【助産師が伝授!】つわりを緩和させる方法、食べ物ってなに?
この記事の執筆専門家
助産師 保健師 看護師 座波朝香 (株式会社とらうべ)
病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通。
※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
妊娠した喜びもつかの間で、つわりのつらさに途方に暮れたり、「どうにかしてつわりを和らげたい」と悩む人も多いですね。
また、「自分にしてあげられることはないものか」と、パートナーや妊婦さんの周囲の人も一緒に試行錯誤しているという相談もあります。
つわりを緩和させる方法や、つき合い方について紹介しましょう。
2.つわりのキホン
まず、つわりの基本情報をおさえ、希望をもって付き合いましょう。
つわりのはじまりは、早い人で妊娠2ヶ月くらい、落ち着くのは妊娠4ヶ月くらいです。
症状は「胃のむかつき」「吐き気・おう吐」「においや味に過敏」「だるさ」などです。
また、症状が強いタイミングは、早朝など空腹になったときにとくに気持ちが悪くなるということが多いです。
ただし、つわりの様子は個人差が大きいものです。
3.「〇〇はつわりに良い!」はホント?
つわりに良いとされる食べ物の効果が気になるところです。
つわりと食べ物の関係をいくつか紹介します。
●酸っぱい食べ物
妊娠すると酸味を好むようになるという調査報告があります。
実際、梅干しやレモン、グレープフルーツやトマトなどを好む人がいます。
妊娠中には、味覚が低下し、それによる食欲不振も考えられます。
酸味は唾液の分泌を促して、味覚低下の理由の一つである口の乾きを改善します。
また、消化酵素の分泌を促して食欲増進にもつながります。
●果実
水分が豊富なものが多く、さっぱりした酸味や甘みで食べやすいでしょう。
酸味のある柑橘類のほか、季節を問わず手に入れることのできるりんごは、含まれるペクチンが腸の水分調節をしてくれるので、便秘の解消にも良いです。
バナナは、つわりの症状に効果があるとされるビタミンB6を摂ることができます。
●生姜
とくに加熱することで得られるショウガオオールという成分が、消化機能を高めて吐き気を抑えるといわれています。
●特定の栄養素【亜鉛】
妊娠中は味覚機能が低下するといわれ、つわり症状にも関連している可能性があります。
味覚機能低下の一因に亜鉛欠乏があります。
ですが、妊娠中の体内の亜鉛の量は、つわりの時期を過ぎた妊娠中期以降に少なくなるという報告があります。
必ずしも妊娠中の味覚機能の低下の原因が亜鉛不足によるものではなく、つわりについても一概に効果的とはいえません。
●特定の栄養素【葉酸】
つわりと葉酸の関係は、とくに葉酸のサプリメントの広告記事で目にすることがあります。
葉酸サプリメントや葉酸を多く含む食品には、同時にビタミンB6が含まれていることが多く、ビタミンB6のつわりへの効果を期待しているのでしょう。
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食べ物について、一般的に良いとされるものでも無理に食べようとせず、その時に食べられるものを食べるようにしましょう。
4.つわり症状を和らげる方法とは?
いまのところ、医学的に安全で効果のある根本的対策はなく、効果に個人差はありますが、以下のような薬を処方してもらうことはできます。

●メトクロプラミド
いわゆる吐き気止め。
つわりの症状に特化しているわけではなく、胃腸の働きを整えることで、吐き気や嘔吐、食欲不振を改善するために、一般的によく使われる薬です。

●ピリドキシン塩酸塩
ビタミンB6を補充するための薬。
つわりに対する作用のメカニズムはよくわかっていませんが、吐き気や嘔吐が改善するという報告があります。

●小半夏加茯苓湯
(しょうはんげかぶくりょうとう)
健胃作用(胃の働きを改善)、吐き気や嘔吐の改善、鎮静の効果が期待されます。
漢方の考え方による利水作用があり、体内の水分不足と水分過剰のアンバランスさを調整します。

●六君子湯(りっくんしとう)
吐き気、嘔吐、食欲不振の改善が期待されます。
薬による対処は、副作用や胎児への影響などを十分に考慮する必要があります。
とくに、処方薬の個人入手は大変危険です。
症状がつらい場合には必ず医師に相談しましょう。
5.つわりとうまく付き合うために心がけること
つわりは精神的な面や環境が影響するといわれています。
たとえば、上の子(第一子)が甘えてくるときや、仕事では大事なプレゼンなどノルマを抱えているときに症状が重いという人がいます。
逆に仕事などに集中しているときは症状が軽く、帰宅後に症状が重くなるという人もいます。
しかし、症状が「気のもちようだ」と言われるのは酷なことでしょう。
そこで、つわりを乗り切るための具体的な心がけや過ごし方を試しましょう。
●症状の程度やタイミングは流動的です。
その時々の症状や、対策に対する効果に一喜一憂しすぎないようにしましょう。
●改善方法を探すことで頭がいっぱいにならず、症状があっても安心して過ごせる場所で、ときには身を任せることも必要です。
●症状や好みは変化しやすいため、「これなら食べられそう」と決めつけ過ぎない方がよいです。
●仕事や家事などは、これまでの様に「計画的に」「要領よく」が、できないこと、また「自分ではコントロールしようがない」ことを心得、周りにも理解してもらうようにしましょう。
●自分に合ったストレス解消法をみつけ、なるべくリラックスして過ごせるようにします。
※この記事を執筆いただいた専門家の方 執筆:助産師 保健師 看護師 座波朝香 病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通。 ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。 ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。
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