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【看護師が解説】ストレスで過食する人、痩せる人…これって摂食障害?その原因と治し方は?

  • 最終更新日:2018年6月13日
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監修者・女性

この記事の監修専門家

助産師、看護師 南部 洋子 (株式会社とらうべ)

株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。   

※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

1.はじめに

毎日感じるストレス!仕事で上司に理不尽に怒られた…部下がミスばかり!学校での人間関係に疲れた…

 

ストレスを感じたとき、ついつい食べすぎてしまう人、食べ物が喉を通らず痩せてしまう人、吐いてしまう人…いると思います。

 

過食してしまう、痩せてしまう、その原因ってなに?その対策を伝授します!

 

2.摂食障害ってなに?

摂食障害とは、心理的なことを背景にして、食べることにまつわる障害をいいます。

 

自分の体形や体重などのことで自己評価が低く、それらの要因から引き起こされる食に関する障害です。

 

摂食障害は、人によってそれぞれ原因が違いますが、発症が思春期に多いことから心の病気だと考えられています。

 

また、身体の問題から引き起こされることがあることもわかってきています。

 

痩せている方が美しい、などとマスコミなどでは、取り上げられダイエットが流行しているのも一因とも言われています。

 

摂食障害がなぜ起きるのか、大きく分けると下記のようなことが理由にあげられます。

 

  • 成長期の不安
  • ストレス
  • 家庭環境
  • 低血糖症

 

一つの原因からだけでなく複合的なものと考えられています。

 

摂食障害の特徴は、自分の体形などに関して感じていることが歪んでいて、極端に太ることへの恐怖心が強くなり、過度な運動や下剤を使用したり、吐いたりすることです。

 

食欲が増えたり減ったりするだけでなく、精神疾患や発達障害と一緒に起こったり、二次的に症状がでてきたりすることがあります。

 

極端に不安になって気分が落ち込んだり、怒りっぽくなるなど、心の動きの幅が大きく、抑うつ状態になったり、不安症状が大きくなり、時には自傷行為や自殺に至ることも起こり得ます。

 

摂食障害は、代表的なものとして、3つに分類することが出来ます。

 

  • 神経性やせ症
  • 神経性過食症
  • 過食性障害

 

3.神経性やせ症

いわゆる拒食症です。今まで神経性無食欲症や神経性食思不振症という病名でしたが、必ずしも食欲がないわけではないので、神経性やせ症という病名になりました。

 

明らかに低体重や栄養状態が足りていないのに、その重大さを本人が自覚しておらず、体重が増えることを極端に恐れたり、さらに減量しようとしたりするものです。

 

神経性やせ症の中でも2種類に分類されます。

 

●摂食制限型

食べることを極端に制限する

 

●過食/排出型

自分で嘔吐する、緩下剤や利尿剤を繰り返し使用する

 

★特徴
  • 極端な、やせたいという願望
  • 太るという恐怖心
  • ダイエットや食欲不振がきっかけとなる
  • 10歳~19歳位が最も多くい
  • 90%が女性

 

★BMI

BMIという、体格指標で客観的に自分の体格を示す指標があります。

 

■計算方法

体重(Kg)÷(身長(m)×身長(m))

 

  • 17以上:軽度
  • 16~16.99:中等
  • 15~15.99:重度
  • 15未満:最重度

 

★症状
  • 初期は、痩せているのに、活発に動き回る
  • 徐々に筋力低下にともなって、疲れやすくなる
  • 低血圧、低体温、心拍数低下、便秘、むくみ
  • 無月経
  • 皮膚の乾燥

 

4.神経性過食症

いわゆる過食症は、医学的には、神経性過食症神経性大食症と呼びます。

 

食べることが自分でコントロールできない状態です。

 

時間に関係なく他の人よりも多くの食べ物を摂ります。

 

そして、今度は嘔吐や緩下剤や利尿剤を使って、体重を減らすようなことを行いますが、人前では出ない症状なので、周囲の人は気が付かないことがあります。

 

自分でも病気だとは思っていないことが多く、治療を受けない状態が続くと、うつや不安が強まったりします。

 

★特徴
  • 20~29歳位に多い
  • 90%は女性
  • 拒食症から移行するケースが多い
  • 大量の食べ物を一気に食べて、自己嫌悪に陥る
  • 体重の急激な増減
  • おう吐や下痢を起こす

 

★過食の頻度
  • 週に13回:軽度
  • 週に4~7回:中等度
  • 週に8~13回:重度
  • 週に14回以上:最重度

 

★症状
  • 唾液腺の腫れ
  • 歯の表面が胃酸で溶けている
  • 不整脈
  • 低カリウム血症

 

5.過食性障害

大量の食べ物を短時間に詰め込むようにして食べるもので、むちゃ食いとか大食などといわれているものです。

 

過食性障害は、神経性過食症と違って、自分で嘔吐することや緩下剤を使うなどの行為はせず、痩せ願望や肥満恐怖などはあまりない、ということが特徴です。

 

イヤな気持ちやストレスを和らげるために、脂肪糖分を含む食事を多く摂ることを繰り返し、高脂肪・高炭水化物の身体になってしまいます。

 

そうなってから、通常の食事に戻したり、ダイエットを行うと、身体が今度はそれをストレスと錯覚して、ネガティブな感情や意欲の低下などが起こり、不安を消すために過食を衝動的に行うという悪循環です。

 

★特徴
  • 食べ方が早い
  • 苦しい位食べ続ける
  • 空腹感がないときでも、大量に食べる
  • 他の人に大食いをみられないように一人で食べる
  • 後から、自己嫌悪、うつ、罪悪感がでてくる

 

★症状
  • 高血圧
  • 肥満

 

6.摂食障害になる原因は?

摂食障害の原因は、人によって様々です。何によって起きているかを知りましょう。

 

○過度なダイエット

ほとんどの人が、摂食障害になってしまうきっかけは、ダイエットだといいます。

 

発症する人のほとんどが、痩せ願望が強く、標準体重でも「もっと痩せたい!」という気持ちが強くあり、極端なダイエットに走ってしまうのです。

 

軽い気持ちで食事制限などしていて、だんだんエスカレートしていき、やがて食べることに

恐怖心が出てきて、拒食症になったり、反動で過食症になったりすることも少なくありません。

 

根底にコンプレックスが強くあるので、身体に対する危機感が薄く、症状を悪化させてしまいます。成長期の摂食障害は、無月経などを引き起こし、後々ま、悪影響を及ぼすこともあります。

 

○ストレス

下記のような心的なストレスが引き金になって起こることが多いです。

 

  • 自分の体型や体重に対するコンプレックス
  • 両親の不仲、別居、離婚など家庭環境によるもの
  • 職場や学校での人間関係からくるもの
  • 上司から自分の能力以上のものを要求されていると感じる
  • 受験などで親から過度に期待されていると感じる
  • 親がいちいち干渉してくる

 

○低血糖症

摂食障害は、心の病気だと考えられていましたが、最近の研究で、低血糖症から引き起こされることが明らかになってきました。

 

●低血糖症とは

糖分を多く摂ると、血液中の糖分の値(血糖値)が急激に上がって、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが出ますが、それが過剰に分泌されて、不安感、恐怖心、頭痛など様々な症状を引き起こす病気です。

 

●低血糖症からなぜ摂食障害に?

糖分を多く摂ると、血糖値が急激にあがり、インスリンも過剰に分泌されることになり、そうなると血糖値が急に下がってしまいます。

 

このように血糖値がジェットコースターのように上がり下がりすることが原因だと言われています。

 

血糖値が急激に下がると、脳に糖分をまわすことができなくなり、脳は強い危機感を感じアドレナリンを分泌して、生きるために食べるのだ!と緊急の指令を出すことになります。

 

これは非常事態だ、とそれに反応して、自分で自分がコントロールできず、我を忘れて目の前にある食べものを全部食べるという事態になります。

 

さらに、身体の様々な機能を正常に働かせる役割をもつ自律神経が乱れてしまうので、どれだけ食べても満腹感が得られず、過食がエスカレートしてしまうのです。

 

○愛情・自尊心の不足

親の育て方が原因で摂食障害を引き起こすことがあります。

 

  • 親が子どもを押さえつけてしまう
  • 親が子どもを監視するような状態にある
  • 親が子どもに過度に期待をかける
  • 父親が育児に参加しなかった
  • 家族から「太った」などと言われたことが引き金になる
  • 家族の期待に応えようとする
  • 親からよく見られたいと思う
  • 自分はダメな人間だ、などと思い自己評価が低い

 

○成長への不安

10代は、成長期ですから、自分の体重や体型に過敏になりがちです。

 

  • 標準体重なのに、もっと痩せなければ、と思い込む
  • 体重が増えると嫌われると思い込む
  • 他人から嫌われることに恐怖心がある

 

必要以上に食事制限を行うことで、拒食症を引き起こしてしまいます。

 

体が十分に成長していないときに、摂食障害を起こすと、脳の萎縮、無月経など内分泌の変化など、身体の変化、精神的変化などの、後々深刻な合併症を起こすことがありますので、注意が必要です。

 

7.摂食障害の人の共通点

摂食障害を起こす人には、共通点がいくつかあります。

 

完璧主義な人

摂食障害の人は、「こうあるべき」「こうでなければいけない」というような意識がつよく、完璧を求める傾向が強いです。

 

結果的に自分を追い詰めてしまうのです。

 

自分に自信がない人

自分の自己評価が低く「人より劣っている」「自分はダメな人間だ」などと思いがちです。

 

自信を持ちたいためにダイエットをはじめて、目指す体重に近づくことで自尊心を満たしていると、それにのめり込んでしまい摂食障害を起こします。

 

また、自分に自信が持てずにいると、他の人の意見に振り回されてしまい、どうしていいかわからなくなります。

 

人がいないところで摂食障害を悪化させてしまいます。

 

「いい子」でいたい人

小さな頃から親の言うことをよくきく「いい子」です。

 

親からよくみられたい、きちんとしなくては、という気持ちがあり、それは自分の願望を押さえつけることになり、ストレスがかかります。

 

ストレス発散が下手な人

ストレスを自分の中に溜め込んでしまい、発散できずにいると、つらい気持ちのはけ口として、過食に走ってしまうのです。

 

8.摂食障害の治し方、予防法は?

治療は、単に体重を増やすということではなく、年齢相応の体力がつき、自分で判断して行動ができるかどうか、そして規則正しい食習慣を得ることです。

 

本人と家族が摂食障害という病気をきちんと理解して、それに向き合う必要があります。

 

相談できる専門医を見つけることが大事です。

 

●神経性やせ症

本人は、病気であるという気持ちがあまりないため、受診したがらないかもしれません。

 

現在の低体重や低栄養が心にどう影響しているのか、などを知る必要があります。

 

体重や月経が回復するには、年単位の時間がかかります。

 

死亡率も620%で、他の精神病よりも高くなっており、極度の栄養失調での衰弱死、不整脈、感染症、自殺などが主な要因です。

 

治療では、認知行動療法、家族療法、薬物療法などを行い、以下の3つの改善を行います。

 

  • 食行動の改善
  • 身体面での改善
  • 心理面での改善

 

特に食事は、規則正しく三食摂る必要があり、段階的に増量していきます。

 

葛藤や抵抗の中、行っていくので家族や学校(職場)の協力が必須です。

 

栄養状態が改善すると、身体面だけでなく、精神的にも改善を見ることができます。

 

外来で通院治療を行いますが、体重が著しく低い場合、また全身の衰弱が激しい場合は、入院する必要があります。

 

また精神状態によっても入院する場合があります。

 

●神経性過食症

自分では、過食を止めたいという気持ちがありますが、過食する以外は、ほとんど絶食の状態なので、過食だけを止めるわけにはいきません。

 

過食を止めさせるよりも、食事を三食規則正しく摂り、食べることをコントロールする感覚を取り戻すことを目指します。

 

毎日の生活パターンを共有して、生活リズムを決めていき、必要があれば、薬物療法も行います。

 

外来での通院治療ですが、生活リズムが改善できない、身体症状が強い、うつ状態が強い、などの場合は、入院治療をすることもあります。

 

●過食性障害

自分で摂食障害だと思っていないことが多いため、なかなか受診に結びつきにくいです。

 

過食により、肥満などの生活習慣病などを引き起こしている場合が多いので、その治療に当たります。

 

内面に羞恥心や孤独感、自己嫌悪などの気持ちがあるので、心療内科などでじっくり相談するのがいいでしょう。

 

治療には以下のような方法があります。

 

  • 減量プログラムによって体重管理する
  • 認知行動療法を行う

 

9.摂食障害は何かを受診すれば良いの?

摂食障害は、専門医に受診するのが一番ですが、その専門医が何科をメインにしているのかで対応が様々です。

 

症状別の受診科の例を紹介します。

 

★精神科

うつや不安感の強い場合は、精神科を受診しましょう。生きることがつらい、自傷行為などがあった場合はここへ。

 

★内科

体に衰弱がでているようならば、内科を受診して、体の状態を観察しつつ摂食障害の治療をします。摂食障害かどうかわからない、という場合もここへ。

 

★心療内科

うつ病や精神症ではなく、心に問題がある場合は、心療内科がいいでしょう。人間関係などのストレスで摂食障害を起こしている場合などです。

 

★小児科

15歳以下の場合は、小児科を受診します。幼児や子どもでもでることがあります。

 

10.最後に

日常生活では、イライラしたり、ストレスを抱えることは多くあります。

 

その際の発散方法として、美味しいものをたくさん食べるという人は多いと思います。

 

そのことと摂食障害との違いは紙一重です。

 

自分では気が付かないうちに、摂食障害になってしまっていることがあります。

 

周囲の人と関わり合いをもち、気が付いたことを言い合える関係を作っておくことがとても大事なことです。

 

何か不安があるようならば、受診して相談してみましょう。

 

※この記事を監修して頂いた専門家の方

女性ドクター 監修:南部 洋子(助産師、看護師)

●資格:助産師・看護師・タッチケアシニアトレーナー
株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
※監修している内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、監修者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。

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南部 洋子

南部 洋子

【保有資格:看護師/助産師】医療職としての視点をわかりやすく解説し、読む人にとって納得のいく記事になればと思っています。

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