【主治医の見つかる診療所】中性脂肪を改善して若々しく!血液&血管改善SP
2017年8月28日(月)放送の「主治医の見つかる診療所」(テレビ東京)では、中性脂肪が高い状態を改善する方法が紹介されました。
この放送をもとに、中性脂肪の改善方法について詳しく見ていきましょう。
★番組のポイント★
身体に取り込まれた糖質や脂質が余ると、「中性脂肪」として体内に蓄えられる
中性脂肪が増えすぎると、肥満やメタボリックシンドロームを引き起こす原因になる
中性脂肪の数値が上昇する主な原因は、早食い、果物・アルコール・炭水化物の過剰摂取、運動不足、喫煙
- 中性脂肪増加の改善策として、筋肉に糖質を引き込みエネルギーとして消費させる酵素であるAMPキナーゼの活性化という方法がある。AMPキナーゼは筋肉を使うことで活性化する。
青魚に多く含まれるEPAやDHAは、中性脂肪の合成を抑える働きがあるが、酸化に弱い。魚の水煮缶は密封されて加工されるため、酸化を防ぐことができる。とくに含有量が多いサバはおすすめ。
1.中性脂肪とは?
中性脂肪は身体を動かすためのエネルギー源となります。
中性脂肪の材料は糖質と脂質です。これらを食べることでエネルギー源が補給され、呼吸や筋肉運動などさまざまな生命活動に使われますが、余ったエネルギー源は中性脂肪として脂肪細胞に溜めこまれます。
これは不足時に使うためですが、溜めるばかりでは身体に悪影響を及ぼし、血管を老化させ病気を引き起こしてしまう原因になります。
中性脂肪の値は血液検査で確認することができます。
正常範囲は、中性脂肪(またはTG)150mg/dl未満、レムナント(またはRLPコレステロール)7.5 mg/dl未満です。

★正常範囲★
中性脂肪(またはTG):150mg/dl未満
レムナント(またはRLPコレステロール):7.5 mg/dl未満
女性は、女性ホルモンが脂質代謝を活性化させるために中性脂肪の増加が起こりにくいのです。
しかし、閉経を機に女性ホルモンが減少すると中性脂肪が増加しやすいため、早くから生活改善を心がけることが大切です。
2.中性脂肪が増える理由
中性脂肪は、食事をすると増え、時間とともに消費されて一定量に保たれています。
しかし、次のような原因によって急増したり消費しきれないと、体内の中性脂肪が過剰になります。

早食い
中性脂肪の材料が急激に体内に入ると、短時間では使いきれずに過剰に中性脂肪ができてしまいます。

欠食
エネルギー源が入ってこない時間が長いと身体は生命維持のために予防策を立てます。それが「中性脂肪を溜めこんでおく」ことです。

アルコールや果物の摂りすぎ
アルコールを摂取すると、肝臓ではアルコール分解が優先されるため、中性脂肪の処理がしきれずに急増してしまいます。また、果物に含まれる「果糖」は中性脂肪に変わりやすいです。

運動不足
運動によるエネルギーの消費量が減ると、余ったエネルギー源が中性脂肪として蓄えられます。

喫煙
中性脂肪を増加させる作用があります。
3.中性脂肪が多い時の改善のための生活ポイント
生活を見直すことで、中性脂肪が多い状態を改善することができます。
★食事★
バランスを良く
主食(ご飯やパン、麺類)・主菜(肉や魚、卵など)・副菜(野菜や海藻、きのこ)をそろえましょう。野菜や魚には中性脂肪を減らすのに働く栄養素が多く含まれます。
ゆっくりよく噛んで食べ、腹八分目を心がける
満腹感を感じやすくなります。腹八分目で満足するためにも意識しましょう。
アルコールや果物は適量を
摂りすぎはいけませんが、適量であれば問題はありません。
*アルコールの適量
個人差がありますが、ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合程度です。休肝日は2日以上とりましょう。
*果物の適量
1日でこぶしひとつ分くらいが適量です。また、糖質が少ない種類(いちご、グレープフルーツ、桃、ブルーベリー、メロンなど)を選ぶのも良いでしょう。反対に糖質が多い果物はバナナ、マンゴー、柿、ぶどう、りんごなどですが、最近では種類に限らず糖度が高い品種が出ているのであくまでも目安です。
★運動★
筋肉を動かすと、「マイオカイン」というホルモンが分泌されたり、AMPキナーゼという酵素が活性化されます。
50%の力で20分程度の運動で効果があるとされています。その強度を知る手軽な方法は脈拍数です。1分間に59歳以下は120拍、60歳以上は100拍を目安にしましょう。
感覚的には「軽く息が弾み、他人とおしゃべりしながら続けられる程度」を目安にすると良いでしょう。
★その他(禁煙)★
数本でも煙を吸うことで影響が及ぶため、禁煙に取り組みましょう。
4.中性脂肪の改善に役立つ食材「サバの水煮缶」
EPA・DHAは中性脂肪の過剰な合成を防ぐ働きがあります。
一方で酸化しやすい特徴もあり、酸化すると健康効果が下がってしまいます。魚の水煮缶は生魚を空気に触れずに加工するため、EPA・DHAの酸化を抑えることができます。
★効果的に摂る方法★
できるだけ青魚の缶詰を選ぶ
とくにおすすめなのはサバの水煮缶。1日に必要な量を1缶の3分の1の量で摂ることができます。イワシやサンマもいいですね。ツナ缶は含有量が少なくなるため、おすすめできません。
抗酸化作用のある食材と一緒に摂る
酸化を防ぐために野菜や大豆製品、ゴマ、香辛料など抗酸化作用のある食材と一緒に摂ると良いでしょう。
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※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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