【看護師が伝授】身体がかゆい!その原因と、かゆみを起こさないためのセルフメディケーション

この記事の執筆専門家
看護師 助産師 青井梨花 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験がある助産師。現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。
※本記事は、助産師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
身体がかゆいと不快ですし、ほかのことに集中できないなど気になってしまいますよね。
よくみられる「かゆみ」の原因のひとつ、皮膚の乾燥に注目して、まずは、自分でおこなえるセルフメディケーションから、どうしたらよいかをお伝えします。
2.どうしてかゆみは起こるの?

まずは、なぜかゆみが起こるのかを確認しておきましょう。
実はまだ、どうしてかゆみが起きるのかはハッキリとわかっていません。
ですが多くの場合、「ヒスタミン」という物質が深く関係していることは知られています。
皮膚に何らかの刺激が加わると、細胞の中に蓄えられているヒスタミンが出てきます。
すると、ヒスタミンが皮膚の神経を刺激し、脳に伝わって「かゆみ」を感じるのです。
3.身体のかゆみの原因って?
皮膚に刺激を与えてかゆみをひき起こすものには、いろいろなものがあります。
◯さまざまな物
たとえば、食べ物、薬、昆虫、ダニやハウスダスト、植物、感染症(細菌やウイルス、寄生虫など)、皮膚への物理的な刺激(圧迫やこすれ、寒さや暑さ、紫外線、日光など)、ストレスなどです。
◯病気
かゆみでとどまらないで皮膚の病気を引き起こすことがあります。
また、かゆみの原因が実は内臓の病気だったという場合もあります。
◯皮膚の乾燥
また、皮膚の乾燥もよくみられる原因のひとつです。
なぜ、皮膚の乾燥がかゆみの原因になるのでしょうか?
皮膚は外側から身体の内側に向かって、表皮・真皮・皮下組織という3つの層からできています。
このうち、皮膚の乾燥に関連するのは表皮です。
表皮にある皮脂膜と角層と呼ばれる部分が、紫外線やアレルギーの元などの刺激から皮膚を守り、そして、皮膚の内側の水分を保っています。
このはたらきを「肌のバリア機能」といいます。
たとえば、空気の乾燥や、皮膚のうるおいが足りないことなどがきっかけとなって、バランスが崩れると、皮膚の内側の水分や皮脂が失われてしまい、肌のバリア機能が下がってしまいます。
すると、外からの刺激に対して守るものがない状態ですから、少しの刺激でも敏感に反応して、かゆみを感じてしまうようになるのです。
4.かゆみを起こさない!セルフメディケーション
◯日常生活
かゆみが起きて皮膚をかいてしまうと、さらにかゆくなって掻いてしまう、という経験をされた方も多いでしょう。
これは、皮膚をかくことでヒスタミンが多く放出され、さらにかゆみが増強されるために悪循環が起こるのです。
ですから、かゆみがあるときには掻きむしらず、冷やすようにするとよいでしょう。
その他、セルフメディケーションとして日常の生活で注意したり工夫できることは、次のようなことです。
●室内や空気への対応
- エアコンや暖房器具の使いすぎは乾燥を招くので注意
- 加湿器を使用し、湿度を保つ※特に冬
- 部屋をこまめに掃除し、ダニやカビなどを取り去る
●家事や身の回りでできる対応
- 洗濯のとき、洗剤が残らないようにしっかりとすすぐ
- シーツや下着など、肌に直接触れるものは綿100%のものを出来るだけ選ぶ
- ストレスを溜めないよう、発散できる趣味をもつ
以上のようなことに気をつけても、かゆみの症状が続いたり、発疹などほかの症状が出ているなら治療の必要なことがありますので、皮膚科を受診しましょう。
※この記事を執筆いただいた専門家の方
執筆:看護師 助産師 青井梨花
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験がある助産師。現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。
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※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。