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【看護師が解説!】肩があがらない!その原因と治し方は?



 

監修者・女性

この記事の執筆専門家

看護師 助産師 青井梨花 (株式会社とらうべ)

 

株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験がある助産師。現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。

※本記事は、助産師の方に執筆いただいたものを健康チョキンにて編集しております。

 

1.はじめに

肩があがらないと聞くと「四十肩とか、五十肩じゃない?」と考える人も多いと思います。

 

確かにその場合もありますが、20代でも30代でも肩があがらないという症状は起こる可能性があるのです!

 

どうして肩があがらなくなるのか、その原因と治し方を紹介します。

 

2.肩があがらなくなる原因って何?

肩があがらない場合に、考えられる主な原因は何なのでしょうか?

 

●巻き肩や猫背などの姿勢の悪さ

こんなことはありませんか?

 

  • デスクワークで長時間パソコンを使う
  • スマホをよく使う
  • 休みの日は1日中テレビゲームをする

 

同じ姿勢でずっといると、知らず知らずのうちにうつ向いた姿勢になり、猫背や巻き肩になりやすくなります。

 

また、同じ姿勢の状態が続くことで、肩関節の動く範囲がどんどん狭くなっていき、例えば何か運動をする時に急に動かすと、肩関節の炎症が発症する場合があります。

 

20~30代でも、このように日常的に長時間、肩関節に負担がかかることで症状があらわれるケースがあります。

 

●肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)

40~50歳代に多くみられることから、「四十肩」「五十肩」とも呼ばれます。

 

加齢によって、肩関節の組織がもろくなっているところに、

 

  • 庭の高い樹木の手入れをした
  • テニスやゴルフ中、大きく腕を振った
  • 窓拭きをした時上の方まで手を伸ばして拭いた

 

このような、何かしらの力が加わることで、肩の骨や軟骨靭帯や腱といった、肩関節~周りの組織に炎症が起きることで発症すると言われていますが、その根本的な原因はまだわかっていません。

 

また、20代30代でも、運動不足悪い姿勢が続いている等によって、肩関節の動く範囲が狭くなっている場合など、突然発症することもあるので、注意が必要です。

 

肩関節周囲炎の、肩があがらない以外の症状をまとめました。

 

  • 夜、寝返りをうったり、痛い方を下にすると、肩関節がズキズキ痛んで眠れない
  • 頭の後ろや腰の後ろで手を組むことが難しい
  • 腕を横に伸ばした際「ピキーンッ」とするような激痛が走る
  • 肩だけでなく、二の腕や肘の方まで痛む、手のむくみがあり、握りづらい
  • 肩関節の周りが常に重だるい

 

●腱板損傷

腱板とは、腕を内側や外側に回す動作をするときや、腕を挙げる動作をするときに重要な部分のことを言います。

 

  • 転んだ時に肩から転んでしまった
  • 野球部の子が肩を使いすぎた
  • 加齢で腱板が劣化した

 

このようなことをきっかけに、腱板に傷が出来て炎症を起こし発症します。

 

また、そのままにしておくと、腱がどんどん弱くなって断裂が起きることもあります。

 

腱板損傷は、年齢関係なく、若い人から高齢者まで幅広い年代にみられます。

 

例えば肩から転んでしまった時でも、若いから心配ないと勝手に解釈するのではなく、痛みが激しい場合は腱板損傷を疑ってみましょう。

 

また、肩があがらず、物を持ち上げられないのは、歳をとって力が弱くなったからと思っていたら腱が切れていた、というケースもあるようです。

 

腱板損傷の、肩があがらない以外の症状をまとめました。

 

  • 夜中に肩がズキズキと痛み、眠れないほど痛む
  • コップや箸を口に運ぶのが難しい
  • 肩をあげようとすると、肩の前側上面で「ジョリジョリ」「ギシギシ」などの音(軋轢音:あつれきおん)がする場合もある

 

3.肩があがらないときの治し方、解消法

肩があがらない原因別に、適切な解消法を紹介します。

 

●巻き肩や猫背など姿勢の悪さ

肩があがらなくなってしまうほど悪化する前に、まずは姿勢の悪さを解消しましょう!

 

姿勢が悪くなってしまう原因ごとに、治し方をまとめました。

 

デスクワークで長時間パソコンを使う

ポイントは2つあります。

 

正しく椅子に座ろう

デスクと椅子の高さが合っていなくて姿勢が悪くなってしまうことがあります。

 

椅子の高さは、「身長×0.25㎝」が理想です。

 

座って足の裏をきちんと床につけて、膝の角度が直角になっているかチェックしましょう。

 

1時間に1回程度席を立つ

1時間に1回は席を立つように心がけましょう。

 

その際に肩を回したり軽くストレッチをして肩関節の可動域を広げましょう。

 

スマホをよく使う

スマホを見る時、うつむくようにスマホを覗き込んでいませんか?

 

ベッドに寝そべったり、無理な姿勢のまま腕を前に伸ばしたりしてスマホを使うと、更に肩に負担がかかってしまいます。

 

スマホを使う時は、まっすぐに腰掛け背筋を伸ばしスマホを30cm以上離してあごを上げた状態で上目遣いにスマホを覗き込むように見るのが理想です。

 

とはいってもなかなか難しいですよね!まずはうつむかず、目線の先にスマホを持ってくるところから始めてみましょう。

 

休みの日は1日中テレビゲームをする

スマホゲームの場合も、テレビゲームの場合も、悪い姿勢で長時間ゲームをし続けることは、やはり肩に負担がかかってしまいます。

 

しっかり椅子に座って、良い姿勢を意識しながら、画面はスマホなら30cm以上テレビなら1m以上離れてゲームをしましょう。

 

また、長時間やるのではなく、時間を決めてトライしましょう。

 

ダラダラとゲームをやり続けるよりも効率も良くなるかも?

 

●肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)

肩関節周囲炎には、発症してから、3つの病期があります。

 

病期ごとに、どう対処したら良いのかを説明します。

 

急性期(発症からおよそ2週間~1ヶ月)
  • とにかく安静を保つ
  • 熱を持っている場合は、氷等で冷やす

 

急激な痛みは数日間で治るのが一般的ですが、痛みが酷い場合は、医者を受診しましょう。

 

消炎鎮痛剤の内服や湿布薬を処方してもらい、注射等をしてもらうと楽になります。

 

慢性期(発症からおよそ半年~1年)
  • 筋肉強化や拘縮(肩の筋肉が固まって縮む)予防のために、運動やストレッチ等を進める
  • 肩関節を温めるのも良いので、ホットパックや入浴し温める

 

痛みが鈍くなりますが、急性期の炎症が影響で肩の筋肉が萎縮し固くなってしまう可能性があるので、痛くない範囲でストレッチ等をし、筋肉をほぐしましょう。

 

3~6ヶ月ほどしても痛みや症状が改善しない場合には、手術が必要になる場合もあります。

 

回復期(症状が回復してくる時期)
  • 肩の可動域を広げるため、ラジオ体操等の運動を取り入れる(リハビリ)

 

この時期に肩の可動域を広げておかないと、治った後も、元のように動かなくなる可能性があるので、しっかりリハビリをするようにしましょう。

 

肩関節周囲炎は、自然に治ることもありますが、そのまま放置すると、関節とその周りの組織がくっつき固まり(癒着:ゆちゃく)動かなくなることもあるので、気になる場合は無理せず受診しましょう。

 

 

●腱板損傷

腱板損傷の場合、2つの治療法があります。

 

▼保存療法

・とにかく無理に動かさず、三角巾で腕を固定し1~2週間安静にします。

・その後ヒアルロン酸等を注射したり、軽いストレッチ等をします。

▼手術陵王

70%ほどは、保存療法で治癒すると言われていますが、程度によっては手術が必要な場合もあります。

腱板損傷の場合は、固定し安静にすることで治癒しますが、断裂してしまうと、自然に治癒することはありません

 

どの程度の損傷なのかわからないため、医師に診察してもらいましょう。

 

また、固定することで、肩関節が硬くなってしまう場合が多いので、しっかりストレッチ等のリハビリ運動が必要ですが、一人ではなかなか難しいので、理学療法士等の専門家に診てもらうことをおすすめします。

 

4.肩があがらなくなる前に!予防法を伝授

肩があがらなくなってしまう前に、日常生活の中で、心がけるべきことをまとめました。

 

肩を冷やさない

夏場はエアコンの冷気に肩が直接当たらないように気をつけましょう。

 

襟が大きく開いた服などで肩が冷えることもありますので、ストールを巻くなどで冷えを予防しましょう。

 

毎日のストレッチ

肩関節の動く範囲が狭くなってしまわないように、毎日の生活の中でストレッチを取り入れましょう。

 

それぞれ10回程度を1セットとして

  • 腕を前後に、同じ回数大きくグルグル回す
  • 両手を頭の後ろで組んで肘を張り、肘を前方に出して閉じたり元に戻って開いたりする

    この他にもさまざまなストレッチがあるので、仕事の合間、1~2時間ごとなど、取り入れてみましょう。

     

    5.まとめ

     肩の痛みは全くないけれど、肩があがらないという場合、何かの病気の可能性も考えられるので、その場合には早急に受診しましょう。

     

    湿布等をしても1週間以上肩のひどい痛みが続き、悪化する場合などは、一度、整形外科に受診をしましょう。

     

     

    ※この記事を執筆いただいた専門家の方

    女性専門家

    執筆:看護師 助産師 青井梨花

    株式会社 とらうべ 社員。病院や地域の保健センターなど、さまざまな機関での勤務経験がある助産師。現在は、育児やカラダの悩みを抱える女性たちの相談に応じている。

    ●株式会社とらうべ

    ヘルスケアに関するサービス、マーケティング支援やコンテンツ発信などを事業として展開。医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの専門家により、 医療・健康に関連する情報について、信頼性を確認・検証するサービスを提供している。

     

    ※執筆内容についてはあくまで一般論に関してであり、具体的症状についての説明や診断を行うものではありません。また、執筆者は本サイト上またはリンク先等におけるいかなる個別商品、特定商品の効果保証、購入推薦・推奨などをするものではありません。