【徹底解説!】妊娠中でも魚は食べるべき?食べるときの注意点とは?
1.はじめに
妊婦向けの雑誌やサイトでしばしば目にするのが食べ物に関する情報。
食べてよいもの、控えた方が良いものなどがたくさん書かれていますよね。
中でも、魚は種類によって食べた方が良いものもあれば、量を制限した方がよいものもあり、頭が混乱してしまいがち。
そこで、今回は、妊娠中に魚を食べるべきかどうか、食べるときの注意点も含めて解説します!
2.妊娠中は魚を食べよう!
妊娠中は、胎児の健やかな成長のためにも、栄養バランスのとれた食生活を心がけたいもの。
つわりで特定のものしか食べられない、というときは別ですが、食事を摂れるときは、一汁三菜の揃った食事を心がけましょう。
中でも、主菜(メインとなるおかず)を選ぶときにおすすめなのが、魚類です。
青魚などに多く含まれるn-3系脂肪酸は、胎児の神経系器官が作られるのをサポートする上で重要な役割を果たしています。
また、n-3系脂肪酸の摂取量が少ない場合、早産や低体重児の確率が増えるということも報告されています。
胎児の成長に欠かせないn-3系脂肪酸ですが、残念ながら、私たちの身体で作り出すことのできません。
そのため、n-3系脂肪酸を多く含む魚類は、妊婦さんには摂取してほしい食品なのです。
n-3系脂肪酸に属する栄養素はいくつかありますが、よく知られているのはDHAやEPAです。
3.おすすめの魚の種類と食べ方
ここでは、手軽に手に入るDHAやEPAが多い魚の種類を紹介します。
- 鮭
- アジ
- イワシ
- サンマ
- たら
- ブリ
中でも、鮭はビタミンB6を豊富に含んでいます。
つわりの一因ともいわれる「キサンツレン酸」は、ビタミンB6の摂取不足で起こるといわれているため、つわりに悩んでいる方にもおすすめです。
これらの魚を食べるときには、食べ方にも注意しましょう。
DHAやEPAは、煮る・焼くといった調理法で魚の脂とともに外へ流れ出てしまします。そのため、煮る場合は煮汁ごと食べるようにしましょう。
このほか、ツナ缶やサバ缶などの缶詰もおすすめです。
妊娠中は、普段よりも体力が落ちやすく、また体調がすぐれない日も増えるため、料理をすることが難しいときもあるでしょう。
そんなときは、缶詰を上手に取り入れてみてくださいね。
4.魚を食べる上での注意点
ここまで紹介したように、魚は胎児の成長にとって欠かせないものです。
ただし、種類や食べ方によっては、注意が必要なこともあります。
①.水銀を多く含む種類の魚を食べるとき
次の種類の魚は、水銀を多く含んでいるため、目安量よりも多く食べ続けた場合、音を聞いたときの反応が1000分の1秒以下のレベルで遅くなるといわれています。
摂取が制限されている魚の種類と摂取上限量は以下です。(厚生労働省「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」平成22年改訂より)

●1週間あたり80g程度まで
キンメダイ、メカジキ、クロマグロ メバチ(メバチマグロ)、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ

●1週間あたり160g程度まで
キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカ、クロムツ
※80gの目安:刺身1人前、切り身1切れ、寿司5貫まで(1貫=15gとして)
これら魚を1週間に複数種類食べるときには、それぞれの量を半分にしたり、3分の1にするなど調整しましょう。
ただし、過度に敏感になる必要はありません。
もし、多く摂ってしまった週があったとしても、翌週は控えるなど、前後で調整できれば、問題ありません。
また、妊娠したことに気がつかずに、これらの魚をたくさん食べてしまうこともあるでしょう。
ただ、胎児は胎盤を通じて水銀を取り込むため、胎盤ができあがる前(胎盤ができるのは妊娠4カ月以降)であれば過度に心配する必要はありません。
②.生ものを食べるとき
妊娠中に限ったことではありませんが、魚を生で食べる場合には食中毒のリスクがともないます。
食中毒にかかったとしても胎児に感染することはありませんが、安易に薬での治療が行えなくなるため、母体の回復に時間がかかることになります。
そのため、刺身やお寿司を食べるときは、新鮮なものを摂るようにしましょう。
また、免疫力が落ちているときは食中毒にもかかりやすくなります。
風邪をひいているときなど、体調が悪いときには生で食べることは避け、調理したものを食べるようにしましょう。
5.最後に
今回紹介した魚以外は、とくに摂取量を気にする必要はありません。
ですから、DHAやEPAを摂るためにも、今回紹介した注意点に気をつけながら、魚を食べるようにしましょう。
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※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:管理栄養士 山本ともよ ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
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山本ともよ

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この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 管理栄養士(121)
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