理想の睡眠時間って?/自分の睡眠周期を知ろう!
この記事の監修専門家
かんたんに言うと…
- 人には人の理想の睡眠時間
- 寝起きの良さで1日のパフォーマンスが決まる
- 朝のスッキリとした目覚めを手に入れるには...?

あなたは普段どれくらいの睡眠時間を取っていますか?
6時間でしょうか?はたまた3時間でしょうか?日常の疲れを癒すために、たまには時間を気にしないで寝たいと思われるかもしれません。
しかし、いざ、休みの日などゆっくりできるときに、いつもよりも睡眠時間を取ってみるとどうでしょう?
「休みだから、いつもより寝たけど、疲れが取れた気がしない!」
「寝ても寝ても寝足りない!もっともっと寝ていたい!」
そんな風に感じている人もいるのではないでしょうか?
人には睡眠の個人差により、それぞれ理想の睡眠時間があります。
そのため、疲れを取ろうと、いつもより長く寝ても、理想の睡眠時間をオーバーしてしまっていた場合、返ってぐったりしてしまい逆効果だった!なんてこともあったりするのです。
睡眠は、1日の身体の疲れを癒し、次の日に繋げる大切な時間です。
自身の身体のメンテナンスを最大限に引き上げる、あなただけの最適な睡眠時間を見つけましょう!
1.『8時間眠れば大丈夫』は間違い?

理想の睡眠時間は“8時間”なんて話をよく聞きますが、これは医学的な根拠は無く、多くの人が6~9時間眠るというデータから取った、平均睡眠時間と言えます。
※単純に1日の3分の1は寝るべき!という昔からの言われもあるようですが…
ちなみに、日本人の平均睡眠時間(平日)は、7時間15分と言われています。
しかし、この平均時間より長くても短くても、気を落とす必要はありません。先にもお伝えしましたが、人には人の理想の睡眠時間があります。
大事なことは、あなたが健康な毎日を過ごす上で、自分にとって充分な睡眠時間が取れているか。そして、自身の睡眠に満足できているか、という点なのです。
2.睡眠のメカニズムについて

理想の睡眠時間を知るためには、まず最初に睡眠のメカニズムを知る必要があります。
人の睡眠は、浅い睡眠である、レム睡眠と深い睡眠であるノンレム睡眠の2種類があります。人はこの2種類の睡眠を、入眠してから、睡眠周期と呼ばれる一定の周期を一晩の内に繰り返し、覚醒(起床) へと向かっていきます。

ノンレム睡眠は脳の休息と言われ、脳を含めて身体全てが休息をとっている状態になります。この時間に脳は1日の疲れを取り、明日からの情報処理を正しく行えるように休息を取ります。また、成長ホルモンと呼ばれる、全身の細胞を修復し新陳代謝を活性化、免疫力も強化するホルモンの一種をこの時間に最も分泌します。
一方で、レム睡眠は身体の休息と言われ、脳は活動して、身体は休息をしている状態になります。脳は活動をしているため、情報の整理、記憶の定着などを行う時間になります。さらに、ノンレム睡眠中に分泌された成長ホルモンは、この時間を利用して、体中の至るところのメンテナンスを行います。
ちなみに、この睡眠周期には個人差はあるものの、平均的に90分程度で1セットになります。睡眠の効果に関しては、別記事でより詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください!
関連記事 睡眠の効果とメカニズム/知っておくべき基礎知識まとめ
3.理想の睡眠時間の個人差について
理想の睡眠時間には個人差があると言いましたが、個人差が表れるのが「睡眠体質の違い」と「睡眠周期の違い」です。
3-1. 睡眠体質の違い

世の中には、その人が健康に保つ『健康』で『美しい』毎日を過ごすのに必要な睡眠時間によって、3つの体質に分類することができます。
●ロングスリーパー (全体の5~10%)
→毎日9時間以上の睡眠を必要とする人
●ショートスリーパー (全体の5~10%)
→毎日6時間未満の睡眠でも健康被害、その他弊害がない人
●バリュアブルスリーパー (全体の80~90%)
→ロングスリーパーとショートスリーパーの中間層。毎日6~9時間の睡眠をする人
「我輩の辞書に不可能という文字は無い」でお馴染みのナポレオンは、3時間睡眠でも平気だったとか。
その一方で、相対性理論を確立したアインシュタインは、10時間以上の睡眠をしていたと言われています。
この3つの睡眠体質の違いの根底には、ノンレム睡眠があります。ショートスリーパーはロングスリーパーに比べて、ノンレム睡眠の質が良く、また睡眠時間の中でのノンレム睡眠が占める割合が多く、短時間で脳や身体を休めることができています。
3-2. 睡眠周期の違い

レム睡眠とノンレム睡眠の2種類の睡眠のサイクルの事を、睡眠周期と言いましたが、これにも個人差があります。一般的に睡眠周期は90分と言われてはいるものの、短い人だと70分の人もいれば、長い人だと110分にもなる人がいます。
ここで、睡眠周期と理想の睡眠時間の関係性の鍵を握るのが、レム睡眠になります。人はノンレム睡眠中に起床すると“睡眠慣性"が働き、スッキリと目覚めることができません。
睡眠慣性とは簡単に言うと“半分寝ている"状態のことです。目は覚めてはいるものの、脳が完全に起きているわけではないため、眠気が残る、身体が重いと感じる、判断力が著しく低下する、などの影響が出ます。
また、睡眠慣性の強弱は、起床直後の睡眠の深さが関係しています。深い睡眠であるノンレム睡眠中だと、睡眠慣性は強く現れ、悪いケースだと1日中ボーッとしてしまうこともあります。逆に、レム睡眠中ですと睡眠慣性は弱く、眠気を引きずることなくスッキリと目覚めることができ、日中も集中力を持って過ごすことができるのです。
4.理想の睡眠時間を見つけよう!
“睡眠体質”と“睡眠周期”の2つの要素がありますが、今回は、自身の睡眠周期を把握する方法を伝授します。自身の睡眠周期を把握することで、睡眠慣性が強く働かないレム睡眠中に起床し、1日のパフォーマンスや気分を上げましょう!
「ロングスリーパーからショートスリーパーになりたい!」と思った方も多いのではないかと思いますが、これはあくまでも体質的な問題なので、これから変えていこうとすると、身体に負担をかけてしまい、かえって普段の生活に支障きたす場合もあるのです。
4-1. 自分の睡眠周期を把握する

睡眠周期とは、ノンレム睡眠とレム睡眠を1つのセットとした時間のことを指しています。まずは、自分の睡眠周期を把握することが重要です。
起床時間を固定して、就寝時間を少しずつずらしていくことで、自分で自分の睡眠周期を簡単に見つけることができます。
下記のステップに沿って、自分の睡眠周期を調べてみましょう。
<<睡眠周期の調べ方>>
① 起床時間を固定する。
② 就寝する時間をメモしておく。
※初日を基準時間とします。
③ 起床したら、睡眠時間と目覚めの良さをメモしておく。
④ 基準時間から15分毎に前後にズラし、気持良く目覚められる時間帯を探す。
⑤ ②→④を繰り返して、自身の睡眠周期を見つけます。
最初は、平均値である、90分を目安に、就寝時間を逆算すると良いでしょう。
ちなみに、レム睡眠中に起こしてくれる目覚ましアプリもありますので、こちらも合わせて、活用してみるといいかもしれません。
4-2. 理想の睡眠時間は睡眠周期の倍数!

自分の睡眠周期がわかったら、あとは簡単に理想の睡眠時間を算出することができます!調べてわかったあなたの睡眠周期の倍数があなたの理想の睡眠時間となるわけです!
起床時間を決めたら、自分の睡眠周期の倍数の時間が睡眠時間になるように逆算して、就寝してみてください!
(例)Aさんの場合
●睡眠周期:90分
●起床時間:7:00
●睡眠時間:7時間30分(=450分)
※睡眠時間は日本人の平均である約7時間30分(=450分)としています。
Aさんの睡眠時間7時間30分(=450分)は、自身の睡眠周期90分のちょうど5倍の時間になりますので、睡眠周期5回目の終わる頃に起きられるようにすれば良いのです。
なので、起床時間7:00の7時間30分(=450分)前の23:30に眠ることで、睡眠慣性がほとんど無いレム睡眠中に、スッキリと目を覚ますことができるわけです。
5.まとめ

実は、睡眠時間と寿命には密接な関係があると発表されています。
その研究発表によると、1日6時間半~7時間半の睡眠をとっている人が長生きをしているという結果が出ているそうです。さらに、1日10時間寝ている人は、4~5時間の人よりも寿命が短いという、興味深いデータもあります。
しかしだからといって、10時間寝ている人が突然7時間睡眠に切り替えても、身体に負担がかかり、逆に寿命が短くなることにも繋がりかねません。
一番大切なのは、自分に合った理想な睡眠時間で毎日眠るということなのです。
あなたの睡眠がより良いものになることを願っています。
※この記事を監修して頂いた専門家の方 監修:株式会社とらうべ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※監修している内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、監修者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
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