【管理栄養士が伝授!】睡眠サプリの選び方と摂取のポイント
1.はじめに
インターネットの普及や24時間営業のお店が増え、日中に活動し、夜に眠るという生活環境は変わりつつあります。
最新の国民健康栄養調査における睡眠状況の結果でも、睡眠で十分な休養が取れていないと感じている人の割合は年々増加しています。
そこで、眠りづらいときに手軽に試すことができるサプリメントですが、どのように選んだらいいでしょうか?
2.「眠りづらい」にはタイプがある?!
「眠りづらい」とひと口に言っても、いくつかのタイプがあります。
まずは自分のタイプを知ることが大切です。
①.入眠困難
寝つきが悪い。
最低30分以上、人によっては毎晩何時間もベッドの中で眠れないでいます。
ストレスや心配ごとがあったり、慢性不眠症の場合に起こりやすくなります。
②.途中覚醒
通常、ひと晩に2回以上目が覚めてしまう。
目が覚めてもすぐ眠れるとあまり問題はないのですが、なかなか眠れないこともあります。
ストレス、飲酒の影響、悪夢、過労などで起こりやすくなります。
③.早朝覚醒
寝つきはよいものの、いったん寝ても必要以上に早く目が覚めて、それから眠れなくなるタイプ。
熟睡が得られにくくなります。
うつ病などの精神疾患、体内時計の乱れなどで起こりやすくなります。
④.熟眠障害
眠りが浅く熟睡できない状態。
眠っているのか覚めているのかわからなかったり、夢ばかり見ると感じます。
高齢者や神経質な人に起こりやすくなります。
このように、不眠のタイプも理由もさまざまです。
その原因を解決するのが一番ですが、それは簡単なことではありません。
そんなとき、眠りづらさの解消を助けてくれるのがサプリメントです。
睡眠薬のように副作用の心配が少なく、手軽に試すことができるのがメリットです。
3.睡眠に関わる栄養素
睡眠に関わる栄養素は大きく次の2種類に分類されます。
●体内リズムの安定
体内リズムの睡眠に関わるスイッチになるのは、脳内伝達物質「セロトニン」と「メラトニン」です。
朝、太陽の光をあびると「1日の始まり」のスイッチが入り、覚醒に働く「セロトニン」が分泌されます。
そして、覚醒モードが14~15時間続くと、睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され、睡眠モードに入ります。
このふたつの物質の原料になっているのがトリプトファンです。
●神経の安定
神経が過敏な状態は良い睡眠を妨げる大きな要因です。
そのため、脳内でリラックスに働くものに、アミノ酸のGABA(ギャバ)やテアニン、神経の円滑な働きに関わるカルシウムやビタミンB群などがあります。
また、ハーブ類にもリラックスに働くとされているものがあります。
カノコソウやラベンダーなどは、精神の安定に働く有効性が確認されています。
ただし、リラックスへのハーブ効果は、ヒトの感度や嗜好によっても変わるため、有効性だけでなく自分に合うものを見つけるのも良いでしょう。
4.睡眠サプリを選ぶポイント
数あるサプリから自分に合ったものを選ぶには、まずは自分の「眠りづらさ」のタイプを知りましょう。
そして、サプリを選ぶ際には次の3つを確認してみてください。
- 有効成分の特徴を知る
体内リズムを調整するのか神経の安定が必要か、効果的な栄養素は自分のタイプによって異なります。
また、ハーブ類の相性は個人差があります。
どんな働きが期待できるのかを確かめるようにしましょう。
- 有効成分と一緒に摂りたい栄養素
体内リズムを調節するタイプでは、トリプトファンがセロトニンやメラトニンに変わるのを助けるマグネシウムやビタミンB2、B6を一緒に摂るといいでしょう。
神経の安定にカルシウムやアミノ酸が働くためには、ビタミンB1、B2、B12、ビタミンDなどを一緒に摂るといいでしょう。
- 形状の確認
睡眠サプリは主に、錠剤かドリンクタイプです。
錠剤タイプは即効性ではなく継続的に摂ることで体内リズムを整えます。
これに対して、ドリンクタイプは吸収が早く即効性が期待されるので、リラックス効果を期待するとき利用するのがおすすめです。
5.睡眠サプリを摂るときの注意点
良い睡眠につなげるために、サプリを利用する際には次のことに気をつけましょう。
●必ず一緒に生活習慣の見直しを
これまでにも解説したように、睡眠サプリは体内リズムを整えることを助けたり、ストレスを緩和するのに働きます。
「眠らせる」わけではないことを理解しておかなければいけません。
たとえば、昼夜逆転、飲酒や大きなストレスなど、生活習慣を乱す大きな要因がある場合には、それを解消したうえでサプリメントを併用することで、生活の改善をはかることができます。
●継続して変化を評価する
体内リズムはすぐに変化するものではありません。
サプリメントを摂ったその日の眠りだけを評価するのではなく、少なくても1か月程度は継続して睡眠状態の変化をみていくようにしましょう。
良い睡眠は良い生活リズムを作ります。
今、眠りづらいと感じている方は、サプリメントを上手に活用しながら生活リズムを見直し、睡眠と覚醒の良い循環を作りましょう。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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