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【現役クリニシャンを直撃!】実際に体験!筋膜リリースって痛いの?施術過程のポイントを聞いた

  • 最終更新日:2018年6月14日
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◆まずはじめに

グラストンテクニックの施術イメージ

 

こんにちは、健康チョキン編集部hikaruです。

「筋膜リリース」というテーマの特集インタビュー企画も今回で第2弾になります。

 

前回のインタビューでは、東京銀座にある筋膜リリースの専門院「銀座コルノ施術院」の院長である山本修司先生に、

 

・そもそも筋膜とは何か?

・筋膜施術(グラストンテクニック)の効果やメカニズム

 

など基本的な知識を中心にお話を伺ってきました。

 

前回のインタビュー記事をご覧になっていない方は、下記ページよりご確認くださいませ。

 

関連記事

【現役クリニシャンを直撃!】筋膜リリースとはどんな施術か?メカニズムや効果を聞いた

 

今回は、そもそも筋膜リリース(グラストンテクニック)の具体的な施術過程のほか、痛みの有無、筋膜リリースと他の施術との違いなどを伺ってきました。

 

是非参考にして頂けると幸いです。

 

1.筋膜リリースの施術過程。まずは患者様へのインタビューが重要

 

編集部

前回のインタビューで筋膜とは何か?のこと、またグラストンテクニックの施術の原理や効果について良く分かりました。今回は、施術までの過程やより具体的に施術方法を伺わせてくださいませ。
山本先生

山本

施術までの過程や方針は、施術院ごとに異なりますが私の銀座コルノ施術院では初回に一番時間をかけています。日本では医師・歯科医師以外には診断権がありませんので、病名など診断名を告げることはできませんが、基本的には患者様にインタビューという形で症状や生活習慣などをまずは詳しく伺っていますね。

編集部

診断は日本では医療の領域なのですね。
山本先生

山本

少し話が外れますが、カイロプラクティックは世界中で代替医療として認められ、アメリカなどでは西洋医学も含めたプライマリケアを行っています。そのため診断権やレントゲン撮影の権利があります。もちろん施術側は前提として、それができる医学的な知識や技術、能力を有していますね。

編集部

山本先生は大学で薬学を、大学院でバイオサイエンスを専攻し、企業での医療システムの開発から、更にカイロプラクティックの大学で4年と広範に医療領域と関わっていらっしゃいますよね。

2.インタビューで最も大切なルールアウトとは?

山本先生

山本

そうですね、薬学では解剖の知識がなかったのでカイロプラクティックを学ぶ時の解剖学はとても大変でした。そうした背景がある中で患者様へのインタビューで一番大切にしているのは、「ルールアウト」という概念ですね。

編集部

ルールアウト、ですか?
山本先生

山本

ルールアウト=rule out ですね。具体的には、患者さんにインタビューを行う過程で、施術院ではなく病院での治療を受けなければいけない病気(感染症や脳や脊髄に原因が疑われる、また手術が必要なケガ・病気など)の可能性があるかないかを確認し、ある場合には除外(out)する、つまり病院に行って診療を受けてもらうということです。

編集部

なるほど。医学的な知識や経験があってはじめてルールアウトは成り立ちそうですね。
山本先生

山本

そうですね。ルールアウトができないと、むしろ施術を行うことで患者様にとって悪い影響を与えてしまうこともあります。施術を安全に行うことが何よりも重要ですからコルノ施術院ではルールアウトを徹底しています。

編集部

インタビュー以外でもルールアウトする場合はあるのでしょうか?例えば、実際に患者様の体に触れてなど。
山本先生

山本

もちろんあります。徒手でできる整形学検査や神経学検査などがそうです。例えば手のしびれであれば、首を曲げるとしびれるのか、腕を上げるとしびれるのか、という具合に神経の通り道に沿って順番に検査することで、どの部分に問題がありそうかなのかを予測します。徒手の検査でしびれの原因が脳や脊髄などにありそうな場合には、これもルールアウトになります。また、どのような体勢で症状が強くなるのか、あるいは楽になるのかを確認することは、施術方針の組み立てにも役立ちます。

3.医学的知識やトレーニングを受けた施術院は少ないという現状

編集部

正確な知識と経験を前提にに、患者様へのインタビューと徒手による検査から膨大な施術選択肢の中で施術方針を組み立てていく。でも実際は、日本の制度上例えばカイロプラクティックであっても特に資格がなくても開業できてしまうので、山本先生のように医学的知識やエビデンスを軸にして施術を行っている方は少ないのではないのでしょうか。
山本先生

山本

はい。カイロプラクティック大学で基礎医学を学び、トレーニングを積んだ人は国内に600人程度いると言われています。しかし、日本では学校で学ばなくても開業できますので全国に1万件ほどカイロプラクティックの看板(施術院)があるようです。

編集部

そんなにですか。
山本先生

山本

勿論学校の教育が全てとは言いませんが、施術者側に知識がないと患者さんがせっかく施術院にきてくれたのに体調がもっと悪化した、などという問題がでてきますね。例えば首の神経痛が出ているのに、患者さんの首を反らせる、うつ伏せに寝かせるなどは、医学の知識があれば行いません。これもルールアウトができていないから起こる問題で、施術の安全性を考えると一番重要な点だと思います。

4.施術によるパッシブな治療と自分自身で行うアクティブなセルフケアが重要

編集部

インタビューや徒手検査の後、筋膜リリースやカイロプラクティックなどの施術に入るわけですね。ちなみに、どんな施術でもやはり患者さん自身のセルフケアは必要でしょうか?
山本先生

山本

生活習慣の改善は絶対に必要ですね。筋骨格系の不調は悪い生活習慣が原因であることが殆どですから。私達の施術もあくまで健康を取り戻すきっかけであって、施術によるパッシブケア(受動的な治療)と、運動などによるアクティブケア(自分自身で行うセルフケア)のバランスが重要ですね。

 

パッシブケア・アクティブケア

 

編集部

徐々にアクティブを増やしていくのが理想的なセルフメディケーションですね。
山本先生

山本

その通りです。施術によって良くなった体に気付き、自分で良い状態を維持しようという意識が芽生えてくることが重要だと考えています。

編集部

素敵ですね。
山本先生

山本

また筋膜リリースは、施術効果の持続性が長いことが大きな特徴でもあります。持続期間が長いというのは不調の少ない良い状態が長いということになるので、その分日々の行動に対するモチベーションも上がりますし、悪くなった時にまた施術を受けよう、さらに持続期間を伸ばすためにセルフケア(ストレッチや生活習慣の見直しなど)をしよう、という好循環が生まれてきますね。

5.筋膜リリース治療の二つの特徴は、持続時間と可動域を拡げられること

編集部

そうなのですね。具体的にはどの程度、筋膜リリースでは持続期間があるのでしょうか?
山本先生

山本

人によって、不調によって異なりますが大体2週間程度は持続期間がありますね。長い方は数カ月に一度という方もいらっしゃいます。

編集部

なるほど。それは長いですね。ちなみに、筋膜リリースが他の施術と比べた時の違いを教えてください。
山本先生

山本

そうですね、一つ目は先ほど申し上げた持続時間の長さですね。二つ目は、筋膜リリースは仕事や運動を続けながらできる、施術後であっても日常に支障を与えないということですね。三つ目は、痛みを取るだけでなく、体の可動域が拡がり動きやすくなるということです。

編集部

ちなみに、私はとても体が硬いのですが、柔軟性がないという理由でくる方もいらっしゃるのですか?
山本先生

山本

そのような方は多いですね。ヨガを始めてみたけれど体が硬くて諦めた人や、無理して体を痛めた人なども女性の方では多いですね。

編集部

すごいですね、意外でした。
山本先生

山本

ヨガであれば本当は硬さを受け入れて段々と柔らかくなっていくことに意義があると思いますが、無理すると続きませんし、筋膜リリースを利用してポーズができるようになっていくと、今度はこのポーズに挑戦しようという風に続いていきますよね。

6.実際にグラストンテクニックによる筋膜治療を体験させてもらった

編集部

確かにそうですね。ちなみに、筋膜リリースは一般的には肩凝り腰痛、関節の痛み、手足のしびれなど筋骨格系の不調に対する施術と伺いましたが、ステンレスの特殊な器具(インストルメント)で筋膜(ファシア)をこそいでいくので、施術は結構痛いのですよね?
山本先生

山本

はい、痛みを伴う場合があります。筋膜リリースではおっしゃられた不調以外に、例えば外科手術後の癒着した組織に対して行う場合は、軽く触っているだけなのに強い痛みを感じることがあります。その後、数十秒ほど施術を行うと嘘のように痛みがなくなっていきます。

編集部

実際に筋膜(ファシア)のコラーゲン線維を切ったり結合をこそいだりするのですものね。
山本先生

山本

そうですね、皮膚は柔らかい組織ですが皮下組織中の筋膜は硬いので、硬いものと硬いものは柔らかいものを通して力を加えることができるため、グラストンで皮膚の上からこそぐことができますね。ちょうど、服の上からでも皮膚をひっかくことができるのと同じイメージです。実際に施術してみましょうか?

編集部

いいのですか?是非お願いします!
山本先生

山本

それでは、手を拡げてみてください。親指と人差し指がL字になるように開いてみてください。右利きですか?右手はL字にまで拡げられていませんね。

編集部

本当だ。
山本先生

山本

では、このグラストンのインストルメント(器具)を使って筋膜をリリースしていきます。

 

筋膜リリース治療

 

編集部

うわ、なんだかじゃりじゃりいっています。今は全然痛くないです。
山本先生

山本

そのじゃりじゃりしているのが筋膜ですね。

編集部

あ、少し痛いです。痛い。プチんという音もしますが、これは筋膜が切れているということでしょうか?
山本先生

山本

そうですね。ちょっと手を拡げてみてください。

編集部

うわ~、L字になっています。可動域が広がっているのが感覚的にも分かります。
山本先生

山本

あくまでも簡易的な施術ではありますが、実感頂けて良かったです。指の悩みでいうと、ばね指などは非常に筋膜リリースの施術が向いていますね。来院される方の中にも、書道やピアノの先生、時計の職人、料理人など手をよく使う方がいます。

編集部

なるほど。実際体験して筋膜リリースの痛みも感じることができて良かったです。ちなみに、施術箇所が赤くなるくらいであれば問題ないですよね?
山本先生

山本

そうですね、まれに点状出血(赤い点)が出ることがありますが、2、3日できれいに消えます。しかし、内出血のように血管が切れてしまっているのは良くありませんね。皮下出血をしないで筋膜をこそぐためにグラストンテクニックの特殊なステンレス器具がありますから。まずはきちんとトレーニングを受けた施術者を選んでください。

編集部

良く分かりました!今回もインタビューから実際の施術までありがとうございました!またより筋膜リリースという施術方法の魅力に踏み込めたような気がします!次回は、筋膜の観点からできるセルフケア方法や山本先生のようなかかりつけの施術家を見つけるための方法やポイントを伺わせてください!

 

 

◇今回、お話を伺った先生はこの方

 

インタビューに伺った先生はこの方

銀座コルノ施術院 山本修司先生

東北大学薬学部、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科を卒業後、医療系システム開発に従事。エンジニア時代に胃や背中の不調を整体によって取り除いた ことをきっかけにカイロプラクターの道に入る。RMIT大学健康科学部カイロプラクティック学科を卒業後、カイロプラクターの国際試験に合格し、竹谷内医院にて3年間従事したのちに独立。現在は銀座コルノ施術院の院長としてカイロプラクティックやグラストンテクニック(筋膜リリース)を組み合わせ、首、肩、腰の痛み、手足のしびれ、慢性の疲労感などの悩みを持つ方に施術を行っている。薬学の知識をもとにした栄養アドバイスの他、企業での姿勢指導も行い、患者さま自身が健康な生活を遅れることを目標に幅広いサポートを行っている。

 

-取得資格

グラストンテクニック認定クリニシャン(筋膜リリース)

カイロプラクター(WHO基準・IBCE試験合格)

薬剤師

 

銀座コルノ施術院の院長 山本修司先生
カイロプラクティックの資格証明書
グラストンテクニックの資格証明書

 

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■20代/男性/会社員 営業担当時代はヘルスケア領域の顧客を多数担当。セルフメディケーションを怠った結果、体調を崩したことをきっかけに健康オタクに…!自らも、「健康食品コーディネーター」の資格を取得し、これまで得た栄養学や生理学、遺伝子学の知識を使って、健康増進を目指す方や悩みのある方にとって分かりやすい情報を提供できるよう心がけています。最近大好きなキーワードは、「徳と記憶」。

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