【危険!】ひざの痛みを放置するとどうなる?
1.はじめに
ひざの痛みに悩まされることはありませんか?
ひざを痛めていても、ひざをぶつけた、など原因が思い当たる場合は様子を見ることで改善が見込めることもあるでしょう。
一方で、原因がわからなくて痛みが出た場合には、受診する必要があります。
では、受診が必要な場合にひざの痛みを放置してしまうと、どうなってしまうでしょうか?
詳しく解説します。
2.ひざの痛みの陰に潜む病気
思い当たる原因が見つからないのにひざの痛みがある場合には、次の病気が潜んでいる可能性があります。
●関節リウマチ
自己免疫疾患のひとつで、免疫システムに異常によって自分の身体を攻撃してしまい、関節に炎症や痛み・腫れを引き起こす病気です。
放置しておくと次第に肘や肩などにも症状が拡がっていきます。
中高年の女性に多く見られますが、女性特有の病気ではありません。
初期には、微熱や倦怠感がある、朝に手足の指にこわばりや腫れが出て、痛みを感じる、体重が減少するなどの症状が現れます。
さらに進行していくと、貧血や腎臓障害が出てきます。
現在は、新しいタイプの薬も出てきているので、専門医を受診することが大切です。
●痛風
尿酸が身体にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を起こす病気です。
最初は、足の親指が腫れあがります。痛みも痛風発作と呼ばれる激痛になり、10日ほど続きます。
そのままにしておくと、患部の関節が変形したり、破壊が進んでいきます。
また、激しい痛みをくりかえし、身体のあちこちにコブのような結節(肉下種)が出てきたり、腎臓が悪くなる病気でもあります。
●化膿性関節炎
おもに黄色ブドウ球菌などの細菌が関節内に侵入して、関節が化膿する病気です。
病気が進行すると、骨や関節軟骨が破壊されて、変形してしまいます。
放置すると、ひざ日常生活に支障をきたすほどの障害がひざに残る可能性があります。
以上のように、病気が原因でひざに痛みが現れることもあります。
このような場合は、原因となる病気を治療する必要があります。
一方、放っておくとキケンなひざの痛みの中には、「変形膝関節症」のように必ずしも病気が関係していないものもあります。
3.手遅れになるとキケンな変形性膝関節症
ひざの軟骨がすり減って筋力が低下し、ひざ関節に炎症や痛みが現れるものを「変形性膝関節症」といいます。
発症には、肥満、遺伝、外傷、感染症の後遺症なども関係していますが、原因として最も多いのは、関節軟骨の老化です。
男性よりも女性に多くみられ、高齢になるほど罹患率は高まります。
おもな症状は、ひざの痛みと水が溜まることです。
ひざが完全に曲がらない、伸びきらない、という状態になる可能性もあります。
ただ、ひとくちに「変形性膝関節症」といっても、進み方や症状はさまざまです。
痛みがひどいのにレントゲン写真では変形が見られない場合もあれば、逆にレントゲン写真でも相当進んでいても症状があまりない場合もあります。
治療は、自覚症状をもとに治療を行います。
4.変形性膝関節症を放っておくリスク:杖をつくことに?
変形性膝関節症は、治療せずに放っておくと、病気が進行していきます。
すると、次の症状が現れ、末期には日常生活に支障をきたし、歩行も困難になります。
●初期
- 朝起きると、歩き始めにひざの痛みや違和感がある
- 休むと痛みは治る
●中期
初期症状を放置しておくと、次の症状が現れるようになります。
- 痛みをはっきりと自覚するようになる
- ひざが完全に曲がらない、伸びきらない
- 正座や階段の昇り降りがつらくなる
- ひざの周囲が腫れて、熱感がでる
- ひざに水が溜まって、ひざが張って重くだるい
- ひざの変形が出てくる
- ひざに力がかかると、コリコリ、ガリガリという軋轢音が出る感じを受ける
●末期
そのままにしておくと、日常生活に支障が出てきます。
- 痛みのために、動きたくなくなる
- 変形が目立つようになる
- 寝ていても痛みで目が覚める
- 思うように仕事や買い物に出られなくなる
- 活動範囲が狭まり、外界の刺激が少なくなる
- ストレスがたまり、鬱状態になる場合もある
末期になると、痛みが強くなって、杖を使うことなしに歩くことができなくなります。
ひざの水を抜く必要がありますが、痛みが一層悪化する可能性もあります。
さらに、そのままにすると、ひざの軟骨がすり減って完全になくなってしまい、骨と骨が直接触れ合うようになります。
こうなると、ひざの変形と痛みで、立つことも歩くこともできなくなっていきます。
家に引きこもりがちになり、運動量も減ることで生活習慣病を引き起こし、また精神的にも健康ではいられません。
家の中でも転倒や骨折など思わぬ事故につながる可能性も出てきます。
5.最後に
変形性膝関節症は、ひざ関節への負担が大きくならないように、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)などを鍛える運動(例:ひざを固定して足を動かすなど)を日常生活に取り入れることで、予防することができます。
また、痛みがあっても早期に治療を開始すれば、歩行困難になるまでには至りません。
自分の状態を把握して、健康寿命を延ばしましょう。
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※この記事を監修して頂いた専門家の方 監修:南部 洋子(助産師、看護師)
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南部 洋子

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 看護師(35)
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