【子供にも!】チェックしよう!ロコモティブシンドロームの原因・症状と予防・対策まとめ
●跳び箱に手をついたら両手首ごと骨折した ●前のめりに転んだ時に、手が出ずに顔面を強打した ●マット運動をしただけで首を痛める
衝撃的ですよね…!
本来柔軟であるはずの子どもたちの体に異変が起き始めています。
「なんだか、うちのこどもは思うように運動ができないなぁ。」と思っているパパやママ!
もしかしたらそれは、ロコモティブシンドロームかもしれません!
今回は、ロコモティブシンドロームについて、原因や症状、予防法と対策を徹底解説します。
目次
1.ロコモティブシンドロームとは?
そもそもロコモティブシンドローム(運動器症候群:locomotive syndrome)は、加齢や関節の病気・骨粗しょう症による運動器(骨、関節、筋肉や神経など)の衰えによって、要介護・寝たきりになるリスクが高まる状態のことを指します。
本来、ロコモティブシンドロームは高齢者に起こるものですが、跳び箱で両手首を骨折する男子生徒や、単純にしゃがむことができないなど、幼い小学生くらいの子どもたちを中心に発症することが問題視されています。
宮崎で行われた調査では、8,000人の小中学生のうち23%もの子どもが運動器に何かしらの支障をきたしていることが分かりました。
このまま放っておくと、30歳や40歳にはロコモティブシンドロームになってしまうような大人が増えてくることが予想されます。未然に防ぐためには、子どもの頃からの予防が重要なのです。
2.ロコモティブシンドロームを発症する原因
「立つ」「歩く」「座る」などの基本的な動きを支えるのは、体幹筋と呼ばれる体の中心部分を支える筋肉であり、子どもロコモが疑われる子はこの筋肉の発達不足が目立っているといいます。
体幹筋が未発達だと、座っていてもじっと座り続けることができず、立っていても、くにゃくにゃとした姿勢をするような子どもになるようです。では、最近の子ども達はなぜ体幹筋が弱まってきてしまったのでしょうか?
詳しくみていきましょう。
①.運動不足、運動過多
まず一つは単純に運動不足です。これは子どもが思いっきり遊べる環境が減ってきたという時代の要因もあるでしょう。ゲームが気軽にできるようになった現代では、外で遊ぶことの楽しさを知らない子どもも多いのでは?
逆にハードスポーツの繰り返しも原因になります。体が成熟しないうちに過酷な練習を続けると、関節や筋肉が損傷され、投球肩、テニス肘、ジャンパーひざ、筋断裂(肉ばなれ)、靭帯損傷や半月板損傷などの運動器障害を引き起こす可能性もあります。
②.低栄養やダイエットの低年齢化
健康な肉体は、健康な食事から。適度な運動がされていても適切な栄養が供給されていなければ肉体は造られません。
ファーストフードやコンビニ食が多くなってしまったり、最近では、ダイエットの低年齢化により痩せ型の子も多くなっており、キチンとした骨格が形成されないケースも報告されています。
③.睡眠不足
運動・食事とくれば、当然、適度な睡眠も必要です。体の発育は寝ている時間になされます。その時間が不足しているのであれば、丈夫な骨と筋肉が形成されません。
3.ロコモティブシンドローム・チェック
NPO法人ストップ・ザ・ロコモ協議会配布の資料(http://sloc.or.jp/?page_id=3114)によれば、
- 片脚立ちがふらつかずに5秒以上できない
- 腕を前に伸ばしたまましゃがみ込めない(途中で止まる・踵が上がる・うしろに転ぶ)
- 肩が垂直に上がらない
- 体の前屈で、指が床につかない
(NPO法人 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会 子ども処方箋から引用)
上記が一つでも当てはまれば、「子どもロコモ」の疑いがあるという記載がなされています。
この検査方法で調査した平成25年度の埼玉県運動器検診では、参加した小中学生のうち、なんと半数もの子どもが、一つ以上当てはまるものがあるという結果になりました。
子どもロコモの場合、怪我をしやすいというだけでなく、きちんと立てない、じっと座っていられないことが原因となり、勉強への集中力や周囲との人間関係など、脳と心の成長にも悪影響を及ぼしてしまう可能性も指摘されているのです。
4.子どもの生活習慣・チェック
どんな習慣を持っている家庭の子どもがロコモを起こしやすいのか、そのチェックリストを確認してみましょう。
子どもの生活習慣のほとんどは、親の生活習慣に依存しています。家庭の習慣がそのまま子どもの習慣になっているということです。
もし、自分の子どもに当てはまるものがある場合には、家庭の生活習慣を見直してみる必要があるかもしれません。
5.子どものロコモティブシンドロームの予防策
ロコモティブシンドロームの予防策をまとめました!
①.遊びの改善
文部科学省の「幼児期運動指針」(http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319771.htm)によれば、「様々な遊びを中心に、毎日合計60分以上楽しく体を動かすことが大切」だと記されています。
ここで言う「幼児」は、3歳から6歳の小学校就学前のお子さんを指します。お子さんが未就学の場合はこの時間を目安にしてみてください。小学生以上の場合は、ダンスや野球などの本人が楽しいと思えるスポーツをするのもいいですね!
②.食事の改善
適度な運動に加えて、筋肉と骨の形成に欠かせないタンパク質の摂取も、やはり必要になってきます。肉や魚、卵などの動物性のタンパク質に加えて、豆などの植物性のタンパク質からもバランス良く栄養を摂る必要があります。
筋肉や骨の形成には適度な運動が大切となってきます。その主なエネルギー源となるのが、米やパン、イモ類などの炭水化物です。
また、炭水化物は糖質という栄養素を多く含みます。脳のエネルギー源となるのは糖質のみです。
糖質が不足すると、体は筋肉を分解することで糖質を作り出し、脳のエネルギー源にしようとします。極端に炭水化物が足りないと、筋肉を保つことができなくなるので注意が必要です。
また、野菜や果物などから摂れるビタミンやミネラルは、骨や筋肉の形成を助けるので、積極的に取り入れていきたい栄養素です。
③.生活習慣の改善
運動と食事に加えて、休養やストレス発散も非常に重要な生活習慣の一つです。睡眠においては、寝る時間と起きる時間を固定するようにしましょう。そうすることで1日のリズムが生まれ、成長期の心の安定が築かれます。
スマートフォンの操作やゲームのやりすぎ、夜更かしは、睡眠にも悪影響を及ぼします。
寝る前のゲームやテレビ鑑賞は、脳を覚醒する効果があるため、ゲームは時間をきっちり区切り、就寝前は控え、睡眠に影響が出ないように子どもの状況をよく見ていく必要もあるでしょう。
6.まとめ
ロコモティブシンドロームは本来、シニア層の筋力の低下や骨密度の減少からくる運動器の障害のことを指していました。
子どもにもそのリスクが高まってきている近年は、より健康的な生活ができるよう、家庭でも気を配ることが必要となってきています。
積極的に体を動かす機会を作り、一方ではスポーツのしすぎで運動器を消耗しすぎないように注意する。栄養のある食卓を囲み、家族間のコミュニケーションを増やしていき、しっかり寝る時間を確保する。
こんな生活サイクルが、子どもの健全な肉体と、健全な心を育んでいくのですね!
※この記事を監修して頂いた専門家の方 医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供 監修:株式会社とらうべ(http://traube.co.jp/)
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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : サプリメントマイスター(108)
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