【助産師が伝授!】妊婦さんが心がけるべき「3つ」のこと
●はじめに
妊娠すると、お腹の赤ちゃんのために「あれはいいの?」「これはよくないの?」と、ひとつひとつに戸惑う人も少なくありません。
妊娠による体型と体調の変化を受け止め、向き合いつつ、マタニティライフを快適に過ごすために心がけるべき3つの基本をお伝えします。
①.バランスのとれた食生活
お腹の赤ちゃんの発育はもちろん、それを守る母体を支えるためにも、妊娠中の食事は大切です。
また、出産直後からずっと続いていく育児に向けたカラダづくりにも、妊娠中の食生活は関係しています。
そして、子どもが母乳やミルク以外の食事を摂るようになると、親の食習慣が子どもの食習慣にもなっていきます。
このように考えると、妊娠中は自分や家族の食習慣を見直す良い機会といえるでしょう。
食生活で大切なことは、バランスの良い食事を心がけること。
バランス良く摂るためには、偏りなく、さまざまな食材からいろいろな栄養素を摂ることが基本です。
妊娠中、とくに意識して摂りたい栄養素は、良質な脂質やタンパク質はもちろん、鉄分、亜鉛といった、ビタミンやミネラル類もそのひとつです。
妊娠4~5週頃に起こる、胎児の「神経管閉鎖障害」の発症リスクを減らすことが期待できるとして知られる葉酸は、とくに積極的に摂りたい栄養素のひとつです。

●意識して摂りたい栄養素
良質な脂質やタンパク質はもちろん、鉄分、亜鉛といった、ビタミンやミネラル類。とくに「葉酸」。
妊娠が判明するころにはすでに神経管が形成されている場合もあるため、少なくとも妊娠1ヶ月以上前~妊娠3ヶ月までの間の積極的な摂取がすすめられています。
どの栄養素にもいえることですが、まずは食事からしっかり摂るように心がけるとよいでしょう。
何をどれだけ食べたらいいのか、に関しては、厚生労働省の「妊産婦のための食事バランスガイド」に具体的に示されています。
あわせて、体重コントロールのための適正体重増加量もありますから、目安にするとよいでしょう。
体重が増えすぎても、妊娠性高血圧性症候群や妊娠糖尿病などのリスクがありますし、逆に増えなさ過ぎても、赤ちゃんが低出生体重児に生まれてくるリスクなどにつながりますから、自分にとっての適正な体重増加を目指しましょう。
②.適度な運動
妊娠中、適度に身体を動かすことには、体力をつける、体重コントロールをする、腰痛などのマイナートラブルを予防・改善する、気分転換に良いといった効果が期待されます。
妊娠経過にともなって、体型や体調のダイナミックな変化があるので、運動することによって、その変化に対応できるカラダづくりも必要です。
出産や、その後続いていく育児に向けた体力づくりにも役立つでしょう。
ただし、正常な妊娠経過から逸脱しないように気をつけて運動することが大切です。
運動を始めるにあたっては、「安定期に入れば大丈夫」と自己判断せず、まずはかかりつけ医師や助産師に、妊娠の経過が順調であることを必ず確認するようにしましょう。
●運動の種類
では、妊娠中、「どの程度」「どんな」運動をしたらよいのでしょうか?
マラソン、球技、スケート、スキューバダイビングなど。
お腹を圧迫するようなもの、身体がぶつかり合うもの、不安定で転倒の危険や強い振動のあるような運動は、妊娠中には向いていないので避けましょう。
ウォーキング、ヨガ、マタニティビクス(エアロビクス)、水泳 など。
はじめは参加型クラスなどで、安全に効果的におこなう方法を教えてもらうとよりよいでしょう。
●運動の程度
これまで運動の習慣がない人は、週に数回、20分~1時間くらいの目安で始めてみましょう。
汗をかいてきて少し息が弾むくらいの「ややきつい」と感じるくらいか、それよりも弱い程度でとどめておくのが、安全に長くつづけるコツです。
また、運動中に、お腹が張る・胎動がいつもより少ない、またはない・立ちくらみやめまい・性器出血や破水感がある等のときには、中断して身体を休めます。
もし、それでも改善されなければ必ずかかりつけ医に相談しましょう。
③.適度な休息
適度な運動は大切ですが、妊婦さんにとって適度な休息もまた、心がけてほしいことのひとつです。
お伝えしてきたように、妊娠経過につれて、体型や体調がダイナミックに変化するために、その変化にボディイメージがついていかない、という妊婦さんも多いものです。
最近では、働く妊婦さんも多いですが、ボディイメージについていけず、「つい1ヶ月前までは、これだけ動いても疲れなかったのに!」と、知らず知らずのうち、カラダもココロも無理をしていた、ということを、後になって知るということでは、後悔先に立たず、です。
座る姿勢や立ち姿勢を保つだけでも、妊娠前に比べれば、身体を使っているものです。
ですから、「もう少し頑張れるかな?」くらいで余力を残しておく位にとどめておくこと、疲れる前に休むことを心がけましょう。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:助産師 青井梨花 ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
株式会社とらうべ所属
この記事を読んだ方はこの4つの記事も読んでいます!

青井梨花

最新記事 by 青井梨花 (全て見る)
- 【ひどい肩こり】原因と解消法を看護師が紹介! - 2018年5月14日
- 看護師が解説!【肌が荒れる...】原因と対策は? - 2018年4月16日
- 【看護師が伝授】病院でうまく話せない…お医者さんに伝えるべき5つの事 - 2018年1月16日
この記事の執筆監修者の保有資格・企画 : 助産師(17)
- 健康チョキンTOP
- ≫ 悩み・症状から原因と改善策を知る
- ≫ 妊娠の悩み
- ≫ 【助産師が伝授!】妊婦さんが心がけるべき「3つ」のこと