【鼻血がよく出る…】原因と止め方を看護師が解説!
この記事の監修専門家
助産師、看護師 南部 洋子 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
鼻血は誰もが経験したことがあるもの。
突然出ることもありますが「何かにつけて鼻血が出る」という方もいますよね。
鼻血といってもどこから出ているの?
鼻血がでる原因や、鼻血の正しい止め方を伝授します!
2.鼻血はどこからでるの?
【画像】下記「鼻中隔」or「キーゼルバッハ」の位置を示す画像
小鼻の内側の「キーゼルバッハ」という、鼻の入り口から1~2cm位のところで、小鼻の内側の鼻中隔の前の方にある部位から鼻血が出ます。
「鼻血が出た」という場合80~90%は、この部位からの出血です。
キーゼルバッハ部位は、細い血管が張り巡らされていて粘膜も薄いので、少しの刺激や衝撃でも傷がついてすぐに出血してしまいます。
3.鼻血が出る原因って?
なぜ鼻血が出るのか、原因をみていきましょう。
〇鼻の穴をいじる
【画像】鼻の穴をいじっている様子
鼻血が出る一番多い原因は、自分の指で鼻の穴をいじるという行為です。
上記に書いたキーゼルバッハ部位を刺激することになり、出血します。
鼻をいじることが癖になっているときは、常にこの部位を刺激していることになります。
〇鼻を強くかむ
【画像】ティッシュで鼻をかんでいる様子
強く鼻をかむと、キーゼルバッハ部位を刺激したり傷つけてしまい、出血します。
〇鼻の乾燥(ドライノーズ)
鼻の粘膜が乾燥すると、くしゃみや鼻水が出ることになり、鼻の粘膜に刺激がいき、粘膜が傷ついて鼻血が出やすい状態になります。
〇寝不足・疲れ・ストレス
寝不足が続いたり、疲れやストレスが溜まっていくと、身体の様々な機能を正常に働かせる役割をもつ自律神経が乱れてしまいます。
その結果、鼻の中の毛細血管が切れやすくなり、鼻血が出ます。
〇アレルギー性鼻炎
子どもに多いものですが、鼻の内側に炎症が起こって、鼻の粘膜が傷ついて血管が破れてしまい、鼻血が出ます。
〇血液サラサラの薬
血栓ができないようにするために使用される、抗血小板薬(アスピリンなど)や抗凝固薬(ワーファリンなど)は、その副作用で鼻血が出ることがあります。
〇食べもの
【画像】赤ワイン✕チョコレート等
鼻血の出やすい人は、食べものによって引き起こされることがあります。
子どもに多い原因ですが、大人でもカフェインなどの刺激物が含まれているものを多く摂ると血圧を上昇させ刺激を受けて鼻血が出る人がいます。

●鼻血が出やすい食べもの
・アルコール
・スパイス
・赤ワイン
・チョコレート
・コーヒー
・ニンニク、ショウガ、朝鮮人参 など
〇体質によるもの
特に病気はないのに、他の人と比較すると鼻血が出やすいという人がいます。
下記のような人は、鼻血が出やすいので、他の人よりも注意が必要です。
- 鼻の粘膜が生まれつき弱い
- 鼻中隔が生まれつき曲っている
〇病気によるもの
高血圧
【画像】下記「血管壁」の位置を表す画像
高血圧になると、鼻の奥の部分の鼻腔の後ろの太い血管の血管壁などが傷んでしまうことがあり、その結果鼻血が出ます。
出血量も多く、口から溢れるほど激しく出血することもあります。
白血病
白血病は、血液を作る細胞に異常が起きていて、正常な血液を作れなくなり、出血しやすくなるという病気です。
鼻血以外にも歯茎や、他にも様々な部分から出血します。
血友病
血友病のほとんどは、遺伝によるものです。
血友病は、出血を止める時に必要な物質が元々少ないので、かさぶたも作られにくく、一度出血するとなかなか止まりません。
外からの刺激に弱く、鼻を少しかんだだけでも出血する可能性があります。
4.鼻血を予防しよう!
原因別に予防策を紹介していきます。
〇鼻の刺激
【画像】軟膏を鼻の中に塗っている様子orワセリン
鼻を刺激することで鼻血が出るのは、鼻の粘膜が弱っている可能性があります。
出やすい人は、粘膜を保護するためにワセリンを鼻の中に塗っておくといいでしょう。
〇鼻の乾燥
【画像】マスクをしている様子
空気を乾燥させないことが大事です。
50~60%位の湿度を保つようにしましょう。
鼻を乾燥させないために下記のことをしてみましょう。

●鼻を乾燥させないために
・湿度計を置く。低い場合は、加湿器を用意する
・外出時にマスクに水分を湿らせた濡れガーゼを当てる
・寝ているときもマスクをする
〇血液サラサラの薬
医師によく相談して、薬を代えてもらってもいいでしょう。
〇食べもの
鼻血が出やすい人は、何を食べたら鼻血が出たのか、よく検証して、その食品を多く食べないようにしましょう。
〇病気
紹介した症状があてはまる人は、まずその病気をしっかり治すようにしましょう。
特に、次のような場合は、内科を受診して、原因が何かをはっきりさせましょう。
- 何もしていないのに鼻血がでてきた
- 頻繁に鼻血が出る
- 鼻血が止まりにくい
- 鼻血以外に歯茎などからも出血する
- 皮膚に内出血がでる
5.鼻血の止め方!徹底解説
キーゼルバッハ部位から出血した場合の止め方を解説します。
〇正しい止血の仕方
よく鼻血を止めるには、
・上を向いて首の後ろをたたく
・ティッシュを丸めて詰め込む
などのことを聞きますが、これは、間違った対処の仕方です。
正しい対処の仕方は以下です。

●正しい止血の仕方
・椅子に座り、少し下を向く
・小鼻を少しつまむように圧迫する
・15分~20分位圧迫し続ける
〇鼻血が出ている時の注意点
- 上は向かない
上を向くと、喉に血液が流れ込んでしまいます。
もし喉に血液が流れこんだら、飲み込まず吐き出すようにしましょう。
飲んでしまうと、気持ちが悪くて吐き気がきます。
途中でもう止まったかと思って、圧迫を止めてしまうと出血してしまいます。
20分間は圧迫し続けましょう。
なお、首の後ろを叩いても効果はありませんので、やめておきましょう。
- 喉に血液が流れ込んだら、飲み込まずに吐き出す
- 血が止まった後も、20分間は患部の圧迫を続ける
- 首の後ろを叩かない
- ティッシュは詰めない
止血のためにティッシュなどを鼻に詰めること自体は、間違っていません。
ですが、ティッシュを奥まで入れ過ぎて傷つけたり、またティッシュの一部が鼻に残ってしまい感染症の原因になることがあるためオススメできません。
20分以上圧迫しても出血が止まらない場合は、受診しましょう。
鼻血が出た日の注意点
鼻血が止まった後でも、再出血してしまう可能性があるので、以下のことに気をつけましょう。
- 入浴は、短時間ですませる
- アルコールを控える
- 過度な運動は避ける
6.まとめ
血液をみると騒ぎになりやすいですが、キーゼルバッハ部位からの出血の場合ならば、すぐに対処すると速やかに止まります。
ただ、鼻血が出やすい体質だと思って、受診せず放置していると病気の場合があります。
頻繁に鼻血が出るようならば、内科で検査を受けてみましょう。
※この記事を監修して頂いた専門家の方
監修:南部 洋子(助産師、看護師)