もしかして老眼?いつから?回復するの?予防法は?看護師が徹底解説!
この記事の監修専門家
助産師、看護師 南部 洋子 (株式会社とらうべ)
株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。
※本記事は、看護師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。
1.はじめに
ワインのラベルや、時刻表などがぼやけてみえない、ということはないですか?
これって老眼のはじまり?とびっくりしてしまいますよね。
老眼とは、どのようなことをいうのか、また回復法や予防法を解説します。
2.老眼についてのよくある質問・Q&A
老眼はいつからなるのか、どうしてなるのか等、老眼に関するよくある質問を、Q&A形式で説明していきます。
老眼とは、誰にでも起こる加齢に伴う老化現象です。
眼の老化は、実は10代から徐々に始まっています。
老眼はいつから、という明確な時期はありませんが、40代頃になると多くの人は、近くのものが見えづらいと感じはじめます。
また、最近では、パソコンやスマホの使用で、老眼が若年化してきているとも言われています。
老眼鏡を使っても使わなくても、眼の機能の老化は60歳~70歳頃までは進行し続けます。

老眼は、どんな人にも必ず出てくる目の老化現象です。
近くのものを見ようとするとき、水晶体という、透明なカメラのレンズの機能をしている組織の周りにある、毛様体筋というドーナツ状をした筋肉を収縮させ、水晶体の屈折力を増してピント合わせをします。
加齢とともに、どうしても水晶体の弾力が衰え、毛様体筋が収縮しても水晶体がすぐにピントを合わせづらくなってしまい、その結果ものが見えにくく感じてしまいます。
これが老眼です。
老眼になる原因は主に2つと言われています。
〇加齢

先に説明した通り、老眼はどんな人にも起こる目の老化現象です。
45歳以上になると、急激に老眼用のレンズ使用が増える、ということからもわかります。
〇活性酸素の影響
老眼が進むのには、体に悪い影響をもたらす活性酸素が体内で増えることによって進行が早まると言われています。
以下のようなことは、目の老化を早める活性酸素を体内に発生させてしまうので、注意が必要です。
●活性酵素が増える原因

- 添加物の多い加工食品の食べ過ぎ
- 過度な紫外線
- 睡眠不足
- ストレス過多
老眼の初期の症状をまとめました。
●老眼の初期症状

- 近くが見えづらい
- 近くを見るとき近視の眼鏡をはずす
- 新聞を読むとき知らない間に遠くに離している
- 暗くなると見えづらくなる
- 長時間細かい作業をしたり本を読んだりPCを見たりしていると眼がかすむ
老眼の始まりの頃、近くのものから遠くのものに眼を移したとき、ものがぼやけて見えるということがありますが、これもピント合わせが追いつかないためです。
また、老眼を矯正しないでそのままにしていると、以下のような症状が出ることがあります。

- 肩こり
- 疲れ目
- 頭痛
- 吐き気
老眼の始まりの頃、近くのものから遠くのものに眼を移したとき、ものがぼやけて見えるということがありますが、これもピント合わせが追いつかないためです。
老眼はすべての人に起こる老化現象なので、近視の人も同じ様に老眼が進行します。
ただ、近視の人は近くにピントがあっていて、遠くは見にくいという状態です。
ですから、近くのものが見えにくいとは、あまり感じません。
しかし、近視の人が近視を矯正するために眼鏡やコンタクトを使用していると、老眼になった時、近くが見えにくくなります。
ただ、眼鏡をはずすと近くのものが見えるので、老眼に気付きにくいようです。
そのため、自分が老眼になったとは気づかず、その結果老眼鏡が必要と思える年齢が遅くなる傾向にあるようです。
3.あなたは老眼?チェックしてみよう
自分はもう老眼なのか、気になりますよね!
以下でチェックしてみてください。
- 小さな文字がみえにくい
- パソコン作業をしていると目がかすんだり、しょぼしょぼしてくる
- 本や新聞を読むと疲れるので、いやになる
- 電話番号や時刻表など、数字を読み間違えることが増えた
- 新聞を読むとき、新聞を遠ざけてみる
- ワインや薬のラベルが読みにくい
- 部屋の中が暗く感じ、物がよく見えなくなる
- 肩こりや頭痛がおきる
- 本を読んだりして目を長時間使うと吐き気がおこるときもある
- 近視用の眼鏡やコンタクトを外すと、近くのものがよく見える
2項目以上当てはまれば、老眼の可能性があります。
多ければ多いほど老眼に近づいていると言えます。
4.老眼を回復する方法は?
老眼は、加齢によって誰でもなるものなので、完全に回復する方法はありません。
しかし、予防する方法や、これ以上老眼を進行させない方法、改善に役立つ方法ならあります!
老眼のリスクをそのままにしておかず、しっかり自分でセルフメディケーションしていきましょう。
その方法をまとめました。
〇食生活の改善
食事は、ダイレクトに目に対する効果があります。
目に良いとされるものを積極的に摂りましょう。
また、活性酸素の発生を抑える食品を摂るのも効果的です。
ただ、主食、主菜、副菜、乳製品、果物の5つをバランスよく摂ることが基本です。
その上で、目に良い食品や、活性酸素の発生を抑える食品を摂っていきましょう。
目によい栄養素が含まれる食品

●ビタミンA

緑黄色野菜、レバー、うなぎ、モロヘイヤ、乳製品 など
目の粘膜を保護して、網膜をいい状態に保ちます。
目の老化防止に有効とされています。

●ビタミンB群

豚肉、玄米、青魚、卵、牛乳、レバー、牡蠣 など
目の疲れを癒します。

●DHA

青魚(サバ、サンマ、イワシなど)、赤身(マグロなど)など
ドライアイや疲れ目、視力を改善し、免疫力を支える効果があります。

●アントシアニン

ベリー系(ビルベリー、ブルーベリーなど)、カシス、ぶどう、黒豆など
目の神経伝達をよくして、視覚機能を改善します。

●ルテイン

ケール、パセリ、ほうれん草、ブロッコリー など
抗酸化作用によって活性酸素を排除する働きがあります。
疲れ目やドライアイの予防になります。

●アスタキサンチン

カニ、サケ、イクラ など
眼精疲労などを改善させます。

●タウリン

サザエ、ホタテ、ハマグリ、イカ、タコ など
網膜の保護や角膜の修復に効果があります。
活性酸素を抑える食品

●ビタミンC

アセロラ、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、赤ピーマン、レモン、イチゴ など
抗酸化作用、免疫力アップ、ストレスからの目の疲れ・充血を予防します。

●ビタミンE

ナッツ類、ウナギ、ウニ、イクラ、カボチャなど
抗酸化作用により細胞の健康維持を助けます。
疲れ目やドライアイを予防します。
〇紫外線対策
活性酸素の発生を避けるべく、紫外線対策をしっかり行いましょう。
紫外線対策には、一番有効なものはサングラスです。
サングラスの色は紫外線カットの性能と関係がなく、色の薄いもののほうが紫外線の影響を抑えることが出来る場合もあるので、サングラスを買う際は、眼鏡屋さんと相談する方が良いでしょう。
また、帽子や日傘、日焼け止めクリームなども一緒に使いましょう。
〇睡眠不足を改善する
毎日出来るだけ7時間ほど眠るようにしましょう。
寝る30分前くらいから、スマホや読書は避け、ゆったりとする時間をとりましょう。
心を落ち着かせることで、ぐっすりと眠れるきっかけ作りになります。
〇自分なりのストレス発散の方法を見つける
人は誰でもストレスを感じています。
好きなスポーツや音楽鑑賞、目が疲れない程度に映画鑑賞などの趣味を持ったり、生活の中で入浴や食事時間をゆっくり摂ることなど、自分なりのストレス発散法を見つけましょう!
仕事は仕事、遊ぶときは遊ぶ!寝る時は寝る!と、オンオフの区別をつけることも、ストレスを溜め込まないことに繋がります。
〇視力に合った矯正をする
眼鏡などで矯正をせずに、近くのものが見えにくいままの生活は、目に負担もかかり、体の具合さえも悪くさせます。
老眼は、65歳位までは進行しますから、2、3回は作りなおす必要があります。見えにくいと感じたら、眼鏡屋、眼科でチェックしてもらいましょう。
〇老眼予防トレーニングをする
水晶体の厚さを調節する筋肉を鍛えて、目の老化の予防や進行を遅らせましょう。
目を開くと閉じる体操
①目をギュッと力を入れて閉じる
②次に、目をパッと大きく開いて2秒くらいキープする
これを3セット行います。
近くと遠くを見る体操
①一方の腕を伸ばして、ペンを握って立て、ペンの先を2~3秒見る
②次に、遠くの景色を2~3秒見る
交互に見ることを、3セット行います。
眼球回し体操
①顔を動かさず、眼球だけを回すようにする
②上から斜め右上、右、斜め右下、下、斜め左下、左、斜め左上、そして上と回していく。
これを3セット行います。
これらの体操を仕事中でも1時間に1回位、又は1日に数回行うといいでしょう。
〇長時間目を使い続けるのを避ける
仕事でパソコンをずっと見続ける、趣味のゲームや編み物で近くを見続けるなど、長時間目を使い続けることは多くあると思います。
出来るだけ、1時間に1回は目を休める時間をつくりましょう。
目を1~5分程度ゆっくり瞑るだけでも違ってきます。
〇ホットタオルで目を温める
温かいタオルを目の上に5分ほど乗せ、目を温めます。
血行がよくなり目の筋肉がほぐれます。
〇拡大鏡を使う
最近拡大鏡がすすめられています。
老眼鏡は、各自の目の調節を助けるために、近くにピントを合わせて作られています。
一方、拡大鏡は、本来の大きさよりも大きく拡大してみえます。
2倍、3倍、などの倍率で手元が拡大されるので、緻密な作業や裁縫などに向いています。
近くに焦点があわず見えにくい場合は、老眼鏡でピントを合わせましょう。
もっと細かいものが見えにくい場合は、老眼鏡をかけたうえで、拡大鏡を使用するといいでしょう。
虫眼鏡のように手にもって使うもの、眼鏡タイプのものなどが出ています。
5.まとめ
加齢は止められませんが、予防はできます。
できるだけ老化を進ませないように日常生活を見直し、改善していきましょう。
見えにくくなったら、眼科を受診してしっかり検眼してもらう必要があります。
無理して体調を崩してしまうことなどが起こらないうちに受診しましょう。
※この記事を監修して頂いた専門家の方
監修:南部 洋子(助産師、看護師)