性酸素が体内に生成されます。活性酸素は体内の細胞の老化を進めるので、肌の老化にもつながります。
ストレスは、ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下にも影響を与え、結果として身体の中で弱い部分にハッキリとした症状が現れるのです。
ストレスで肌に影響が出る人は、それでなくとも肌を痛めやすいので普段からの注意が必要です。
2.乾燥による症状は?
①.かゆみ
肌が乾燥は、肌から水分が失われている状態のことを指します。
肌の乾燥によって引き起こされる症状の代表格であるかゆみは、比較的症状が軽い段階です。
肌のバリア機能が弱まり、花粉やウィルスなど小さな異物でも肌に刺激を与えることによってかゆみが起こります。
かゆみを感じて患部を掻いてしまうと、一時は気持ちよくなりますが、皮膚が削られ、さらに刺激に敏感な肌になっていきます。
かゆいからと言って掻きむしってしまうと余計にかゆみを増す原因になりますので、かゆみ止めの薬を塗るなど対策をして極力掻かないことが大切です。
②.肌の赤み
乾燥肌が進行すると、かゆみだけでは止まらなくなり肌が赤みを持つようになってきます。
肌の赤みは、炎症反応が出ていたり、掻いて薄くなった皮膚から血液の色が透けて見えているなどの状態です。
赤みがさらに進行すると湿疹になり、ひどくなると皮膚炎にまで発展します。
肌のダメージシグナルである、かゆみの段階でしっかりと症状を抑えるように注意しましょう。
ひどい場合は、皮膚科にかかる等、対処しましょう。
3.乾燥の改善方法は?
①.正しい洗顔、保湿
肌が荒れるとついつい洗顔をしたくなりがちですが、乾燥によって起こる肌荒れの場合は洗顔のし過ぎにも気をつけましょう。
特に洗いすぎによって肌の乾燥が余計に進行してしまうので、洗顔料や石鹸を使用しての洗顔はむしろ控えるべきです。
ニキビなどほかの肌荒れが重なっているときは、乾燥でなく洗顔に目が向きがちですが、乾燥が原因によるバリア機能の低下が原因のことも多くあります。
ニキビ用など強い洗浄力を持つ洗顔料の使用は一旦やめ、なるべく肌に優しいものを使いましょう。
熱いお湯は肌に刺激を与えるので、ぬるめのお湯で老化した皮膚を流すくらいの感覚で優しく洗います。
冷たい水もよくありません。ゴシゴシと肌を削るように洗うのはもちろんNGです。
同時に洗う頻度にも気をつけましょう。肌のテカリが気になる人は1日に何度も洗顔を行うかもしれませんが、朝と夜の2回ほど洗えば充分です。
特に乾燥がひどい方は、朝の洗顔でも肌のバリアが落ちてしまうので、1日の洗顔は夜1回だけにするのをおすすめします。
洗浄剤を使用する場合は、肌に残らないようにすすぎをしっかりしましょう。洗顔後は、すぐに保湿してスキンケアも欠かさずに行ってください。
濡れた肌をそのまま自然乾燥させることもダメージの原因になってしまいます。
②.良質な睡眠
乾燥肌の改善には、体内から肌の状態を整えることも忘れてはいけません。
まずは身体本来のメンテナンス機能である睡眠の質を高めましょう。
食事は寝る2時間前には終わらせて、寝ているときに胃に負担をかけないようにします。入浴後すぐには入眠しにくいので、入浴後少し時間を置いてからにします。
パソコンやスマートフォンなどの光も脳を起こしてしまいますので、なるべく控えましょう。
冬場に使いたくなる電気毛布は、温かくて快適ですが、実は乾燥した肌にとっては熱刺激がかゆみを生じさせるのであまりよくありません。
乾燥肌のことを一番に考えるならば、肌と直接接する寝具や寝間着の素材にも目を向けましょう。肌触りのいいコットンなどがおすすめです。
4.乾燥の改善に有効な食材と、望ましい摂取方法
乾燥肌の改善には、外側からのケアだけでなく内側から肌の状態を整えていくことも忘れてはいけません。
肌に良いと言われる栄養素はいくつもありますが、今回はそのなかでも代表的なビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、たんぱく質、セラミドについて解説します。
①.ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜のうるおいを維持するはたらきがあります。それだけでなく新陳代謝を活発にしてくれるため、肌の再生にも効果があります。
脂溶性のビタミンなので、毎食摂取する必要はありませんが、体内で不足することがないようにしましょう。
ビタミンAは、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜、卵、乳製品、レバーなどに多く含まれています。サラダや牛乳など、比較的簡単に摂取することが可能です。
②.ビタミンB群
ビタミンB群も健康な肌づくりに欠かせません。
新陳代謝の促進や肌の粘膜保護などさまざまなはたらきがあり、身体の機能を正常に動かす潤滑油の存在と捉えるといいでしょう。
ビタミンB1、B2は豚肉やレバー緑黄色野菜などに含まれており、ビタミンB6はにんにくや魚、肉類に、ビタミンB12はイワシや貝類などに多く含まれています。
たんぱく質の含まれる食品に一緒に含まれていることが多いと言えます。
水溶性のビタミンなのでなるべく毎食摂取できるのが理想です。
③.ビタミンC
ビタミンCは活性酸素の除去や、皮膚の構成要素のひとつであるコラーゲンの生成を促すなど肌にとても良い栄養素のひとつです。
こちらも水溶性のビタミンなので、こまめに摂るのがおすすめです。
柑橘類やイチゴといった果物が多く含まれる食品の代表格ですが、ピーマンやブロッコリーなど色の濃い野菜にも多く含まれています。
加熱すると壊れてしまうので、そのまま食べる以外には、ジュースにするのもおすすめです。
④.タンパク質
たんぱく質は、皮膚の角質細胞を形成する、肌に欠かせない材料のひとつです。
不足するとそのまま肌のコンディションに影響するので、良質なたんぱく質をしっかりと補っておきたいもの。
ただ、たんぱく質とイメージが結びつきやすい、肉類には脂肪分も多く含まれているので摂りすぎも控えましょう。
魚類や豆類、乳製品などからバランス良く摂取するのがおすすめです。
⑤.セラミド
最後に紹介するセラミドは、皮膚の角質層に存在する脂質で、肌の水分を保持しうるおいを保ってくれます。
セラミドは加齢とともに減っていくものですが、30代ごろからは大きく減少していくので、特に意識して摂取したい栄養のひとつです。
こんにゃくや大豆のほか、黒ごまや黒豆、ひじきなど黒っぽい食べ物に多く含まれています。
ただ、よく噛まないと吸収率が悪いので、しっかりと噛んでから飲み込むことを忘れずに。ひじきとこんにゃくの煮物は特におすすめの一品です。
5.最後に…
肌は一番外側でさまざまな刺激から身体を守ってくれています。それだけに一度状態が崩れてしまうと、良い状態に戻すのには手間も時間もかかってしまうもの。
短絡的に何かひとつのものが効いて改善することはあまりないので、今回紹介した対策をしっかりと行いみずみずしい肌コンディションを手に入れましょう。
※この記事を監修して頂いた専門家の方
監修:南部 洋子(助産師、看護師)