【助産師が解説!】妊活中の人が摂るべき栄養素って?どんな生活をすべき
この記事の執筆専門家
看護師 助産師 青井梨花 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験がある助産師。現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。
※本記事は、助産師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
生きていく上で必要不可欠な食事ですが、とりわけ新しい命を迎え、育む環境を整える必要がある妊活中は、健康なカラダづくりのために必要な栄養素を摂ることがとても重要です。
具体的に妊活中にはどんな栄養素を摂ったらよいか、食生活のポイントなども交えてお伝えします。
2.妊活中の食生活のポイントとは?
新しい命を授かり育んでいくために、弊害となりうるものはないか考えてみましょう。
次の項目に当てはまるものはありませんか?
- 「○○だけ食べるダイエット」「1日1食ダイエット」など、ストイックなダイエットをしている、もしくは実践してやせた
- いわゆる肥満体型。お菓子やファストフードが大好き
- 「太りたくない!」とご飯や肉・魚は極力控え、野菜や豆腐中心に食べるヘルシー志向
- ストレスが多く不規則な生活を送っている
このような生活は、妊娠しやすい健康なカラダづくりを妨げるものです。
とくに妊活中は、次のことを意識した食生活を送りましょう。
●自分の適正体重を知る
食べすぎによる肥満や、極端なダイエットによるやせは、ホルモンバランスに影響を与え、月経不順や排卵障害、無月経など月経異常を引き起こしやすいことがわかっています。
よく用いられる体格指数(BMI=体重kg÷身長m÷身長m:やせ≦18.5、肥満≧25)から、自分の適正体重を知り、調整するようにしましょう。
●食事の時間帯にも気をつける
不規則な生活が続くと、生活リズムが崩れてホルモンバランスが乱れる場合もあります。
妊娠には体内リズムを整えることも重要ですから、朝・昼・夕と同じ時間帯に食事摂る、規則正しい生活をすることなども、身体のリズムをつくる上で大切なポイントです。
3.妊活中に積極的に摂りたい栄養素とは?
これまでお話したように、健康なカラダづくりのためには、いろいろな食材をバランスよく食べ、必要な栄養素を摂ることが重要です。
妊活中はもとより、これから妊娠の可能性のある女性に向けて、女性ホルモンの働きに関わる栄養素の中でも不足しやすいものをいくつかご紹介します。
●たんぱく質
たんぱく質は2種類あり、動物性たんぱく質と、植物性たんぱく質があります。
動物性たんぱく質は主に肉・魚・卵・乳製品、植物性たんぱく質は、大豆製品に含まれています。
筋肉や皮膚、内臓、血管、髪や爪、骨など、身体をつくるために大切な材料となる栄養素で、健康なカラダには欠かせません。
また、食べ物の消化・吸収に必要な酵素や、身体の機能を調節するホルモンの材料にもなるので、動物性・植物性を問わず、いろいろな食品からぜひ積極的に摂ってほしい栄養素です。
●亜鉛
ホルモンの合成を助け、また、分泌を調整する働きがあります。
さらに、抗酸化作用もあり、細胞の老化予防にも効果が期待される栄養素です。
亜鉛を多く含む食材は、牡蠣・牛肉・チーズ・卵黄などです。
●ビタミンE
ホルモンバランスの調整、血行促進、抗酸化作用があるといわれる栄養素です。
多く含む食品は、カボチャ・アボカド・アーモンドなどです。
4.妊活中摂るべき栄養素の代表「葉酸」効率よく摂るには?
葉酸は、ビタミンB群のひとつで、妊娠の可能性のある女性はとくに摂取したい栄養素です。
なぜなら、妊娠初期に不足すると、胎児の脳や脊髄、中枢神経系にとって重要な神経管に形成障害(二分脊椎などの神経管閉鎖障害)が起こるリスクが高まるからです。
神経管は、妊娠4週目頃までのごく初期に形成されるため、厚生労働省では妊娠の可能性のある女性や妊娠3か月までの妊婦に対して、食品から摂ることに加えて、サプリメントなどの栄養補助食品から1日400μgの葉酸摂取をすすめています。
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これは、食事から摂れる葉酸と栄養補助食品に使用される葉酸に次のような違いがあるからです。

●食品に含まれる葉酸
・身体に吸収されにくく、生体での利用率が50%以下である
・水に溶けやすく、調理の際に栄養素が損失されやすい

●栄養補助食品に使用される葉酸
・安定性があるとされ、生体利用率が高いことがわかっている
以上の違いから、厚生労働省では食事から摂ることに加え、サプリメントなどの栄養補助食品からも摂取するようすすめているのです。
ただし、1日あたりの上限量は900~1000μgとされているので、過剰摂取には注意しましょう。
葉酸を含むおすすめの食品は、海苔や納豆です。
これらの食品は加熱調理されていないので、調理による損失もなく、また、そのまま食べられるので手軽です。
海苔1枚3gで約60μg、納豆1パックでも海苔と同程度の葉酸を摂ることができます。
そのほか手軽に摂れる食品には、いちご(5粒75gで約70μg)、生卵(1個50gで約20μg)、枝豆(1食分50gで約130μg)などあります。
これらの食品を活用し、食事から葉酸を十分に摂取しながら、妊娠3か月まではサプリメントを活用しましょう。
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※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:看護師 助産師 青井梨花 株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験がある助産師。現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。 ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
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