【顔のむくみがとれない!】原因と解消法・予防法を看護師が伝授!
この記事の執筆専門家
助産師 保健師 看護師 座波朝香 (株式会社とらうべ)
病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通。
※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
朝起きて顔がむくんでいる!
そんな経験は誰にでもありますよね!
大切な日に限って顔がむくんでいたり…顔がむくむ原因とすぐに使える解消法、むくまないための予防法を伝授します!
2.顔がむくむ原因ってなに?
むくみは、余ってしまった水分が体内で巡らずに滞ることで起こる症状です。
身体の水分は、絶えず全身を巡っていて、必要なところで使われます。
寝ている間の姿勢は、頭と足の高低差がない状態です。
ですから、立っていれば頭から足元へと巡っていきやすい水分が、横たわっていることで、上半身に水分が溜まってしまうため、朝のむくみは顔に出やすいのです。
とくに、目の周りの組織は水分が入り込むスペースが多いので、むくみが現れやすいです。
それでは、どうしてむくむのか原因を紹介します。
○お酒の飲み過ぎた
お酒を飲むと、トイレが近くなりますよね?
これは、アルコールには利尿作用があるからです。
アルコールは水分だから、と思っていても、どんどん排出されてしまうので、身体は脱水症状になります。
また、アルコールを解毒するためには、身体の水分がたくさん使われます。
そのため、血管の中の水分も使われて血液が濃くなってしまいます。
すると、血液の濃度を元に戻そうと、身体中から血管の中へと水分を一気に引き込もうとすることで、血液の流れが滞りむくみがでます。
また、脱水症状を緩和しようと、どんどん水分を摂取してしまい、余分な水分が溜まってしまうこともむくみの原因となります。
○塩分を摂りすぎた
例えば、ラーメンやカレーライス、ファーストフード、コンビニ食などで、塩分を多く摂った後は、身体中の塩分の濃度が濃くなってしまいます。
それを薄めようと、より多くの水分を留めておこうとしてしまい、その結果むくみが発生します。
○血行不良
以下の症状の中に思い当たることはありませんか?
- 運動不足で筋力が…
- 肩こりがひどい
- 冷え性
- ストレスを感じている
- 寝不足
このような事があると、身体がこわばって緊張状態だったり、筋力が衰えていたりするので、血行が悪くなってしまいます。
血行が悪いと、水分も滞りやすくなり、水分の巡りが悪くなっている状態が積み重なることで、むくみやすくなります。
○生理によるもの
女性は生理の3~10日前くらいは、むくみが起きやすい時期です。
月経周期に関連したむくみは、月経前症候群の症状の一つとも考えられます。
なぜ、月経前にむくみがおこるのか、医学的な理由が実ははっきりしていません。
月経前のホルモンバランスが影響していることが一説として考えられています。
○病気によるもの
心臓や腎臓、肝臓の病気、薬の副作用によって、むくみが現れることもあります。
3.顔のむくみの原因別!今すぐできる解消法!
○お酒を飲みすぎた
お酒を飲みすぎた次の日の朝、顔はむくんでいても、身体は脱水傾向の状態です。
そこで、以下の二つのポイントを試してみましょう。
水分をたっぷり摂る
脱水傾向にあってむくんでいる朝の尿は、濃くて量が少ないことがあります。
排泄のときには、薄い色の尿がしっかりと出ていることが確認できるまで、こまめに水分を摂るようにしましょう。
身体で吸収されやすい飲み物を飲む
ただの水よりは、多少の糖分や塩分がある方が、身体に吸収されやすいのでおすすめです。

●飲み過ぎによるむくみにオススメの飲み物
・スポーツドリンク
・経口補水液
・グレープフルーツジュース(果汁100%のものが良い)
・シジミのみそ汁
お味噌汁をひたすら飲む!というのではなく、お味噌汁を飲みつつ、水も飲む、というようなイメージです。
○塩分を摂りすぎた
塩分を摂りすぎると、その分水分も摂りたくなります。
塩分過多には、カリウムを意識して取るようにしましょう。
カリウムは、身体の過剰な塩分や水分の排泄を助けてくれます。

●カリウムを多く含む食品
・バナナ、キウイフルーツ、アボカド
・ほうれん草、サツマイモ
・わかめ、納豆
○血行不良
血行が悪くなっていることから起こるむくみには、まずは血行をよくすることを意識しましょう!
運動習慣をつくる
運動不足で筋力が衰えていると、血液を巡らせる力も衰えるので、血行が悪くなります。
できるだけ、運動習慣をつくりましょう。
例えばエレベーターではなく階段を使うようにする、ひと駅分歩いてみる等、身近なことから取り入れてみましょう。
顔や身体を動かす
身体を目覚めさせるとともに、寝ているときに起こった顔や身体のコリを解消してあげましょう。
ベッドから出るとき、トイレに入るとき、鏡の前に立ったときなど、ちょっとしたときに身体を動かすようにします。
以下のような運動がオススメです。

●健康不良によるむくみにオススメの運動
・首まわし
・手を上に挙げて背伸び
・口を「アー」「オー」と大きく開ける など
首から鎖骨にかけてのマッサージ
本格的にマッサージをやろうとすると難しく思えますが、手軽にできる方法もあります。
以下のような簡単なマッサージを、まずは試してみましょう。

●むくみに効くマッサージの方法
・耳の下あたりから、鎖骨に向かって、なでるようにすると、滞っていた水分の流れを促すことができる。
・耳たぶの後ろからアゴ下に向かってなでる。なでるとき、気持ちが良いと思うくらいの圧をかけるのがよい。
・朝にシャワーを浴びるとき、身体を洗うついでに洗浄剤で滑りやすくなった手のひらでマッサージする。
・洗顔後に首の保湿をするついでにマッサージをするとよい。
起きたら1杯の白湯か、ぬるま湯を飲む
冷えを感じている人は、飲み物で身体を温めると良いでしょう。
胃腸が動き始めることで血行も良くなり、むくみの解消につながります。
目を温める
睡眠不足によって目まわりの血行が悪くなるため、むくみは目にも現れやすいものです。
顔を洗う前に、お湯で濡らしたタオルを絞って目を覆い、1~2分ほどアイマスクをしましょう。
目の周りを温めて血液の流れを良くすることで、むくみの改善を目指しましょう。
○生理によるもの
生理前のむくみには、前述の首から鎖骨にかけてのマッサージで、血流とリンパを流してあげましょう。
また、大豆製品を撮るのも良いでしょう。
大豆製品には、女性ホルモンに似た働きをする成分「大豆イソフラボン」と、むくみを予防してくれる「カリウム」が含まれているので、ホルモンバランスに関係するむくみ等の症状を緩和してくれると言われています。
○病気によるむくみの解消法
むくみの症状が続くときや、急激なむくみ、むくみ以外の症状に気を付けましょう。
例えば、朝起きて顔がむくんでいるだけでなく、体重が数日のうちに急激に数キロ増えているときや、手足にもむくみがある、息苦しさがある、尿が出ない、などの症状に要注意です。その場合は、内科を受診してみることをおすすめします。
4.顔のむくみの予防法は?
できることなら、むくみ知らずのスッキリした朝を迎えたいものですよね。
生活習慣を改善して、防げるむくみは防ぎましょう!
○お酒を飲むときの水分と食べ物に気をつける
お酒を飲む前に、水を飲んだりおつまみを食べて、アルコールが一気に吸収されてしまわないようにしましょう。
また、お酒を飲み始めてしまうと、次々とお酒が欲しくなってしまい、アルコールは摂取しているけど、水を飲んでいないことが多いですよね。
「お酒を注ぐとき」「追加注文するとき」など、タイミングを決めて、水を飲みながらお酒を飲みましょう。
塩分や脂質の多い唐揚げ等は避け、自分で味の調節が出来る冷奴や、おつまみの素材そのものがみえる枝豆等がいいでしょう。
- お酒を飲む前に水を飲んだり、おつまみをつまんでおく
- 水をこまめに飲みながらお酒を飲む
- 塩分控えめのおつまみを選ぶ
○薄味に慣れる工夫
コンビニ弁当やファーストフード等、味付けの濃いものに慣れてしまっていませんか?
自炊する人もそうでない人も、以下のポイントを意識してみましょう。
- ラーメン等、汁物の麺類を食べるときに、汁は飲み干さずに残すように心がける
- 食卓に、醤油やソースを置かない
- 味が薄いと思ったら、コショウや七味唐辛子をふりかける
- 汁物や煮物はしっかりとだしをとる。
- 和え物などの副菜の味付けには酢やレモンを使う。
- ハムやベーコン等の加工食品の食べ過ぎに気をつける
○お風呂に入る習慣をつくる
血行を良くすることは、むくみ予防の近道です。
特にこんな人は積極的に入浴しましょう。
- 身体が冷える
- 肩がこる
- 寝つきが悪い
- 寝ていても朝起きたときに寝不足感がある
むくみがある人は、風呂に入って身体を温めてから寝るようにしましょう。
シャワーだけで済ませてしまう習慣の人は、風呂を沸かす習慣をつくるところからです。
5.まとめ
朝起きて顔がむくむときの原因は、必ずしも一つとは限りません。
病気ではなく一時的に起こっているむくみでは、むくみやすくなる生活習慣の積み重ねや、一時的な身体への負担で起こっています。
「むくんだ!」という経験をしたそのとき、昨日やここ数日の生活の様子を振り返ってみましょう。
これまでに説明したような原因で心当たりはありませんか?
むくみ解消の簡単なマッサージを試したあとは、むくみを予防する生活習慣を試してみましょう!
※この記事を執筆いただいた専門家の方
執筆:助産師 保健師 看護師 座波朝香
病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通。
ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。
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