腸内フローラとは何か?腸内環境が簡単に分かる検査方法やチェック術、対策を紹介!
目次
なぜこの記事を書いたか?

腸の健康をテーマにしたテレビ番組や美容雑誌などで良く目にする「腸内フローラ」という言葉。「腸内フローラ」は、近年急速に健康のキーワードとして認知されつつあります。
腸内フローラとは何か?
詳しくは後述しますが、簡単に言えば人それぞれ違う腸内細菌の集団ことです。
そんな中、なぜ腸内フローラについて記事を書こうと思ったか、
理由は、2点あります。
1.腸内フローラについて正しい情報を提供する
2.自分自身の腸内フローラをチェックする方法について知って頂く
腸内フローラに関する正しい知識を得た上で、
今回は、特に2.の腸内フローラのチェック方法と、
その対策方法を知っていただきたくこの記事を書きました。
この記事を書いた一番の理由は、腸内フローラのチェック方法
それは多くのサイトが腸内フローラの知識や改善方法の情報に終始しており、
腸内フローラの『チェック方法』についてまとめられたサイトが少なかったからです。
健康チョキンでは自分の身体は自分で守るという、
セルフメディケーションをとても大事なコンセプトにしています。
腸内フローラを良好に保つためには基本的な知識や、食事やサプリメントなどで補うことも重要なのですが、なによりも大事なのは腸内フローラが整っているかどうかを、自分自身でセルフチェックできるようになることです。
前置きが長くなりましたが、まずは腸内フローラの基本知識から学んでいきましょう。
1.そもそも腸内フローラって何?

そもそも腸内フローラとは何か?
腸内フローラは、簡単に言えば腸内細菌の集団のことです。人それぞれ腸内に棲息する腸内細菌の種類やバランスがフローラ(お花畑)のように異なることから腸内フローラと呼んでいます。
腸内フローラを難しい言葉で表すと腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)とも呼ばれています。叢とは草むらの意で、人それぞれ固有にもつ腸の中に住む細菌たちの生態系のことを指しています。
最近の研究により、腸内フローラの腸内細菌は1000種類以上、個体数でいえば約1000兆個にもなるということが分かっています。
2.腸内フローラが今注目されている理由

それは近年の研究によって腸の働きがヒトの健康・美容にとって欠かせない臓器であると解明されているからです。そして、その腸の健康を保っているのが腸内フローラなのです。
これまで消化、吸収、便を作るといった役割と考えられてきた腸ですがが、最先端の研究によって健康や美容にとって下記のような重要な驚くべき潜在能力が次々と明らかになっています。
<消化・吸収以外の腸の役割>
病原菌からカラダを守る免疫活動→リンパ球の60%が腸に
身体の代謝を支える→末梢血管の55%が腸に
外部からの刺激を脳に伝える→脳以外の神経の50%が腸に
健康の身体維持に欠かせない代謝・免疫活動の中心的な役割を腸が担っているということが分かり、さらに脳から腸へ神経を通じて信号を送るだけでなく、神経が集まっている腸では腸が脳へも神経を通じて信号を伝えられることが分かっており、このことから腸は「第二の脳」とも呼ばれています。
POINT!
「まずは体の根幹とも言える腸を健康に保つ」
これが、健康の前提であり出発点であるということが最近の研究で分かってきたのです。
≪腸が健康だと期待できる嬉しい効果≫
アンチエイジング効果
ダイエット効果
免疫力アップ
アレルギーやアトピーの改善
花粉症の要望
肌荒れの改善
口臭・体臭予防 などなど
2-1.腸内フローラの中身。腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌とは
腸内フローラを覗いてみると・・・
一般に腸内細菌は、その働きから3つに大きく分類されています。
分類 | 代表的な菌 | 作用 | からだへの影響 | 理想的な割合 | |
善玉菌 | ・ビフィズス菌 ・乳酸菌 | ビタミンの合成 消化吸収の補助 蠕動運動の刺激 | 整腸作用 健康維持 免疫向上 | 腸内細菌の20% | |
悪玉菌 | ウェルシュ菌 ブドウ球菌 大腸菌 | 腸内を腐敗させる 有毒物質の産出 | 便秘 生活習慣病の引き金 | 腸内細菌の10% | |
日和見菌 | バクテロイデス 連鎖球菌 | ー | 悪玉菌が優勢になると、悪玉菌と同様に腸内で悪い働きをする | 腸内細菌の70% |
簡単に言うと…
①善玉菌
ヒトの体に有用な働きをする菌
②悪玉菌
腸内の腐敗させ有毒物質を作る菌
③日和見(ひよりみ)菌
善玉とも悪玉ともいえない菌で、その時の優勢な方に味方して作用する菌。実に全体の70%以上を占めるのが日和見菌
善玉菌・悪玉菌・日和見菌、など腸内フローラを健康に保つには腸内細菌のバランスが重要です。そして重要な鍵を握っている菌は、日和見菌です。
実は、腸内細菌のほとんどは日和見菌です。
日和見菌は実はすごくやっかいな菌で、
勢力の強い菌のみ方になるので善玉菌が優位な場合は善玉菌の性質に、
悪玉菌が優位な場合は悪玉菌の性質になります。
そのため、腸内環境を健康に保つには常に善玉菌優位の状態をつくる必要があります。
さて、腸内フローラが善玉菌、悪玉菌、日和見菌で構成されているということが分かっても、実際に自分の腸内フローラがどのような状態になっているのか?というのは分かりませんよね。
よくある情報の多くが、食品やサプリメントで善玉菌を摂って腸内フローラを改善しよう!というものですが、それよりも重要なのは今現在の自分の腸内フローラの健康状態を知ることです。
つまり、腸内フローラを自分自身でチェックするということです。
では、実際どのように腸内フローラの状態をチェックしたら良いのでしょうか?
3.腸内フローラを調べる方法
3-1.うんちチェック

腸内フローラを手軽に簡単にチェックするのに、
一番簡単な方法は毎日の便り(うんち)をチェックすることです。
排泄される便の30%は腸内細菌(細菌の水分も含めれば60%以上)なので、
便の状態は腸内フローラの状態が良好であるかどうかが、
わかりやすくあらわれているのです。
毎日、だいたい同じくらいの時間に便意をもよおし、太くて長いバナナ状の一本糞で、においがきつくなく、色は黄味寄りの便が出ていれば、健康◎です。
それ以外の固い、黒いなどの便の状況の方は、下記記事にて詳しくチェック方法を紹介しているので参考にしてみてください。便は、いわば体の状態を表す健康のバロメーターなのです。セルフメディケーションの一環としてトイレに行ったらすぐ流すのではなく、うんちチェックしてから流すようにしてくださいね。
関連記事 【あなたは大丈夫?】タイプ別うんち(大便)の状況で知ろう!私の腸内環境
3-2.便秘かなと思ったら…

便秘症の定義は1週間に3回排便がないこと。
1日排便がなくても便秘とは言わないのですが、放っておくとお腹が張ったり残便感が残ったりして気持ちも悪いですし、何より肌荒れや口臭、肩こりなどの原因にもなります。
また、高齢になると症状が重くなるのが便秘の特徴です。
便秘は、腸の中に腐敗物を溜めている状況なので、長引かせると大腸がんなどの重大な病気の原因にもなりかねません。便秘かなと思ったら下記記事で対策方法をまとめているのでチェックしてみてください。
関連記事 【便秘対策の決定版!】健康&即効性のある解消方法と原因&対策をご紹介
便秘は、腸の中に腐敗物を溜めている状況なので、長引かせると大腸がんなどの重大な病気の原因にもなりかねません。便秘かなと思ったら下記記事で対策方法をまとめているのでチェックしてみてください。
3-3.検査キット(セルフチェックツール)を利用する
出典:自宅でできる腸内細菌叢検査サービス Mykinso(マイキンソー)
腸内フローラを詳しく知るために、費用と時間はかかりますが最新の検査キットや外部のクリニックを利用するという選択肢もあります。今回は、その中でも自宅にいながら簡単に腸内フローラをチェックできる「Mykinso」を紹介します。
Mykinsoは株式会社サイキンソーが提供する、
個人向けの腸内細菌叢(腸内フローラ)検査サービスです。
以下のような項目が検査によって分かります。
<Mykinso マイキンソーで分かるチェック項目>
・太りやすさ
・腸のタイプ
・菌の多様性
・主要な細菌の割合
・腸内の菌構成
・腸内環境の推移
個人的に特におすすめなのは、腸内の主要細菌割合が分かること。
ビフィズス菌や乳酸菌割合が平均値と比較して数値データではっきり見えるのが検査キットの良いところです。
なお、腸内細菌のバランスがグラフで表示されますが、
バランスは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7が理想と言われています。
自宅でできる 腸内細菌叢(腸内フローラ)検査 『Mykinso』検査キット
4.腸内フローラが乱れることによって最も怖いのは大腸がん
4-1.腸内フローラが乱れる原因
大きな要因として、日本人の食生活の変化があげられます。
1900年初頭は野菜や穀物、魚中心で食物繊維が多く、
ビタミンやDHAなどの必須脂肪酸が豊富でした。
しかし、戦後から急激に肉類や油脂類などの
動物性脂肪の多い高たんぱく質な食生活へ変化していきました。
たんぱく質は悪玉菌の大好物です。
たんぱく質を摂りすぎると胃で消化しきれずに、
腸内で悪玉菌が優勢になって腸内フローラが乱れます。
また現代の精神的なストレスや運動不足も、
腸内フローラ悪化の原因になっているという調査が報告されています。
4-2.腸内フローラ悪化の怖さ。大腸がんの割合が年々上昇している
出典:2015年のがん罹患数、死亡数予測公開: 国立がん研究センター
上のグラフをご覧ください。ここ数十年で大腸がんが急激に増えているのがわかりますよね。こちらは国立がん研究センターの各臓器別のがん羅患・死亡数のグラフですが、大腸がんは直近で、死因の第2位までに伸びてきており、今後の統計予測でも増加傾向にあるとされています。
つまり、腸の健康を保てなくなっている人が年々増えているため、
健康番組や雑誌で腸内フローラの健康が叫ばれているのです。
関連記事 健康と美容のかなめは腸!腸活をはじめる前に知っておきたい2つのこと
そんな健康のかなめである腸ですが、
腸内フローラを整えるにはどのような対策があるのでしょうか。
5.腸内フローラを整える対策。今すぐやめたいNG行動と対策ランキング
腸内フローラを悪化させるNG習慣というのがあります。まずはこれを知ることで、
新たな対策を増やすより、現状で当てはまるものがあれば止めるor減らす対策をしましょう。
5-1.腸内フローラを悪化させるNG習慣

特に朝忙しい女性の方は特にガマンしがちですが、ガマンすると便が行き場を失って滞留することで腸内フローラが悪化し、数日続くと固まって便秘の原因となります。
無理な食事制限をすると食物繊維が不足して便が作れず、ストレスで腸内フローラが悪化してしまいます。そうなると肌荒れを起したり、ニキビが増えたりといいことはひとつもありません。無理のない計画で栄養のバランスがとれたダイエットを目指していきましょう。
病院で処方される抗生物質は、病原菌や腐敗菌だけでなく、腸内のビフィズス菌すらも殺してしまう可能性があります。日頃から内服している薬がある方はいきなり薬をゼロにすることは難しいと思いますが、医師と相談してできるだけ最低限の薬にしていくことを意識していきましょう。
5-2.腸内フローラを改善対策ランキング
第1位:ウォーキングなどの軽い運動や腹筋強化

外部から栄養を摂取するよりも、まず重要なのは運動です。
運動不足になると腹筋が弱まり腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下するため、便秘になりやすくなります。腸内フローラを悪化させる原因で最も大きいのは便秘。日本人の一番の便秘の原因は運動不足なので、適度な運動や腹筋運動をするようにしましょう。
特にウォーキングは、副交感神経を刺激してストレス解消になりますし腸の活動を活発にしてくれるのでおすすめです。
第2位:睡眠の質をあげる

腸は寝ている時間に活動するため、
腸内フローラを健康に保つには質の高い睡眠がとても大事!
特にノンレム睡眠時に副交感神経が働き最も腸が活動するので、
深い睡眠ができるように対策していきましょう。
睡眠方法を高める具体的な対策方法は、こちらをチェック!
関連記事 本当の睡眠を手に入れよう!睡眠の質を高める方法7つ
第3位:日頃の食生活の中で食物繊維、オリゴ糖を多くとる

日頃の食生活の中で、善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌)の餌になって、
腸内フローラを改善するのを手伝ってくれる食品があります。
<腸内フローラを改善してくれる食材>
・食物繊維(水溶性):ごぼう・にんじん・納豆・サツマイモ
・オリゴ糖:玉ねぎ・リンゴ・はちみつ
・乳酸菌:ヨーグルト・味噌、醤油などの発酵食品
腸内フローラを気にし過ぎて、過度に食物繊維を摂ると腸が傷つくので逆効果になることもあります。また、ヨーグルトなど高カロリーな食品もあるのでカロリー管理にも注意しましょう。
腸内フローラは、短期間で改善されるものではなく、毎日じっくり進めていくことが大事です。少しずつ毎日の食事にとりいれて、自分の腸内環境をじっくり育てていきましょう。
5-2.番外編:サプリメントで栄養を補って、直接腸内フローラに働きかける

正直5分でもいいので継続した運動と十分な睡眠をとってもらいたいものですが、
とはいっても忙しい日々の中で、なかなか毎日徹底することはできないですよね。
そんな時に腸内フローラ改善の選択肢として挙げられるのが、
サプリメントや健康食品です。
サプリメントや健康食品はあくまで「食品」ですので、すぐに効果が出るわけではありません。ただ、最近の研究成果によって腸内フローラの改善が科学的に認められた機能性食品と呼ばれる乳酸菌サプリメントも出てきています。忙しい私たちにとっては、とても心強い味方ですよね。
とはいえ、私たちひとりひとりの腸内フローラは、まったく異なる環境になっています。
そのため、一人ひとりの腸内フローラとサプリメントの相性も異なるのです。
ですから、安易に「人気サプリランキング」で選ぶことはおすすめしません。
サプリ選びを失敗してしまう原因にもなります。
では、どんなふうにして乳酸菌サプリメントを選んだら良いのか?
健康チョキンでは、乳酸菌サプリメントを選ぶときの基準をまとめています。
ぜひ参考にしてください。
関連記事 ランキングNG!乳酸菌サプリメントの正しい選び方とおすすめ商品
6.最後に
善玉菌の数が減少し腸内フローラが悪化していきますが、
日々の対策で腸内細菌のバランスを整え善玉菌が優勢な状態を作ることができます。
いつまでも健康で、肌も体型も若々しくあるためには、意識して腸を若く保ち続けることが大事です。そのためには腸内フローラを自分自身でチェックする習慣を身につけ、
運動や食事や生活習慣の見直し、サプリメントの利用で腸内フローラを改善していきましょう。
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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 専門家監修セルフチェック(11) 健康食品コーディネーター(73)
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